一力九段が混戦制し、2勝1敗に…棋聖戦第3局詳報

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 井山裕太棋聖(32)に一力遼九段(24)が挑戦する囲碁の第46期棋聖戦七番勝負第3局が4、5の両日、長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われた。勝負は5日午後7時42分、252手までで白番の一力九段が中押し勝ち、シリーズ対戦成績を2勝1敗とした。

 終盤になって形勢が激しく揺れ動いた本局の模様を「動く棋譜」やタイムラインでお楽しみください。

棋聖戦七番勝負第3局 動く棋譜速報 黒番:井山裕太棋聖、白番:一力遼九段

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終局後のフラッシュインタビュー

■一力九段

――本局は封じ手をはさんで、各辺で黒が地を持つ展開になりましたが、あのあたりの形勢をどう見ておられましたか?

 「序盤の(右下の)カカリからの構想があんまり良くなさそうで、一日目は大変な進行かなと思っていました」

――中央で黒を分断して乱戦気味に持っていかれましたが、そのあたりは?

 「形勢はよく分かっていなかったですし、何が正しかったのかも分からないですけど、結構、(中央で)プレッシャーをかけてこられたので、実戦のようにいかなければ大変かなと思っていました」

――どのあたりで勝ちに近づいたと思いましたか?

 「フリカワリになったときは少し得した気はしていましたが、その後の(左辺の)応対がかなりまずくて、出切られたあたり(185手目)は、はっきり負けだと思っていました」

――その後、中央でコウに持っていき、その折衝の中で好転していった?

 「そうですね、はい。いろいろよく分かっていなかったんですけど、まだ右下あたりが計算できていなくて、最後、勝ちが分かったのは、右下あたりで一目、先手でとって、ほかのヨセに回れたあたりで、少し残るかなと思いました」

――シリーズ2勝1敗になりました。次への抱負を。

 「途中、分からないことだらけだったので、しっかり修正して第4局に向かって行きたいと思います」

■井山棋聖

――封じ手から一連の折衝あたりの形勢判断は?

 「あまり良い打ち方ではないと思っていたのですが、他の図もいろいろ分からなくて、長期戦かなと思っていました。正しい判断はできていなかったですね」

――中央が乱戦模様になりましたが、あのあたりは想定の範囲内でしたか?

 「一手先も分からない展開がずっと続いたのですが、(白144と)左辺に先着されて、少し甘かったのかなと思ったので、そこからは苦しいと思って打っていたのですが……」

――控室では、中央のコウを争わず継いでいくような手順が有力かな、という声が上がっていましたが。

 「そうですね。ちょっと、攻め合いの具合も当初、うっかりしていたこともあって、攻め取りでも行けそうな気はしたんですけど、そうは打てませんでした」

――攻め取りのところは読み切れていなかったということでしょうか。

 「冷静に見れば、その時点では良くなっていたのかなぁ、と思います」

――次の対局に向けた抱負をお願いします。

 「また気持ちを新たに、精いっぱいやりたいと思います」

タイムライン

2月5日

<本局の総括>

 村川九段に対局を振り返ってもらった。

 「力のこもった熱戦でした。終盤は本当にいろいろなことがあって、黒にもチャンスの局面があっただけに、井山棋聖にとっては少しショックの大きい負け方だったかもしれません。結果的に見れば、白188に対し、コウにせずにつないでおけば、黒が良かったと思いますが、実戦の黒189も、ミスとは言え、井山棋聖らしく一番厳しくいった結果だったと思います。

 一力九段も、白162のツケなどハッとさせられる手をたくさん見せてくれました。また、秒読みに入ってからの精度も高く、そこが井山棋聖のミスを引き出したと思います。今シリーズはここまでのスコアもそうですし、内容的にも競った展開が続いています。今後も互いに譲らない接戦が続くと思います」

午後7時42分

 井山棋聖が投了。一力九段がシリーズを2勝1敗とした。

午後6時50分

 中央で発生したコウを井山棋聖が黒199で解消。ライブ中継で解説する孫七段は「これは白が良くなったと思います」。

午後6時40分

 検討室では、井山棋聖の上辺の出ギリで「井山優勢。終局近し」の空気が漂っていたが、井山棋聖の189手目に検討室では「大事件だ」の声が上がった。AIの評価値も揺れ動いている。

午後6時30分

 長崎県西海市は完全に日が落ちた。一力九段の残り時間も1分となっている。

午後6時15分

 中央左の黒と中央右の白のフリカワリのような形になった。井山棋聖の残り時間は1分。どちらが勝つのか。戦いはクライマックスを迎えている。

午後6時10分

 白162に検討室ではどよめきが上がった。検討陣から「予想外の手で、パニックです」。

午後6時5分
参考図23

 白158(△)に対して、黒1からセキにすることはできる。「ただ、このセキでは黒があまり得していない」と検討陣。勝負の行方は混沌としている。

午後6時

 白は断点を抱えながら、中央の黒を攻めていく。攻め合い含みのギリギリの攻防だ。井山棋聖は石音高く黒157と打った。

午後5時54分

 井山棋聖の持ち時間も残り10分を切り、秒読みに入った。

午後5時20分
参考図22

 中央の戦いが佳境を迎えている。一力九段は中央の黒を取るのではなく、白144と左辺を地にして頑張った。井山棋聖は黒145から、中央の黒をまとめて助け出そうとしている。「中央の黒が何事もなく生還できれば、白の仕掛けが空振りとなる可能性もあります」と村川大介九段。ギリギリの戦いが続いている。一力九段の残り時間は10分を切り、秒読みに入った。

午後4時50分
参考図21

 白140(△)と中央の黒を分断し、勝負所を迎えている(参考図21)。次に白1が厳しいので、黒1が有力視されている。白2と中央の黒に迫れば、黒3と左辺の白1子を攻める展開だ。難解な局面で、検討陣もなかなか手が出ない。

午後4時15分
参考図20

 井山棋聖は黒127と、左辺の白模様を消しに行った。ここで白が左辺を守るようでは、中央の黒が勢いを増してくる。一力九段は白128と激しく反発した。井山棋聖も黒129と応戦し、難解な戦いが始まった(参考図20)。一力九段の持ち時間はすでに残り1時間を切っている。

午後3時10分 
参考図19

 一力九段は白116と左辺のヒラキに回った。「右下の三々も立派ですが、左辺に回られて大きな地を作るところがないと判断したのでしょう。勝負手気味の手です」と村川大介九段。井山棋聖は中央を黒117、119と動きだし、白の厚みを制限する(参考図19)。勝負所を迎えた。

午後3時

 午後のおやつ。ともに朝獲れフルーツの盛り合わせ。井山棋聖はここでも原口みかんジュースを注文。昼食も含め、みかんジュース6連投となった。

午後2時50分
参考図18

 朝からの長考合戦の末、黒は右辺に地を確保し、白が厚みを築く分かれとなった。黒115(△)の後、一力九段が再び考えている。参考図18の右下の白1の三々は、根拠と実利の要点で目に付くところだ。対して、中央を黒2やイなどと利かす手が検討されている。広く空いている左辺が気になるところだが、「黒がどこに打つのか、着点が難しい」と村川九段。

午後1時

 対局再開。一力九段は腕組みをして、引き続き盤面を見つめる。勝負の2日目午後が始まった。

<2日目午前の総括>

 2日目午前中の戦いを村川九段に振り返ってもらった。

 「井山棋聖の封じ手はどちらかと言うと、手堅く、地に辛く収まりにいった手で、一瞬、穏やかな分かれになったのかなと思いましたが、一力九段が白90のアタリが踏み込んだ手で、一気に激しい展開になりました。昼食休憩前の井山棋聖の黒95も非常に厳しい一手です。ここは一力九段に選択肢がたくさんあり、昼食休憩明けの一手は勝敗の行方を決める分岐点になりそうです」

午後0時

 昼食休憩に入った。井山棋聖の2日目の勝負メシは「地場野菜の天麩羅と朝獲れ鮮魚のお刺身定食」。一力九段が「長崎名物 特製ちゃんぽん」。前日の昼食の逆となった。第1局から2人は似た路線で昼食を選んでいる。

午前11時30分
参考図17。白7(3の上)

 井山棋聖が選んだのは黒95(△)の切りだった(参考図17)。白1の引きなら、白7まで中央をシボる。黒8に白9と右辺の2子を取れば、黒10の絶好点に回る。これは「黒の思惑通り」と検討陣。

午前11時
参考図16

 一力九段は激しく戦うコースを選んだ。控室では、白94(△)からの難解な戦いの検討が続いている。この図では黒が5子を取って生きる分かれだが、白も外側が厚くなった。「判断が難しい分かれです」と村川九段。

午前10時25分
参考図15

 井山棋聖が黒87(△)まで手堅い打ち方を選んだ。控室では驚きの声が上がっている。白1には黒2、4としっかり生きて、不満がないということだろうか。

午前10時10分
参考図14

 一力九段は白82(△)と抑え込んだ。ここで黒1が検討されている。いずれも難しい戦いだが、控室では黒乗りの声が多い。この図は華麗な分かれとなったが、「これなら黒も打てる」と解説の村川九段。

午前10時

 午前のおやつ。ともに原口みかんジュースを注文した。井山棋聖はこれで1日目の午前、午後に続き、3回連続で原口みかんジュースを注文。みかんジュース攻めを見せている。

みかんジュースを飲む井山棋聖(右)。後方は記録係の大森初段(4日午前撮影)

 1日目に井山棋聖が原口みかんジュースを飲む姿を対局室で見つめていた記録係の大森らん初段=写真。原口みかんジュースを試飲し、「普通のオレンジジュースと比べて、濃厚な甘さがある。めちゃくちゃおいしいです」と満面の笑顔をみせた。

午前9時55分

 長考の末に一力九段が放った80手目からの進行に検討室では「予想外の進行」との声が。右辺を巡る複雑な変化を、村川九段や大橋七段が盤上で並べては崩し、何度も検討を続けている。「(複雑すぎて)目がチカチカする」

午前9時50分
参考図13

 封じ手の黒79(△)に対して、一力九段が長考している。村川大介九段は一例として、白1と中央を止める図を示した(参考図13)。ただ、黒ははっきり生きていて、外側の白にも断点がある。「止めても、これはちょっと甘いかもしれない」という。

午前9時20分

 対局が行われている長崎県西海市は昨日の晴天がウソのように朝から雪が舞っている。

午前9時
封じ手を打つ井山棋聖(右)と着手を見守る一力九段=守谷遼平撮影

 両者一礼して対局が再開。まず封じ手までの棋譜を再現する。

 立会人の坂口隆三九段が開封した井山棋聖の封じ手は、右辺のツケ。控室では「そっちか」という声が上がった。予想されていた手の一つではあったが、本命とされていた手ではなかった。一力九段はスーツの上着を脱ぎ、腕組みをして思考に沈む。村川九段は「井山棋聖は(攻められている、右上の黒石について)すぐに出ていくのはうまくいかないとみたのかもしれない」

参考図12

 黒79のツケ(△)に対し、例えば、白1などとこの1子を取りに行くと、黒6の進出を止められなくなる(参考図12)。

午前8時54分

 一力九段が対局室に。いつもの通り、扇子を脇に置き、碁盤を丁寧にふく。続いて井山棋聖が対局室へ。両者、背筋を伸ばして、静かに対局再開を待つ。

2月4日

<1日目総括>
立会人の坂口隆三九段(右)に封じ手を手渡す井山棋聖(中央は一力九段)=守谷遼平撮影

 新聞解説の村川九段に1日目の戦いを振り返ってもらった。

 「右上で競り合いが起き、互いに反発しあう展開になりました。右上の黒石をしろが攻め、黒がしのぐという構図になっています。封じ手はまさにしのぎの方針を決める分岐点の局面です。井山棋聖がどのような方針で行くのか、明日の最初の1手が楽しみです。黒がうまくしのげたら、打ちやすくなるのかもしれませんが、人間の目では形勢的にはまだ先にならないと分からないです」

<封じ手予想>
参考図11

 白78(△)に対して、午後5時41分に井山棋聖が79手目を封じた。村川大介九段の封じ手予想の本命はイと正面から戦う手だ。対抗がロやハだが、「ロはちょっと妥協した手ですね」。ニは右上の黒を捨てることも考える手で「大穴」という。

午後5時41分

 井山棋聖が79手目を封じる意向を示した。

午後5時15分 
参考図10

 白78(△)に対して、井山棋聖の長考が続いている。封じ手ができる時刻が近づいてきた。正面から戦うイや、ロから右辺を生きる手、イなどの手段をにらんで先にニやハと打つ手など、様々な選択肢がある場面だ。ここで井山棋聖が封じるのだろうか。

小ぶりながら甘くて人気の「大島トマト」

 オリーブベイホテルがある大島の名物が大島トマトだ。小ぶりだが糖度8以上という甘さが売り。へその部分が突きだしたハート型の特徴的なフォルムも「映える」と人気だという。大島とまと農園の担当者によると、もともとは大玉の品種に、水や肥料を抑制するなど適度なストレスを与えることで、甘さがギュッと凝縮した小ぶりなトマトに育つという。最近ではふるさと納税の返礼品としても人気で、担当者は「一度食べたら、忘れられない味。リピーターも多いです」。

午後4時30分
参考図9

 黒77(△)に対して、白1と止めに行く手が検討されている。黒2に対しては、白3、5を決めてから、白7が白の狙いだ。イとロが見合いで、これは黒が困っている。

午後3時50分
参考図8

 一力九段は白60から62と真っ向から戦うコースを選んだ。黒63に対しては白64から66と隅を生きる。難解なねじり合いに突入した。

午後3時

 午後のおやつ 井山棋聖は「朝獲れフルーツの盛り合わせ」と原口みかんジュース。一力九段は「原口みかんのバターケーキ」とアイスコーヒー。バターケーキを試食した村川九段は「中に入っているオレンジの香りと食感が爽やかでおいしい。甘過ぎず、大人の味です」。

参考図7

 黒59(△)に対して、白1の切りは厳しい手。黒8までとなれば「全面戦争です」と村川大介九段。白1で白7なら穏やかな展開になりそうだ。一力九段はどのコースを選ぶだろうか。

午後2時20分

 井山棋聖は昼食休憩後も1時間以上考え、黒57とカケツギを打った。続く白58のノゾキは予想された手だが、続く黒59に検討室では「おおぉ」という声が上がった。白を分断して戦おうという手だ。盤面が一気に激しくなった。

午後1時10分
参考図6

 白56(△)に対して、井山棋聖が考え込んでいる。放っておくと右上の白イの切りが厳しいので、黒1で切りを防いでから、黒3と打つ手が検討されている。解説の村川大介九段は「単に黒3と打つ手もあり、悩んでいるんでしょう」という。

午後1時

 昼食休憩を終え、対局が再開された。両者とも定刻より前に対局室に戻り、盤面を見つめていた。いよいよ本格的な戦いが始まる。

<1日目午前の総括>

 新聞解説の村川九段に1日目午前の戦いを振り返ってもらった。

 「布石は定石を3か所で打って、サクサク進んだ印象だったが、下辺で競り合いが始まり、前例があまりない形になりました。午後から、碁盤の右半分で戦いが始まりそうな感じです。ポイントは黒は右上の4子の形をどう決めるのか。それぞれが挟む形になっている1子ずつがどうなるのか。それに加え、下の抱え込まれている白1子もまだ逃げ出すことが可能で、非常に複雑で忙しいです。互いに時間を使って長考することになるかもしれません」

午後0時

 昼食休憩に入った。昼食は井山棋聖が「長崎名物 特製ちゃんぽん」、一力九段が「地場野菜の天麩羅と朝獲れ鮮魚のお刺身定食」。

午前11時45分
参考図5

 黒53では黒55と白1子を制するのも立派な手だったが、井山棋聖は黒53のハサミを選んだ(参考図5)。一力九段は右下の1子を軽く見て白54とハサミ返す。対して井山棋聖は黒55。静かな駆け引きが続いている。

  午前11時25分
参考図4。21(11)、24(18)

 白46(△)に対して、控室では様々な手が検討されている。参考図4の派手な変化はその一例だ。「実戦はこうならないと思いますが……」と検討陣。

午前10時25分
参考図3

 黒37の詰めに対して、白は手を抜いて38のカカリに回った。黒イから動き出す手の対策はどうなっているのだろう。戦いの気配が漂い始めた。

 本局で使われている碁盤、碁石、碁笥はオリーブベイホテルが2014年の本因坊戦のために購入した逸品だ。碁盤には細かく年輪のそろった日本産本榧(かや)が使用され、碁石も「幻のハマグリ」と言われる日向灘のスワブテ貝から取れたものの中から、特に上質な石を集めた特別な一品。碁笥は御蔵島の本桑の根の杢(もく)の部分を使った超特大サイズで、総額は965万円という。

 盤の裏側には、この盤で最初のタイトル戦を戦った井山裕太棋聖と伊田篤史八段の揮毫(きごう)が記されている。囲碁のタイトル戦以外では使われず、大切に保管されているという。

本局で使用された碁石、碁笥、碁盤
午前10時過ぎ

 日本棋院の棋聖戦ライブ中継では、トップバッターとして、幽玄の間の解説を担当する孫喆七段と、観戦記を担当する大橋成哉七段が登場した。

 孫七段によると、一力九段は山手線の駅に詳しいのだとか。「何でもいいから問題を出して」と言われた孫七段。適当に「代々木駅の前後四つの駅は?」と聞いたところ、一力九段は「う~ん、良い問題だ」としきりに感心したのだそう。その理由は?

 答えはライブ中継動画でチェック!

午前10時

 午前のおやつはいずれも「原口みかんジュース」。西海市特産の「原口みかん」だけを絞った100%天然のジュースだ。原口みかんは、ミネラルが豊富な西海市の土壌で、木になった状態でじっくり熟成させた「木成完熟」のみかんで、小ぶりながら驚くほどのコクと甘みがある。

午前9時50分
参考図2

 早い進行の中で、白36を見て井山棋聖の手が少し止まっている。黒1やイなどが目に付くところだ。黒1なら5までが予想される。

午前9時30分
参考図1

 控室では、立会人の坂口隆三九段、新聞解説の村川大介九段らが二人の対局を見守っている。立会人の坂口九段は今朝の二人の表情について「対局室から自室も近いし、お互いリラックスしていた感じだった」と話し、「今局はシリーズの中でも、どちらが主導権を握るかが決まる重要な一戦。気合のこもった対局になる」と語った。

 黒23では、黒1もあった。白4の時に、黒5やイと捨てて打つ展開が予想される。実戦は単に黒3と打ち、穏やかな進行になった。両者とも決断よく打ち進め、進行が早い。

午前9時
深く一礼し、対局に臨む井山棋聖(右)と一力九段(4日午前9時、長崎県西海市で)=守谷遼平撮影

 対局開始。黒番の井山棋聖は少し間を置き、初手を打った。対局室には爽やかな朝の光が射し込む。両者ともスーツの上着を脱いだ。

午前8時53分

 一力九段入室。ほどなく井山棋聖も。長崎県西海市は早朝からの曇り空が一転、対局開始が近づくと雲が消え、青空が広がった。対局室から見える入り江も美しい緑色に輝いている。

2月3日

検分を終え、写真に納まる井山裕太棋聖(右)と一力遼九段(3日午後5時21分、長崎県西海市で)=守谷遼平撮影
午後5時10分

 ホテル5階の対局室で検分が行われた。

 検分後のインタビューで、井山棋聖はこれまでの展開について「内容的にも難しい対局が続き、競った展開になっている」と話し、「七番勝負は長いので、これまでと変わらず、自分が納得できる戦いができるようベストを尽くしたい」と意気込みを語った。

 挑戦者の一力九段も1勝1敗という状況について「2局ともきわどく、まずまず自分らしい碁を打てている」とコメント。4年前の棋聖戦以来となるオリーブベイホテルでの対局について「自然豊かなところで、対局に集中できる環境」と話した。

午後4時

 井山棋聖が現地入り、その40分後、一力九段も到着した。

 第3局の会場となるオリーブベイホテルは、長崎県の大島にあるリゾートホテル。対局室からは美しい入り江も一望できる。ホテルの設計を手掛けたのは、世界的な建築家、隈研吾氏だ。地元・大島造船所のゲストハウスとしての役割も持ち、客室を32室に抑えたスモール&ラグジュアリーなおもてなしにファンも多い。

棋聖戦第3局 対局室ライブ中継(日本棋院囲碁チャンネルより)

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