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    桜エビと春野菜の上海焼きそば ◎和酒と活鮮「とうりん」(札幌市中央区)

    旬の恵みピンク華やか

    • 春を体感させてくれる旬メニュー「桜エビと春野菜の上海焼きそば」
      春を体感させてくれる旬メニュー「桜エビと春野菜の上海焼きそば」

     昨今の日本酒ブームは、若い女性を中心に快進撃を続け、その勢いはとどまる所を知らない。そんな日本酒に合う酒肴しゅこうに心を砕くのが、創作和食「とうりん」の店主・中山直哉さん(38)だ。

     せたな町出身の中山さんは札幌の調理専門学校を卒業後、中華料理店を皮切りに創作和食店やイタリアンバル、居酒屋などで修業を重ねた。2016年暮れに独立してこの店を開業。店名は、故郷で両親が営む中華料理店「桃林」にちなみ、えて平仮名にしたという。

     この店がユニークなのは、おすすめの一品メニューに加えて、飲み放題付きの全7品コース4000円と5000円にも力を入れていることだ。これは月替わりで、例えば4000円コースの4月は「あさりと菜の花芥子からし漬け」の先付けに始まり、「春のお造り三点盛り合わせ」や「中札内鶏としば漬けタルタル」などが続き、締めに「桜エビと春野菜の上海焼きそば」が登場する。

     つまり、和食だけでなく、洋食や中華の要素も取り込んだ独創的なメニューといえる。

     菜の花に函館産アスパラなど春野菜を使うこの焼きそばは、オイスターソースで軽やかにいためたもの。飽きのこないシンプルな味わいで、淡いピンク色のサクラエビが加わることで華やかな彩りとなり、春の到来を実感させてくれる。「サクラエビは春が旬なので、一品メニューも含めて5月いっぱいまで出すつもりです」と中山さん。

     飲み放題には10~16種の地酒が用意され、その中から選べる。私ならこの焼きそばに、白ワインのようにさわやかなキレ味の「而今じこん」(三重)を合わせて飲んでみたいなあ。

     店には約80種を常備。「十四代」(山形)や「飛露喜」(福島)など、愛飲家なら外せない名酒がキラ星のごとく並ぶ。

     ちなみにせたなは、渡辺淳一の小説『花埋み』のモデルとなった日本初の女医といわれる荻野吟子が診療所を開いた土地。せたなでは収穫した酒米を秋田の酒蔵に送り、町をあげて「吟子物語」という銘柄の酒を造っている。春から秋にかけては、それも飲めるとか。

     酒肴と日本酒のマリアージュをどこまでも追い求める店主の果敢な姿勢を、ぜひ応援したいものだ。

    (文・和田由美 撮影・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南2西6(狸小路6丁目)、岡田ビル2階 (電)011・232・7707

    【営業時間】 午後5時~午前1時(ラストオーダー午前0時)。不定休。

    【主なメニュー】◇桜エビと春野菜の上海焼きそば750円◇なめろう700円◇本日のカマ焼き850円◇全7品4000円コース(飲み放題付き、2人以上)◇全7品5000円コース(同)◇日本酒700円~◇生ビール680円

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年04月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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