タイトル初防衛の豊島竜王「結果出せて良かった」令和の将棋界主役、印象づける
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将棋界最高峰の竜王戦で、豊島将之竜王(30)は念願のタイトル初防衛を果たした。平成の覇者として君臨した羽生善治九段(50)を破っての防衛は、令和の将棋界の主役のひとりであることを強く印象づけた。
6日午後6時25分、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で羽生九段が投了を告げた。豊島竜王は、「タイトル防衛を目標に最近はやっていたので、結果が出せて良かったです」と初防衛の喜びを語った。
豊島竜王3勝1敗で迎えた第5局は、相居飛車の力戦になった。中盤は長考合戦となり、終盤では巧みなしのぎを見せた豊島竜王が勝利をたぐり寄せた。
豊島竜王の人間的成長がはっきりと見えたシリーズだった。象徴的なのが鹿児島県指宿市での第4局だ。
羽生九段の発熱で福島市での対局が延期された後の一局。豊島竜王は終始自然体だった。「序盤、中盤、終盤、隙がない」と評されるスタイルを貫き、見事な勝利を収めた。
11月に福島市で行われたイベントでの様子も印象的だった。第4局が羽生九段の発熱・入院で延期になり、急きょ設定された代替イベントに快く出席した。「できる限りのファンサービスをします」と和服姿で笑顔をふりまいた。
対局でもイベントでも、「今、自分のできることをやる」という信念と落ち着きが際立っていた。30歳を迎えた豊島竜王。棋士としての全盛期を迎えつつある。