[記者が震えた竜王戦名勝負]<5・前編>好機逃さず、豊島名人逆転勝ち

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第32期 七番勝負第3局 豊島将之名人-広瀬章人竜王(肩書は対局当時)

第32期竜王戦七番勝負第3局に勝ち、シリーズ3連勝で竜王奪取にあと1勝とした豊島名人(右)と、敗れて後がなくなった広瀬竜王(左、肩書はいずれも当時)2019年11月10日、神戸市中央区で
第32期竜王戦七番勝負第3局に勝ち、シリーズ3連勝で竜王奪取にあと1勝とした豊島名人(右)と、敗れて後がなくなった広瀬竜王(左、肩書はいずれも当時)2019年11月10日、神戸市中央区で

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 竜王位に初挑戦した豊島名人は第1局、第2局で連勝。広瀬竜王の終盤力を警戒する豊島名人は対局前、「3連勝して、相手に流れを渡さないようにしたい」と決意していた。角換わりの戦いになり、終盤の入り口で広瀬竜王が好手を放ってリードを奪う。最後は広瀬竜王が勝勢に近い場面もあったが、1手だけ読み抜けが生じていた。豊島名人は、その好機を逃さず、攻防手を発見して逆転勝ちした。将棋は着地が難しい。1勝の重みを感じさせる好局だった。

 対局の模様を2019年11月25日から12回にわたって読売新聞に掲載された観戦記とともに振り返る。

第1譜

 (先)名人 豊島将之(2勝0敗) × 竜王 広瀬章人(0勝2敗)
 ▲2六歩 … △8四歩 1
 ▲7六歩 … △8五歩 1
 ▲7七角 … △3四歩 1
 ▲6八銀 … △3二金 1
 ▲7八金 … △7七角成1
 ▲同 銀 … △2二銀(図) …

 ▲4八銀 … △6二銀 1
 ▲4六歩 2 △4二玉 1
 ▲4七銀 1 △7四歩 1
 ▲3六歩 … △6四歩 1
 ▲3七桂 1 △7三桂 1
 ▲6八玉 … △6三銀 1
 8時間(△0時間11分 ▲0時間04分)24手

そして神戸へ

 第1局は173手の大熱戦。中盤までは広瀬十分の態勢だったが、終盤で盛り返した豊島が競り勝った。続く第2局も激しい将棋だったが、豊島がわずかなリードを保って押し切った。

 これで挑戦者2連勝。最近の将棋界はタイトルの交代劇が続き、昨年の竜王戦以降、タイトル戦で防衛を果たしたのは棋王戦の渡辺明三冠のみだ。文字通りの戦国乱世で、その流れが今回も続いているように見える。

 だが、昨年の竜王戦で「羽生善治九段のタイトル100期」に期待して詰めかけた取材陣の重圧をはねのけた広瀬がこのまま簡単に土俵を割るとも思えない。勝負どころと見られた第3局は神戸市の神戸ポートピアホテルで行われた。

 対局前日の11月8日、広瀬ら東京組は神戸空港経由で、兵庫県尼崎市在住の豊島は車で現地入りした。言うまでもなく、ここは挑戦者の地元である。対局者との撮影会があった前夜祭では豊島の前に長蛇の列ができた。高校時代の友人が久しぶりに会いに来て、豊島がうれしそうに語り合うシーンもあった。

 明けて9日。挑戦者の先手で始まった対局は第1局と同じく角換わりになった。(鈴木宏彦)
 =2019年11月25日読売新聞朝刊より、肩書は当時

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1553994 0 竜王戦 2020/10/16 17:29:00 2020/10/16 21:00:42 2020/10/16 21:00:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201016-OYT8I50060-T.jpg?type=thumbnail

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