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    イカと根セロリ、シークァーサーの香り ◎TATEOKATAKESHI(札幌市中央区)

    土の器に独創フレンチ

    • 手前が「イカと根セロリ、シークァーサーの香り」。後方は道内各地の野菜が、20種余り入った野菜サラダ「はしり旬名残」
      手前が「イカと根セロリ、シークァーサーの香り」。後方は道内各地の野菜が、20種余り入った野菜サラダ「はしり旬名残」

     普段は贅沢ぜいたくを慎んでいても、年末ぐらいは豪華にフランス料理のフルコースを楽しみたいもの。そんな時に知っておきたいのが、小樽出身の若きオーナーシェフ館岡武士さん(39)が腕を振るう、フレンチレストラン「TATEOKA TAKESHI」だ。

     昨年11月、館岡さんが「ル ヴァンテール」から独立してオーナーとなり、店名を変えてリニューアルオープン。新鮮な魚介や肉はもとより、契約農家から直送の採れたて野菜をふんだんに使い、味わいある素朴な器とも相まって目も舌も楽しませてくれる。

     例えば、12月半ばまでフルコースの前菜となるのが「イカと根セロリ、シークァーサーの香り」。函館の親戚が持つイカ漁の漁船「喜久丸」から送られる新鮮なスルメイカに、少し火入れして甘みを出し、細切りにして高知産シークァーサーで香りをつける。さらに真狩産の根セロリをピューレにして添え、その上に上質なフランス産キャビアをのせるという独創的なもの。

     スルメイカのほんのりとした甘みとキャビアの塩味が絡み合い、さらにマッシュポテトを上品にしたような繊細な味わいの根セロリのピューレが加わり、三つどもえとなって独自のうまみが形成されている。

     しかも器には、釉薬ゆうやくをかけない土そのものの特徴を生かした「焼き締め」の深皿を使用。ざらざらとした風合いが、意外にもフレンチに良く似合う。また、タモの木目を生かした木製の丸皿や札幌軟石を薄切りにした皿など、通常のフレンチではありえない器の数々が登場して驚かされる。

     「どんなに珍しく新鮮な食材を使っても、クラシックな既製の洋食器では、他店との違いや新鮮さを演出しにくいからです」と館岡さん。見た目や香り、味わいなど、五感すべてに訴えかける料理を目指す館岡さんにとって、やっぱり器も“ご馳走ちそうのひとつ”なのだ。

     ワインは、自然派ワインを中心にフランス産を300種ほど用意。ソムリエの渡邊駿さん(27)が、グラス3種3800円、同5種6000円で、料理に合わせて丁寧に選んでくれる。

     さらにユニークなのは、金曜日に加えて、土、日曜、祝日にもランチタイムがあり、アミューズからデザートまでフルコースで味わえること。店内には堅苦しさがなく、リラックスして食べられるのも庶民にはうれしい。

    (文・和田由美 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南3条西2丁目、KT3条ビル1階(電)011・232・2022

    【営業時間】 ランチ(金、土、日曜、祝日)は正午から、ラストオーダーは午後1時。ディナーは午後6時からで、ラストオーダーは午後9時。月曜休

    【主なメニュー】 ランチ(6品)は4800円~7000円、ディナー(8品)は7000円~2万円。グラスワイン赤・白1200円から、ボトル赤・白8000円から、シャンパン1万2000円から(いずれも税別)

    2017年11月09日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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