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    シェフ特製ソーセージ ◎バール トップ(札幌市中央区)

    肉とスパイス 酒が進む

    • 「シェフ特製ソーセージ」は、付け合わせもたっぷりで満足感あり!
      「シェフ特製ソーセージ」は、付け合わせもたっぷりで満足感あり!

     今春、50年の歴史に幕を下ろした純喫茶がある。札幌市中央区の、すすきの市場の隣にあった「喫茶トップ」は、映画「探偵はBARにいる」のロケ地でも知られ、この街の悲喜こもごもを見守ってきた存在だ。

     その喫茶トップの後に今夏オープンしたのが「バール トップ」。喫茶店を営んでいた児島勝男さん、淑子さん夫婦の長女、児島加奈子さんが「この場所を引き継ぎたい」と業態を変えて新たな息吹を吹き込んだ。

     加奈子さんは狸小路のイタリア料理店「オステリア クロッキオ」のオーナーシェフでもあり、「バール トップ」は、その姉妹店となる。こちらは、シェフの松岡克哉さんとマネジャーの三宅麻子さんが店を切り盛りしている。

     看板に「ワインとビール、飲まさるおつまみ」とうたっている通り、イタリア料理をベースにした酒肴しゅこうや一品料理でくつろげる酒場だ。喫茶からバールに変わったが、ふらりと立ち寄れる雰囲気は、そのままである。

     「シェフ特製ソーセージ」は“飲まさる(思わずお酒が進む)”という北海道弁にぴったりなひと皿だ。ナイフで切り分けると肉汁があふれ、ソーセージというよりも肉を食べているような、しっかりとした食感が印象的。みしめるほど豚肉とスパイスの味わいが広がり、まさにお酒が進む。ビールはもちろん、赤ワインにもぴったりだ。

     ソーセージには赤えんどうの温かいサラダ、クリーミーでなめらかな舌触りのマッシュポテト、そしてニンジンのサラダが付くが、いずれも丁寧につくられたのが伝わる味わい。「TOP風ザンギ」に付く、コールスローのおいしさも特筆ものだ。酒場ではあるが、小さな部分をもおろそかにしない気概がうれしい。

     つまみ、前菜、パスタと並ぶメニューの中に、「TOPのナポリタン」と記された公然の“裏メニュー”がある。旧トップの看板メニューであるナポリタンのつくり方は、勝男さんから松岡シェフへ直々に伝授され、昔からのファンも認める完全再現だと評判だ。

     「新旧のお客さまに来ていただいています。トップの思い出話を聞きながら、この場所が持つ価値をあらためて考えさせられます」と、三宅さん。

     50年間の記憶を大切にしながら、「バール トップ」は新たな物語を紡いでいく。

    (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住  所】 札幌市中央区南6西4の1の11 (電)011・531・6969

    【営業時間】 午後6時~午前1時(オーダーストップは1時間前)、日曜定休。不定休あり

    【主なメニュー】シェフ特製ソーセージ1200円、TOP風ザンギ680円、TOPのナポリタン800円、おつまみ3品盛り合わせ880円から、グラスワイン650円から

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年10月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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