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    西日本豪雨、道も影響…企業拠点が浸水で休業

    発送荷物、返品も

     甚大な被害をもたらした西日本豪雨。道内でも、被災地に販売・製造の拠点を持つ企業や物流などに影響が出始めている。

    ■企業

     家具販売大手ニトリは、愛媛県大洲市の店舗が浸水し、9日に営業を休止した。再開は未定だ。京都府南丹市に2工場を持つ雪印メグミルクも主要道路の通行止めで、牛乳やヨーグルトなどの出荷を断念した。

     ドラッグストア大手ツルハは、子会社が運営する広島、愛媛、島根の3県の計6店が浸水被害を受け、うち4店は営業再開のメドが立っていない。ホームセンターのホーマックも、西日本の14店舗で浸水被害や従業員が出勤できない状況に見舞われ、営業時間の短縮や休業に追い込まれた。

     道内企業の影響を調査している北海道経済産業局の担当者は「被害状況が流動的で影響は未知数」としている。

     ホクレン農業協同組合連合会などが12日から帯広市で開催する最新農業機械の展示会には、岡山県や広島県などのメーカーが出展する。穀物乾燥機メーカーのサタケ(広島県東広島市)は、幹部社員が豪雨対応のために参加できなくなった。札幌市の営業所長は「本社は出社できない社員もいる。西日本の農業被害がどれくらいになるのか」と気をもんでいた。

    ■物流

     ヤマト運輸や佐川急便は10日現在、岡山県や広島県などの一部地域で集配ができなくなっている。ヤマト運輸の札幌サービスセンターでは、発送した荷物が本州の直営店で留め置きされたり、返品の手続きを始めたりしている。

     物流の停滞が続けば、農作物にも影響が出る。米や砂糖、青果物などを全国に供給しているホクレンは、これまで中国・四国地方に鉄道で輸送していたが、9日からは関西地方でトラックに載せ替えて運んでいる。貨物列車の運休による遅配や、品質管理のため発送を取りやめるなどの影響が出たためだ。

     ホクレン広報総合課の担当者は「現時点で大きな影響はないが、ジャガイモなど傷みの早い青果物が最盛期となる秋口まで続かないか心配だ」と話した。

    ■観光

     近畿日本ツーリスト北海道では、広島県や四国地方への旅行のキャンセルが出始めた。厳島神社などが人気の広島県は9、10月に行楽シーズンを迎える。同社の担当者は「秋口からの予約を見込んでいたが、影響はこれから出ると思う」と話した。日本旅行北海道も「旅行を考えていた方々の旅行マインドが冷え込む」と心配した。

    ■影響の見通し

     道内企業への影響はどこまで広がるのか。日本銀行札幌支店の担当者は「被害の全容が見えず、まだ調査できていない。道内の経済に即座に影響は出ないだろうが、サプライチェーン(供給網)の状況を注視したい」と話した。

     民間調査機関・北海道二十一世紀総合研究所の担当者は「広範囲の被害のため、日本全体の生産量が落ちてくるとみられる。道内にも間接的に影響が及ぶ可能性があるが、現段階で見通すのは難しい」と語った。

    知事、道内の大雨被害「全体像把握を」

     高橋はるみ知事は10日の定例記者会見で、今月上旬に道内が見舞われた大雨による農業被害について「全体像を把握し、しっかりとした対策をしなければいけない」と述べた。

     高橋知事は7日、旭川市で、2016年夏の台風に続いて被害を受けた現場や、土砂が流入した用水路などを視察した。知事は会見で、西日本の豪雨災害に触れ、「平成以降で最大の豪雨災害。全国知事会と連携を図り、最大限の支援に努める」と述べた。

    札幌三越で義援金募集

    • 札幌三越に設置された募金箱(10日、札幌市で)
      札幌三越に設置された募金箱(10日、札幌市で)

     西日本の被災地向けに、札幌市中央区の百貨店「札幌三越」と「丸井今井札幌本店」は募金箱を設置した。義援金は日本赤十字社を通じて被災地に届けられる。

    2018年07月11日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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