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    もの凄い鯖定食 ◎定食屋 亘(札幌市中央区)

    強火でパリッ熟練の腕

    • 塩加減がちょうどよいので、あえてしょうゆは出さないという「もの凄い鯖定食」。テイクアウトは同料金だが、味噌汁や小鉢は付かない
      塩加減がちょうどよいので、あえてしょうゆは出さないという「もの凄い鯖定食」。テイクアウトは同料金だが、味噌汁や小鉢は付かない

     定食屋といえば、日替わり定食を自慢にする店が多いが、「定食屋 わたる」の場合は、ちょっと違う。固定の、それも2種類のメニューだけで勝負しているのだ。

     開店は昨年11月。札幌市資料館に近い、中央区のビルの地下に暖簾のれんを掲げた。

     目玉は「ものすごさば定食」。茨城県にある創業70余年の老舗干物店「越田商店」がつくるサバの文化干し、その名も「もの凄い鯖」の焼きサバが定食の主役だ。

     “もの凄い”の由来は47年間、塩を継ぎ足し続けている、熟成つけ汁の存在にあるという。このつけ汁に浸して干したサバは、生魚と見まごう美しさ。うま味を閉じ込めるように強火でパリッと焼けば、身はふっくら、しっとり! 焼きサバによくあるパサパサした食感とは無縁だ。目の周りの身までおいしい。

     「脂がほどよくあるので、サバが焼ける音の変化を聞き分けながら、慎重に焼いています」と、店長の渋谷純一さん(68)は説明する。

     もう1品、淡路島特産の「焼き穴子丼定食」にもファンが多い。焼いたアナゴの香ばしさと醤油しょうゆダレが相まって、ご飯がどんどん進む。

     いずれの定食とも、和食の道をずっと歩んできた、渋谷店長がつくる日替わりの味噌みそ汁と小鉢が付く。また、ご飯は2種類の道産米を使い、冷めてもおいしいブレンドにしているので、テイクアウトにするのもおすすめだ。

     渋谷店長をはじめ、亘で働くのは60代のシニア層。ゆえに営業時間は短く、定休日を多く設定している。

     「飲食店は人手不足といわれて久しく、一方で高齢の方々から働く場所がないという声を聞いていた。経験を生かし、無理なく楽しく働ける場づくりをしたいと思っていた」。そう話すのは、同店のオーナーであり、イタリア料理店「マガーリ」のシェフでもある宮下照生さん(43)。今後も同様の展開を考えているという。

     全国からえりすぐった素材と、それを生かす熟練の腕。亘の定食は少々高価だが、自分へのご褒美に、あるいは、午後の仕事に気合を入れたい日には、ぴったりのランチといえる。

    (文・小西由稀 写真・岩浪睦)

    【住 所】札幌市中央区大通西14(北向き)、北日本南大通ビル地下1階(電)080・4043・8172

    【営業時間】午前11時~午後4時(オーダーストップ)土、日曜、祝日休み

    【主なメニュー】もの凄い鯖定食1000円、焼き穴子丼定食1500円

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年02月22日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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