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    北海バッテラ ◎バッテラと道産酒 平三(へいぞう)(札幌市豊平区)

    魚介の宝庫多彩なネタ

    • 北海バッテラ(手前右から時計回りに筋子、鰤、えび、鯖)。道産のおぼろで巻くのが平三のオリジナルスタイル
      北海バッテラ(手前右から時計回りに筋子、鰤、えび、鯖)。道産のおぼろで巻くのが平三のオリジナルスタイル

     酢飯に酢で締めたサバの身と白板昆布を重ねた押し寿司ずし「バッテラ」。大阪ではポピュラーな食べ物だが、札幌で専門店とは珍しい。

     「平三」は、今年8月、地下鉄平岸駅前の昭和の匂いが色濃く残る木造長屋にオープンしたバッテラの専門店だ。店主の阿部満さん(68)は、15歳から料理の道へ。道内のホテルをはじめ、寿司職人としてもマレーシアやロシアなど世界各国で長年腕を振るってきた。

     「北海バッテラ」と名付けられた同店の主役は、新篠津産の米を使った酢飯に、きざみワサビとネタをのせ、道産のおぼろ昆布で巻いた棒寿司タイプで、本場のそれとは一線を画す。ネタも定番のサバから、ブリやサケ、筋子、明太子といった変わり種まで8種類とバラエティー豊かにそろう。

     「せっかく魚介の宝庫で作るのだから、北海道ならではのバッテラを追求したい。本場の味とは違う新境地を目指したいと思って」と阿部さん。

     ネタの魚介には徹底してこだわり、例えば戸井産のブリは、一本釣りで船上生け締めした大型のみを漁港から、積丹産の甘エビやボタンエビも漁師から、直接仕入れているという。

     「戸井産のブリは8~10キロ以上の大型を指定して仕入れているので、プリッと弾力があって、脂の乗りも最高ですよ」。これを漬けにしてから軽くあぶってネタにするのが阿部さん流。

     ブリのバッテラは初体験だが、ほんのり醤油しょうゆが香る脂の乗った甘い身と、上品な酢飯が口の中で仲良く相まって、思わず笑みがこぼれる。ふわりと優しく握った酢飯の塩梅あんばいも秀逸で、おぼろ昆布との相性も抜群だ。

     バッテラは1人前2個。締め加減が絶妙な「さば」に、一腹分をたっぷり贅沢ぜいたくに巻いた「筋子」、とろりと甘い「えび」と、さかずきを片手にあれこれ手軽につまめるのもいい。

     また、国稀(増毛)や北の勝(根室)など、道内すべての酒蔵の地酒を取りそろえているのも魅力。

     バッテラは1本単位でテイクアウトでき、正月限定の特別バッテラも残りわずかだが予約受け付け中とか。

     「今後も各地の漁港とタッグを組んで、さまざまな北海バッテラを生み出していきたい。道産野菜を使ったバッテラも思案中です」。阿部さんの飽くなき挑戦は、尽きることがない。

    (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市豊平区平岸2の8 花園会館 (電)011・811・9818

    【営業時間】 午後3時~午前0時 日曜休み。※12月31日はおせちの受け渡しのみ

    【主なメニュー】 ◇北海バッテラ(1人前2個)=鯖、さけぶり、わさび、穴子、えび、明太子各400円/筋子500円◇ポテトサラダ400円◇ふきの煮付け450円◇地酒500円~。※北海バッテラ一本は2000円~ ※すべて税別

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年12月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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