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    メバルの煮つけ ◎出汁おしみ つくし(札幌市中央区)

    熟成醤油で こっくり

    • こっくりコクのある煮汁をまとった「メバルの煮つけ」。ワイングラスに注がれる地酒は1杯500円~
      こっくりコクのある煮汁をまとった「メバルの煮つけ」。ワイングラスに注がれる地酒は1杯500円~

     居酒屋ほど砕けていないが、割烹かっぽうほど堅苦しくはない。2017年9月に札幌・ススキノで暖簾のれんを掲げた「出汁だしおしみ つくし」は、ちょうど双方の中間に位置付けられる、こぢんまりとした和食店だ。

     店主の高橋光さん(30)は、釧路生まれ、中標津育ち。18歳で料理の道に進み、札幌や利尻、京都などのホテルや飲食店で、和食一筋に腕を磨いてきた。

     「僕らの世代も肩肘張らず、気軽に寄れる和食店をやりたくて」と、29歳で独立開業を果たした。

     高橋さんのこだわりは、利尻コンブやカツオ、アラと骨から丁寧に取ったアゴ出汁を、惜しみなく駆使することと、全国各地からりすぐった無添加の調味料。

     例えば、定番人気の「メバルの煮つけ」には、コンブ出汁と魚のエキスに、たる熟成の醤油しょうゆ味醂みりん、喜界島のキビ糖などを加えて炊き上げる。礼文島直送というメバルは、大ぶりで肉厚。プリッと締まった身に、こっくりと甘辛い煮汁がしっかり絡み、脂のうま味が相まって絶妙の塩梅あんばいに。一緒に炊いた豆腐にも、魚のうま味が染み込み、箸とさかずきがぐんぐん進む。

     「この醤油は、島根産の濃い口で丸みのある味わいが魅力。あちこちの醸造元から取り寄せては試し、ようやく見つけた逸品です。その他の調味料も、自分が納得できるものだけを使用しています。調味料オタクなのかもしれません(笑)」

     これからの季節におすすめなのが「塩おでん盛あわせ」。カツオと鶏のスープに岩塩を加えたシンプルな出汁は、どこまでもまろやかで、最後の一滴まで飲み干したくなる優しい味わい。じんわりと味が染みたダイコンや豆腐、ほろりと崩れる手羽先もしみじみうまい。

     また、利尻コンブを与え、平飼いで鶏を育てるカヤニファームの「宗谷のしおかぜたまご」を使った「白いだし巻玉子」や、注文を受けてから旬の食材と炊き上げる「土鍋ご飯」も、常連客に人気が高い。

     純米酒を中心とした地酒は、常時15種類ほどがそろい、瓶替えで訪れる度に新しい銘柄と出合えるのも楽しみの一つ。

     出汁は和食の基本だが、家庭で本格的な味を求めるのは、ちょっと荷が重い……。そんな時、気軽に正しい和食を味わえる一軒は、実にありがたい存在だ。

    (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南3西4の9、カミヤビル3階 (電)011・215・1771

    【営業時間】 午後6時~午前1時(食材がなくなり次第終了)。月曜、第3火曜休み

    【主なメニュー】 ◇メバルの煮つけ1000円◇白いだし巻玉子700円◇塩おでん盛あわせ800円◇炊きたて土鍋ご飯(1合)600円~◇刺し身盛り合わせ1580円◇出汁で作ったラーメン750円。※税別

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年11月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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