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    豆皿のコース料理 ◎日本酒と料理 淳吟(札幌市中央区)

    お皿の上の世界旅行

    • 絵柄も楽しい豆皿で、淳吟流の世界料理をコースで提供。内容は毎日異なる。写真中央上は一夜干しにしたカキのフライ、同下はサバサンド
      絵柄も楽しい豆皿で、淳吟流の世界料理をコースで提供。内容は毎日異なる。写真中央上は一夜干しにしたカキのフライ、同下はサバサンド

     先日、楽しい趣向の新店に出合った。札幌・すすきのに今秋オープンした「日本酒と料理 淳吟」は、メニューがなく、コース料理でもてなす店だが、そのスタイルが面白い。小皿よりひと回り小さな“豆皿”でちょこちょこと、多彩な料理が出てくるのだ。

     店主の松本洋平さん(38)は、市内のさまざまな飲食店や市場に勤めて経験を積み、8年前に清田区に居酒屋を開業。地域の繁盛店だったが、「お客さまとよりつながることができる小さな店舗を、それも中心部でやりたい」と夢を実現させた。

     わずか8・5坪の縦長の店内は、大きなカウンターが鎮座し、8席のみ。目の前で調理する松本さんの姿と会話を楽しみながら、豆皿料理を味わえる。

     店の柱の一つである日本酒は、「いい人、いい酒が多い」と力を込める福島県産を中心に、常時20本ほど用意。いずれも訪問したことがある蔵のものを選び、店名にかけて純吟=純米吟醸を多くそろえる。

     日本酒に合わせるなら料理は和食かと思いきや、「うちはフュージョン料理です」と松本さん。フュージョン、つまりジャンルや垣根を越えたボーダーレスな料理を指す。「世界を旅して出合い、おいしかった料理をアレンジし、お出ししています」。日本酒との相性が気になるところだが、「懐の深い食中酒なので、世界の料理にも寄り添ってくれます」と笑顔を見せる。

     例えば、ウクライナの伝統料理「ボルシチ」は、野菜や肉をトマトで煮込み、自家製サワークリームを添えて出す。トマトが持つ複数のうま味はしょうゆや味噌みそ、カツオ節と同じなので、日本酒にもよく合う。

     刺し身やおひたしといった和食、ヨーグルトソースがアクセントになるトルコの「サバサンド」、南米で好まれる魚介のフライ、台湾風のスープ、イタリアンやフレンチの淳吟風が登場することもある。豆皿の上で世界をあちこち旅しているようで、実に楽しい! 

     皿数が多いコースは20品、午後9時以降に提供するつまみ主体のコースでも8品が繰り出される。市場で食材を確認しながらメニューを考えるため、週に何度も料理が変わるという。

     今宵こよいはどんな食べ歩きの旅が待っているのだろうか。日本酒との組み合わせも楽しみである。席数が少ないので、早めの予約をおすすめしたい。

    (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住 所】 札幌市中央区南5西6 第5桂和ビル2階 (電)050・6873・4011

    【営業時間】 午後6時~午前3時(日曜は午前0時まで)。火、水曜休み

    【主なメニュー】 午後9時までは5000円と8000円のコースのみ、午後9時以降は2000円のおつまみコースも提供。日本酒グラス600円から。※税別

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年11月22日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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