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    中札内地鶏と旬野菜のソテー ◎カモシヤ(札幌市中央区)

    秋の夜長地酒と共に

    • 人気の一品「中札内地鶏と旬野菜のソテー」と燗酒に使う旭川で作られた木グラス
      人気の一品「中札内地鶏と旬野菜のソテー」と燗酒に使う旭川で作られた木グラス

     その昔、日本酒をワイングラスで出す店があると珍しいと思ったものだが、今では当たり前。札幌市営地下鉄東西線の西11丁目駅すぐの日本酒バー「カモシヤ」では、カウンターの頭上に端から端までワイングラスがびっしりぶら下がる。その数、およそ70個。混み合う時は、それがフル回転するというから、若い世代にまで日本酒ブームが浸透しているということだろう。

     店は札幌駅北口で5年余り営んでいたが、今年5月に現在地へ移転。札幌軟石があしらわれたカウンター席や、一列に背が並ぶテーブル席など、都会的なダイニングバーへとイメージを一新している。

     だが、オーナー店主・伊藤貴之さん(35)の日本酒に対する情熱は変わらない。「北海道の酒屋と提携し、都道府県ごとに吟味した冷酒約40種、常温と燗酒かんざけ用は25種ほど常備し、売り切れる度に次々と新しい銘柄を出しています」

     すべて自分でテイスティングして、冷蔵庫には山形県の「上喜元じょうきげん」や埼玉県の「花陽浴はなあび」、北海道の「冬花火」など色彩豊かなラベルの一升瓶が出番を待つ。

     そのさかなとしてまず試したいのは、自家製の酒粕さけかす味噌みそ漬け。大根やセロリ、クリームチーズやうずらのたまごなど、1品190円から350円(注文は3種以上)まであり、6種の盛り合わせも用意している。

     また、少しおなかを満たしたい人には、十勝平野の中札内村でのびのび育った地鶏を使う「中札内地鶏と旬野菜のソテー」がおススメ。じっくりと時間をかけて焼かれた地鶏は、カリカリの皮とふんわりと弾力のある肉を、焦がしバターで洋風に楽しめる。今の時期、つけ合わせの野菜はピュアホワイトで、これまた素朴な甘みをストレートに味わえる。

     さて、選ぶのに迷うほど見知らぬ地酒がそろうけれど、「秋には、“ひやおろし”が出て来るので楽しみですよ」と伊藤さん。ひやおろしとは、厳寒の真冬に仕込み、春先にしぼって寝かせた酒で、外気の温度が貯蔵された酒の温度と同じになる秋に出荷されるもの。

     荒々しい出来たてとは異なり、角のとれたまろやかさが魅力で、ワイン好きもはまりそう。冷酒にするか燗酒にするか迷うところだが、燗酒の場合はカウンターに猪口ちょこが並び、好きな器を選べるのがイイ。各地の地酒を飲み比べながら、秋の夜長を過ごしたいものだ。

    (文・和田由美 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区大通西11、53山京ビル1階 (電)011・206・7151

    【営業時間】 午後5時~午前0時。日曜休

    【主なメニュー】 中札内地鶏と旬野菜のソテー880円、本日のお刺し身680円から、自家製酒粕味噌漬けおまかせ盛り合わせ6種1200円、地酒は道内酒が650円、道外酒が750円(各120ミリ・リットル)、生ビール600円

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年09月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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