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「絶対に災害に負けない」…“縁の下”で鉄路を守り抜いてきた57歳

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 「絶対に災害に負けるな」。長崎県島原市と南島原市の間を流れる水無川に架かる鉄橋で、島原鉄道鉄道課長代理(保線担当)の宮崎新悟さん(57)は、約30年前に作業員に何度もかけた言葉を思い出していた。

かつて被災した区間の水無川の鉄橋近くに立つ宮崎新悟さん。同区間は廃線となり、草むしている(6月2日、長崎県南島原市で)=木佐貫冬星撮影
かつて被災した区間の水無川の鉄橋近くに立つ宮崎新悟さん。同区間は廃線となり、草むしている(6月2日、長崎県南島原市で)=木佐貫冬星撮影

 44人の犠牲者を出した雲仙・普賢岳の噴火災害は、鉄路にも影響を与えた。水無川周辺では雨が降るたびに線路が土石流に埋まり、運休を余儀なくされた。

 当時から保線担当だった宮崎さんは、土石流の警戒や復旧作業を指揮した。始発列車が出る前に川を見に行き、土石流の兆候がないか確認。線路に土砂が流れ込むとすぐさま作業員を集め、重機やスコップでかき出すよう指示した。作業は昼夜を問わず、2、3日続くこともあったという。

雲仙・普賢岳をバックに「赤パンツ」と呼ばれる塗装の車両が走る。1997年の全面復旧時にも走った塗装で、沿線住民らを勇気づけた(長崎県島原市で)
雲仙・普賢岳をバックに「赤パンツ」と呼ばれる塗装の車両が走る。1997年の全面復旧時にも走った塗装で、沿線住民らを勇気づけた(長崎県島原市で)

 「再び走り出す列車を見ると、達成感と使命感がわき上がってきた」と宮崎さん。利用者の減少で被災区間は廃止され、当時を知る社員も減ったが、「災害を乗り越えた経験を伝えていきたい」と語る。

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2126024 0 2021/06/16 10:00:00 2021/06/16 10:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210614-OYT8I50024-T.jpg?type=thumbnail

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