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4強時代の主役・藤井聡太二冠に勢いは宿るか…谷川浩司九段の竜王戦本戦展望

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阪神大震災から約2年後、谷川浩司九段(左)が羽生善治竜王との七番勝負を4勝1敗で制し、竜王返り咲きを果たした(1996年11月29日、福岡で)
阪神大震災から約2年後、谷川浩司九段(左)が羽生善治竜王との七番勝負を4勝1敗で制し、竜王返り咲きを果たした(1996年11月29日、福岡で)

コロナ禍と大震災、そしてAIとの共存

 ――令和の将棋界についてうかがいます。昨年来のコロナ禍は、将棋界にも大きな影響を与えました。

 「コロナ禍で、私自身は、地元・神戸も被災した阪神大震災を思い出すことが多かったですね。当たり前だと思っていたことが、実はそうではない。将棋を指せることはとても幸せなことなのだと、改めて感じました」

 ――AIとの共存もキーワードになるかと思います。AbemaTVによる対局のインターネット中継でも、AIが形勢や指し手の評価値を示すスタイルが、すでに定着しています。

 「AIには人と違って恐怖心がないので、時にサーカスのような指し手を示すことがあります。人間なら指さないし、そもそも指す前に読まない手を。AIの示すそうした手は、ある意味で、将棋の新しい可能性を示しているとも言えると思うんですね。人の感覚では突拍子もない手でも、それで局面の均衡が保てているのであれば、いいわけです。新しい手が実戦でどんどん出てくれば、見ている人もより楽しくなるのではないでしょうか」

 ――研究がさらに大変になりますね。

 「私も20歳代後半だった頃、月に10局対局するという時期がありました。けれども当時は、正直言うと『出たとこ勝負』なところもあったんですね。序盤はそこそこで、中盤、終盤で何とかする、という感じです。今は、それでは通用しない。AIが進化して序盤の研究も進み、相手からもAIで分析されます。しっかり準備しなければいけなくなりました」

 「コロナ禍で過密日程になった昨年も、月に10局みたいなことが起きました。私の若い頃とは全然状況が違って、棋士が対局の前にするべき準備が格段に増えましたから、本当にストイックに将棋に取り組まなければ、一線で活躍することはできなくなっています。棋士は今後、それを何十年も続けることになるわけです。本当に大変な時代になりました」

6月25日・本戦火ぶた

 トップ棋士11人が豊島竜王への挑戦権を争う今期の竜王戦本戦は、6月25日に幕を開ける。新たなスターが誕生するか、それとも4強時代を改めて印象づける結果になるか。谷川九段の言葉を聞いて、競争がさらに激化しそうな令和の将棋界から、ますます目が離せなくなった。

  ※注1  33期に及ぶ竜王戦の歴代タイトル保持者は以下の10棋士。★印の6人は竜王が初タイトルだった。★島朗/★羽生善治/谷川浩司/★佐藤康光/★藤井猛/森内俊之/★渡辺明/★糸谷哲郎/広瀬章人/豊島将之(敬称略)

  ※注2  豊島竜王が永瀬王座に挑戦した第5期叡王戦七番勝負は2020年6~9月に行われた。千日手指し直し局1局、持将棋(引き分け)2局を含む全10局という歴史に残る激闘の末、4勝3敗で豊島竜王がタイトルを奪取した。

プロフィル

谷川浩司 (たにがわ・こうじ)1962年生まれ、神戸市出身。14歳8か月でプロ入りし、83年6月、史上最年少の21歳2か月で名人位を獲得。97年には名人位通算5期獲得で「十七世名人」の資格を得た。終盤の圧倒的な鋭さは「光速の寄せ」と称される。著書「藤井聡太論 将棋の未来」は講談社+α新書より。税込み990円。

 ※谷川九段サイン入りの「藤井聡太論 将棋の未来」をプレゼント、詳しくは こちら

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使い方
2148899 0 竜王戦 2021/06/24 10:30:00 2021/07/08 17:07:25 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210622-OYT8I50058-T.jpg?type=thumbnail

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