[観る将が行く]豊島竜王のフルーツ盛り連打 「やっぱり」と真正面から受け止めたシェフの心意気

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 「将棋めし」がこれだけ注目されるようになった今、会場で料理を担当する料理人にとっても、竜王戦七番勝負は2日がかりの大勝負だ。実際、今年の第1局、第2局でも豪華な昼食がSNS上で大きな話題になった。

 ただ、これまでの2局を取材し、どうしても聞かずにはいられないと思うことが出てきた。

 豊島将之竜王による「フルーツ盛り合わせ8連打」についてだ。

おやつの時間には決まって「フルーツ盛り合わせ」を注文する豊島竜王
おやつの時間には決まって「フルーツ盛り合わせ」を注文する豊島竜王

 竜王戦七番勝負では、おやつの時間が1日2回、午前10時と午後3時にある。

 読売新聞で事務方を務めるMくんによると、朝のおやつにフルーツ盛り合わせを注文するのは「豊島定跡」と呼ばれている。地方での対局時には、午後のおやつはその土地の名物を注文することもあるらしいのだが、今回は、なんと第2局まですべてのおやつで「フルーツ盛り合わせ」を注文している。

 昼食と同様、対局中に提供される「おやつ」は観る将にとっては楽しみの一つ。当然、メディアも写真付きで報じるのだが、代わり映えしないと、格好がつかない。各対局の料理オーダー表に記されたフルーツ盛り合わせ4連打……。担当者も相当のプレッシャーを感じたはずだ。

 ちなみに、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で行われた第1局で豊島竜王に出された4回のフルーツ盛り合わせは写真の通り。

豊島竜王が第1局で注文した「フルーツ盛合せ」。右上から時計回りに1日目午前、午後、2日目午前、午後
豊島竜王が第1局で注文した「フルーツ盛合せ」。右上から時計回りに1日目午前、午後、2日目午前、午後

 旬の果物を使った、華やかで楽しくなるような盛りつけ。しかも毎回、中身や皿を変え、メロンの切り方にもさりげなく変化をつけている。飽きるどころか、むしろ「次はどんな中身で、どんな盛りつけなのか」とワクワクしてしまう鮮やかな“手順”だ。

 味ももちろん文句なし。1日目の午後のおやつで、イチジクを実食した森内俊之九段は「マーベラス!」。2日目の午後の盛り合わせを食べた矢内理絵子女流五段は「桂馬のように軽やか、みずみずしい味です」と思わず笑みをこぼしていた。

 担当したセルリアンタワー東急ホテルのシェフはどんな気持ちで臨んだのだろう。ホテルに取材を申し込むと、多忙につき、広報担当を通じてこんなコメントが寄せられた。

 「(豊島竜王から)おやつ4品ともにフルーツ盛合せをお選びいただきました際には、やっぱりとの印象です。

 実は昨年、挑戦者として対局された際は、勉強不足で『フルーツ盛合せ』はオーダー表に載せておりませんでした。しかし、豊島竜王は欄外に手書きで『フルーツ』と記載してオーダーされたことから、今年は事前にオーダー表に追加させていただきました。

 今回は、竜王戦にちなんでドラゴンフルーツを使用したほか、昨年、山形県天童市で開かれた竜王戦七番勝負の祝勝会で豊島竜王に贈呈されたラ・フランス、その時のインタビューで好物と(おっしゃ)られたりんごなどを提供しました」

 大勢の人の心づくしが熱戦を支え、伝説の礎となる。(藤)

東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で対局に臨む豊島竜王(右)と挑戦者の羽生九段
東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で対局に臨む豊島竜王(右)と挑戦者の羽生九段
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1584909 0 竜王戦 2020/10/29 15:00:00 2020/11/07 14:28:34 2020/11/07 14:28:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201026-OYT8I50120-T.jpg?type=thumbnail

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