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    ジェノヴァ(チョコレートカステラ) ◎リュミエール エ オンブル (札幌市中央区)

    濃厚 大人なビター

    • 眺めるだけで生つばゴクリのチョコレートカステラ「ジェノヴァ」(2本)
      眺めるだけで生つばゴクリのチョコレートカステラ「ジェノヴァ」(2本)

     初雪は遅かったが、今年もクリスマスは規則正しくやって来る。「クリスマスケーキなんて」という人もいるが、ケーキのないイブは何か物足りない。

     昔は家族のためにケーキを買ったものだが、男であれ女であれ、1年間働き通した自分へのご褒美に買っても良いと思う。そんな時、私が選ぶのはチョコレートケーキである。

     友人に教わったチョコケーキの専門店「リュミエール エ オンブル」は、啓明ターミナル(札幌市中央区南13西22)近くの住宅街にひっそりとたたずむ。ショーケースには、チョコ以外にマロンやラズベリーを使った大型ケーキも並ぶが、どれも必ずどこかにチョコを仕込んでいるそうだ。

     店主でショコラティエ(チョコ菓子の職人)の及川和行さん(46)は、札幌生まれ。市内の洋菓子店を経て、神奈川県葉山町の名店「サンルイ島」で修業。その後渡仏し、パリを拠点に活躍するショコラティエの巨匠、ジャン=ポール・エヴァンの下で学ぶ。帰国後、彼が日本でオープンした「エヴァン・ジャポン」の工場を含めて全店の統括パティシエとして活躍し、2010年に独立。STV札幌放送本社の真向かいに最初の店舗を出し、新しい店名で現在地へ移転したのは昨年2月である。

     そんな及川さんの最新作、チョコカステラ「ジェノヴァ」を試してみる。外側がベネズエラ産カカオ62%でコーティングされ、甘さ控えめの実にビターな味わい。ほろほろと崩れるカステラと一体となった口当たりは濃厚で、食べ進むうちにふとシングルモルトが飲みたくなってしまった。

     上にのせられたローストのカカオ豆や、チョコパウダーをまぶしたチョコサブレの破片など、すべてが混然一体となって独自のチョコ世界が構築されている。これは、間違いなく大人のケーキだ。

     「早めに買っておいても、焼き菓子なのでクリスマスまで持ちます」と及川さん。さらに濃厚(カカオ80%)な味わいで一番人気の「クリオロ」をはじめ、ミニサイズ6種類を楽しめる詰め合わせBOX「ショコラデザンファン」もある。

     ちなみに、店名のリュミエールとは「光」、オンブルは「影」を意味し、続けると「光と影」。良い時も悪い時も、「うちのケーキを食べて幸せな気持ちになってほしい」という願いが込められている。蛇足だけれど、チョコ味のソフトクリームも極ウマで見逃せない。

    (文 和田由美 撮影 藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南13西23 (電)011・796・2904

    【営業時間】 午前11時~午後7時。火、水曜休み

    【主なメニュー】◇ジェノヴァ(1本)950円◇ピラミッド、クリオロ、フランボアジーヌ各480円◇タルトショコラ1980円◇マロンシャンティ1920円◇ショコラデザンファン(ミニサイズ6種類の詰め合わせBOX)1450円◇チョコ味のソフトクリーム390円

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年11月29日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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