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    揚げたて蒲鉾 ◎蒲(かま)くら(札幌市中央区)

    野菜、魚介プリッと弾力

    • 「蒲鉾10種盛」。しいたけ、梅シソ、エビ、イカ、ホタテ、チーズなど定番人気の10品が彩り豊かに並ぶ
      「蒲鉾10種盛」。しいたけ、梅シソ、エビ、イカ、ホタテ、チーズなど定番人気の10品が彩り豊かに並ぶ

     色とりどりの野菜や魚介が盛り込まれた真っ白い俵状の品々。皿の上に並ぶ優美な姿は、まるで寿司すしのようだが、この店の主役は揚げたて熱々の蒲鉾かまぼこだ。

     2017年11月にオープンした「かまくら」は、全国的にも珍しいかまぼこ専門の飲食店。ひと口サイズの生地にさまざまな具を合わせ、その場で揚げるスタイルは、ススキノで長年愛され、惜しまれながらも、昨年閉店してしまった老舗の味を受け継いでいる。

     老舗の30年来の常連客だったという、代表の千島和幸さんは「この蒲鉾は唯一無二の味。途絶えてしまうと思ったら、じっとしていられなくて」と自ら新店を開設することになった。レシピを譲り受け、料理長に続投を依頼するなど〈蒲鉾愛〉のために奔走した。

     現在は、ベテランの料理長から店長の鈴木和彦さんがバトンを受け取り、伝統の味を真摯しんしに守っている。注文が入ると、すり身を手に取り、パンッ、パンッと空気を抜き、適度に練りながら俵状に成形していく。

     「このひと手間を施すことで、口に入れた瞬間、程よい弾力と粘りが生まれるんです」と鈴木さん。

     すり身の原料は、余市産の新鮮なワラヅカ。これに塩や卵白などを加え、独自のレシピで練り上げる。具を入れ、ひと口大に成形した蒲鉾は、5分ほど低温の油の中へ。揚げるというより、じっくりと火を通す感覚なので、表面はきれいな純白のままだ。

     出来たてを頬張ると、まずはプリッと元気な弾力に驚き、雑味のない白身の繊細なうま味に「これが蒲鉾?」と思わず舌を巻く。

     具の種類は、さけ、タコ、ホタテなどの魚介から、ゴボウ、なすびなどの野菜、納豆、山わさびといった変わり種まで計25種類あり、多彩なバリエーションを食べ比べできるのも楽しい。

    これに春は山菜、夏はトウモロコシ、秋はギンナンなど季節ごとの旬の味が加わり、これからの時期は牡蠣かきや真ダチが狙い目だ。

     蒲鉾の生地にアサリやイカなどの数種類の魚介をトッピングした「かまぼこピザ」や、たっぷりのチーズがあふれる「マシュマロ揚げ」など創作メニューも人気が高い。

     たかが蒲鉾、されど蒲鉾。目からウロコのおいしさと奥の深さに脱帽だ。

    (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南5西4、すすきの寿ビル2階(電)011・596・0404

    【営業時間】 午後5時~午前0時(ラストオーダーは午後11時30分)定休日は日曜と祝日(連休の場合は最終日)

    【主なメニュー】蒲鉾5種もり750円、7種盛1050円、10種盛1380円。単品はゴボウ、なすび、タケノコ、納豆、梅シソ、山わさび、鮭、タコ、イカ各190円、ホタテ、エビ各210円、かまぼこピザ980円、マシュマロ揚げ600円など(各税別)

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年12月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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