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    伊達さんのゆり根と牟田さんのおいしいたまごのカルボナーラ ◎DAL1982(札幌市中央区)

    全卵使い澄んだ味に

    • 伊達さんのゆり根と牟田さんのおいしいたまごのカルボナーラ。卵は清水町「十勝エッグフォレスト」産の平飼い有精卵を使用
      伊達さんのゆり根と牟田さんのおいしいたまごのカルボナーラ。卵は清水町「十勝エッグフォレスト」産の平飼い有精卵を使用

     店名の由来について話を聞くのが好きだ。料理人が悩みに悩んだ末に決めた名前には、初心や理想、覚悟、さまざまな思いがにじむからだ。

     昨年11月に札幌市中央区の南円山地区にオープンした、こちらのイタリア料理店はどうだろう。「DAL1982」。ダルはイタリア語で“○年から”を表す言葉だという。「店名は僕の生まれ年です。格好つけていえば、これまでの感謝と経験をひと皿に生かすことができたら、という思いを込めました」。オーナーシェフの小松健哉さん(35)は、そう説明する。

     札幌と東京のイタリア料理店を中心に歩んできた小松さんに、転機が訪れたのは10年ほど前。ある生産者が栽培したアスパラのおいしさに驚いたという。

     生産者の考えや姿勢が味や質に影響すると気づいてからは、「畑めぐりが休みの日の楽しみになった」と話す。食材に対する向き合い方も変わった。皮や芯でさえダシを取ったり、野菜パウダーにしたりして使い切る。食材の命を意識するようになったという。

     DALのメニューには、これまで小松さんが関係を築いてきた生産者の名前が並ぶ。この時期おすすめの「伊達さんのゆり根と牟田さんのおいしいたまごのカルボナーラ」もそうだ。

     一般的なカルボナーラは、濃厚に仕上げるために卵黄だけ入れる場合が多いが、小松さんはあえて全卵を使う。もちろん、生クリームは加えない。手打ち麺に絡む卵の優しく澄んだ味わいが印象的だ。

     そこにアクセントを添えるのが、ゆり根の深い甘さ。幕別町忠類の「伊達農園」では収穫後に、ゆり根を2か月熟成させてから出荷しているので、糖度が20度以上にもなるという。

     さらにコクを加え、全体の味を引き締めているのが、自家製のパンチェッタ。せたな町産の放牧黒豚のバラ肉を塩漬けしたものだ。

     このほか、函館から直送している旬の魚、洞爺の野菜、滝川のかも、白糠のエゾシカなど、産地と生産者、季節感が結びついた料理は目移り必至。アラカルトで迷う時は、おまかせのコース料理もお薦めだ。

     シンプルな店内はカウンター席とテーブル席を用意。地下鉄円山公園駅から少々歩くが、おなかいっぱい味わうには、ちょうど良い距離かもしれない。

    (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住  所】 札幌市中央区南6西22の3の39 (電)011・513・1982

    【営業時間】 午前11時30分~午後2時、午後6時~9時(いずれもオーダーストップ)。月曜休み(祝日の場合は月曜営業、翌日休み)

    【主なメニュー】伊達さんのゆり根と牟田さんのおいしいたまごのカルボナーラが1800円、コースは6品5000円から

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年01月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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