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    からすみぶっかけそば ◎手打ち蕎麦と料理 耳(札幌市中央区)

    そば屋飲み 酒呼ぶ一品

    • 炒(い)ったソバの実が香ばしいアクセントになる「からすみぶっかけそば」
      炒(い)ったソバの実が香ばしいアクセントになる「からすみぶっかけそば」

     随分と前の話だ。そば店でお酒を楽しむ、いわゆる“蕎麦そば前”を初めて経験した時、「大人になったなぁ」とうれしく思ったことを今でも覚えている。

     北海道はそばの産地だが、この蕎麦前で粋に遊べるお店はそう多くない。ここ「手打ち蕎麦と料理 耳」は、「そば屋飲みを楽しんでほしい」と、2年前にすすきのに開店。夜だけ営業している。

     一風変わった店名について店主の青木克仁さんはこう話す。「お客様の声に耳を傾ける気持ちを大切にしたい。そして耳の形は人それぞれ。個性を表現したいという思いも込めています」

     蕎麦前にぴったりな季節料理は、そばに関わるものをと心がけている。例えば、「干しイチジクとそば味噌みそ」は、甘味の強いイチジクと八丁味噌でつくる香ばしいそば味噌が好相性。「かえし漬け」は、寝かせてまろやかになったかえし(しょうゆとみりん、酒を合わせたもの)に旬の食材を漬け込んだ。今は生のホタルイカを出している。

     また「かしわぬき」や「板わさ」、「天ぷら」といった蕎麦前の王道もきっちり押さえている。

     気になる日本酒のラインアップは20種類前後。うま口の銘酒ぞろいなので、悩むのも楽しい。

     締めに手繰るそばは、弟子屈町摩周産の「キタノマシュウ」を使用し、十割と更科の2種類を手打ちしている。

     「せいろ」に並んで人気なのが、「からすみぶっかけそば」。十割そばの上にたっぷり削った、国産からすみの鮮やかな色合いが目を引く。

     最初の一口はつゆをかけずにお試しを。からすみのうま味が直球で広がり、ついついお酒が進んでしまう。続いて、本枯れ節で奥行きを出した辛つゆをかけると、からすみの陰に隠れていたそばの風味が香ってくるから面白い。三者の絶妙なバランスが、またお酒を呼ぶ。

     耳は飲食ビルの中にあるが、暖簾のれんを出さず、足元に小さな行灯あんどんともるだけの隠れ家的な入り口だ。最初の一歩は勇気が要るが、そば屋飲みの楽しき世界が待っている。

     週末や午後9時以降は混み合うので、電話で席の確認をしてからお出かけを。

    (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住  所】 札幌市中央区南3西4、カミヤビル4階

    【営業時間】 午後6時~午前2時(オーダーストップ午前1時)。水曜休み。日曜は不定休。

    【主なメニュー】 ◇からすみぶっかけそば1300円◇せいろ730円◇干しイチジクとそば味噌750円◇生ホタルイカのかえし漬け650円◇日本酒700円~

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年05月17日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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