井山激闘 5冠守る…棋聖7連覇 「最強の一手」貫く

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第43期棋聖戦第7局で山下九段を下し7連覇を果たした井山裕太棋聖(15日午後8時52分、新潟県南魚沼市で)
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 第43期棋聖戦第7局で15日、井山裕太棋聖(29)が山下敬吾九段(40)を下して7連覇を果たした。人工知能(AI)の影響や若手の台頭で様変わりしつつある囲碁界で、改めて強さを示した。

 午後8時51分、新潟県南魚沼市の「温泉御宿 龍言」の対局室。井山棋聖の白番6目半勝ちで、七番勝負が決着した。井山棋聖は穏やかな口調で「非常に厳しい勝負ばかりで、勉強になるシリーズだった」と語った。

 2017年秋に囲碁・将棋界を通じて初となる2度目の七冠を達成。国内第一人者の立場は揺るぎないものになった。だが、昨夏以降は苦戦が目立ち始めた。碁聖戦で許家元碁聖(21)、名人戦で張栩名人(39)に敗れて五冠に後退。王座戦、天元戦の五番勝負も最終局にもつれ込んだ。

 タイトル戦や国際棋戦に出ずっぱりで、旅から旅へと対局地を巡る生活。1週間で東京―北海道―静岡と移動したこともあり、周囲の棋士から「疲労でまるで酸欠状態だ」と気遣う声が漏れたほどだった。多忙な中、AIの発展で序盤作戦などが大きく変わる状況にも対応する必要があった。

 「自信を持ちきれず、チャンスをつかみきれずで一番厳しい時期だった」と井山棋聖は振り返る。苦戦の末、王座位と天元位を防衛。気分を新たに棋聖戦七番勝負に臨んだ。本シリーズも中・終盤で逆転されるなど苦戦が続き、フルセットの激闘になったが、妥協を排して「最強の手を打つ」姿勢を貫いた。

 最終局は一時苦しくなったが、執念で好手を繰り出し、勝利をつかんだ。約30目の大石を取られた展開にふれ、「予定の行動でなかったが、悔いのないように打つことを考えた」と語った。山下九段は「最終局まで来て、よくなったと思う場面もあったのに残念だ」と悔しがった。

 平成元年生まれの井山棋聖は5月で30歳。「20代は走り続けた10年だった」という。最近、対局前日や当日には食事を1人で静かにとるようになり、酒量も減らした。「心身のコンディションを整え、目先の結果に一喜一憂しない姿勢でいたい。そうすれば成長できると思う」。平成最後の年の防衛劇。日本の王者が新たな時代に向けて歩み始めた。

 

【2日目】1~313手(完)白6目半勝ち

持ち時間各8時間

白・井山7・59分 黒・山下7・59分

 59(53)、61(52)、68(45)、192(186)、195(189)、200(170)、255(179)、256(19)、258(208)、269(183)、271(179)、272(253)、285(14)、287(208)、297(95)、299(83)、307(289)、308(267)、309(111)、312(161)、313(178)

491897 1 棋聖戦 2019/03/16 05:00:00 2019/03/16 05:30:36 2019/03/16 05:30:36 第43期棋聖戦第7局山下九段を下し7連覇の井山棋聖(15日午後8時52分、新潟県南魚沼市の「温泉御宿 龍言」で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190316-OYT1I50016-T.jpg?type=thumbnail

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