酒肴自慢 ツルッと酔う

旬の天ぷらとそば ◎紫檀―手打ち蕎麦と焼鳥―(札幌市西区)

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もりそばと一緒に、あるいは別々に味わうのもいい蓮根天と車海老天は、塩とワサビでどうぞ。渋い焼き締めの陶器は、小樽・銭函の陶芸家・中島知之さんのオリジナル作品
もりそばと一緒に、あるいは別々に味わうのもいい蓮根天と車海老天は、塩とワサビでどうぞ。渋い焼き締めの陶器は、小樽・銭函の陶芸家・中島知之さんのオリジナル作品

 地下鉄東西線の終着、宮の沢駅の2番出口からすぐ。目指すは、ビルの半地下という隠れ家的な場所にある「紫檀したん―手打ち蕎麦そばと焼鳥―」だ。

 「札幌の中心部ではなく、生まれ育った宮の沢で“飲めるそば屋”を開きたいと思っていました」と、店主の伊藤隼史さん。特別な思いがある地元で「そば屋酒の楽しさを伝えたい」と、昨春オープンした。

 修業は札幌の老舗そば店を皮切りに、人気のそば居酒屋など、夢に向かって真っぐに励んだ。農産物としてのソバにも触れたい、学びたいと、ソバ畑を持つ産地のそば店でも働き、自らソバを栽培したこともあるという。

 店名の紫檀は、修業先の親方が使っていた紫檀材ののし棒にあやかった。紫檀といえば、高級家具や仏具などに使われる一生ものの銘木。硬く締まった材質は重量がある分、延ばしやすく、生地にストレスを与えないといわれている。

 その紫檀ののし棒で、伊藤さんは初心を大切に、毎朝そばを打つ。そば粉は風味の良い在来種の黒松内産「奈川種」と倶知安産「牡丹種」がベース。今の時期は奈川種につなぎを1割加えた外一で仕上げている。ほんのり甘辛のつゆは、カツオの本枯れ節と昆布、干しシイタケのだしが香る。

 夜が主体なので、昼はそばが限定30食。品数こそ少ないが、板わさやだしまき(卵)など、蕎麦前と呼ばれる酒肴しゅこうを用意し、お酒を一緒に楽しめる。

 夜は焼き鳥をはじめ、毎日市場に足を運んでる旬のもので酒肴をつくり、特に天ぷらを自慢にしている。「茨城産・蓮根れんこん天」は5~6センチもの厚さをじっくり揚げることで、シャキシャキ感とほっくり感が共存。香ばしさや甘味も際立つ。東京・豊洲市場からきで仕入れる「車海老えび天」は、頭がうまい。味噌みそのコクと殻の香ばしさが日本酒を呼ぶ。純米酒を中心に、常時5~6種類がそろう。

 メニューによっては多少高めに感じるものもあるかもしれないが、それは素材にも腕にも自信ありの証し。正直な仕事で地域に愛され、他からも足を延ばしてもらえる店に育てたいという、気持ちの表れのようにも映る。その意をむなら、ぜひ夜の紫檀を味わってほしい。

(文・小西由稀 写真・山本顕史)

【住 所】 札幌市西区宮の沢1の1の6の17 エフビル1階(電)011・668・8010

【営業時間】 午前11時30分~午後2時30分、午後5時30分~10時30分(オーダーストップ時間。ただし、そばがなくなり次第閉店)。水曜休み。このほか月1回不定休あり

【主なメニュー】 ◇もり700円◇大和芋とろろそば950円◇蓮根天600円◇車海老天2本1000円◇自家製タレのつくね220円◇日本酒グラス750円から ※税別

※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

61601 0 彩食主義 2019/01/17 05:00:00 2019/01/17 05:00:00 2019/01/17 05:00:00 キャプション別送り https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190117-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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