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4強時代の主役・藤井聡太二冠に勢いは宿るか…谷川浩司九段の竜王戦本戦展望

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 将棋のレジェンド・谷川浩司九段(59)へのインタビュー後編は、最強の18歳・藤井聡太二冠も参戦する最高棋戦・竜王戦の本戦(決勝トーナメント)と、将棋界の未来を展望する。「4強」時代と呼ばれる現在の勢力図は今後、どう変わっていくのだろうか。(聞き手・藤山純久、田口栄一=読売新聞オンライン)

第33期竜王戦七番勝負でタイトル初防衛を果たした豊島将之竜王(左、2020年11月8日・京都での第3局で)、第33期の竜王就位式に出席した(右から)梶浦宏孝七段、藤井聡太二冠、羽生善治九段(21年1月25日、東京で)
第33期竜王戦七番勝負でタイトル初防衛を果たした豊島将之竜王(左、2020年11月8日・京都での第3局で)、第33期の竜王就位式に出席した(右から)梶浦宏孝七段、藤井聡太二冠、羽生善治九段(21年1月25日、東京で)

若きスターが生まれる戦い

 ――藤井二冠は初の竜王戴冠へ、予選(ランキング戦)で5期連続優勝という大記録をひっさげて挑みます。棋士のみなさんから見て、竜王戦とはどんなタイトル戦ですか。

 「『竜王戦ドリーム』という言葉があります。これまでに10人ほどが竜王のタイトルを獲得していますけれども、羽生善治九段を筆頭に半数以上は竜王が初タイトルじゃなかったかな( ※1 )。若い棋士が活躍し、新しいスターが生まれる戦いという印象ですね」

 ――トーナメントで勝ち上がる形式だからでしょうか。

 「名人戦の場合、順位戦というリーグ戦の階段を少しずつ上っていかなければなりません。タイトル獲得まで長期間にわたって安定して勝ち続けることが求められます」

 「竜王戦では、勢いが重要です。決勝トーナメントは対局の間隔が結構短いので、戦いながら勢いと力をつけた者が挑戦者になる。若い挑戦者がよく生まれるのは、そういう理由があると思います。さらに竜王戦は、女流棋士、奨励会員、アマチュアにも挑戦者になれるチャンスがあります。持ち時間が5時間(七番勝負は各8時間で2日制)と長いので、じっくり時間をかけて真剣勝負と向き合える楽しさもありますよね」

ドイツ・フランクフルトで行われた第3期竜王戦七番勝負の第1局を終え、ライン下りを楽しむ(左から)羽生善治竜王と谷川浩司王位・王座(1990年10月21日、肩書は当時)
ドイツ・フランクフルトで行われた第3期竜王戦七番勝負の第1局を終え、ライン下りを楽しむ(左から)羽生善治竜王と谷川浩司王位・王座(1990年10月21日、肩書は当時)

思い出のフランクフルト、羽生善治さんの震える手

 ――ご自身の竜王戦の思い出は。

 「1990年の第3期竜王戦で、私は初めて七番勝負に挑戦しました。当時の七番勝負には海外対局もあって、それはすごく印象に残っています。実は、それまで海外に行ったことがなかったんですよ。対戦相手の羽生九段と行ったドイツ・フランクフルトが、私の初めての海外旅行でした。結局、これまでに合計6回も竜王戦七番勝負で海外に行かせてもらいました。海外に行った回数は、プライベートの旅行よりも竜王戦の方が多いかもしれませんね……」

 ――90年の竜王戦では、当時28歳の谷川さんが20歳の羽生さんから、4勝1敗でタイトルを奪取しています。

 「そのシリーズは、羽生さんの初防衛戦でもあったんですね。羽生さんはすごく緊張していて、第1局で駒箱から駒を取り出す時、手が震えていました。それが記憶に残っています。またこの話をするのか――って(羽生さんに)嫌がられるかもしれないですけど」

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2148899 0 竜王戦 2021/06/24 10:30:00 2021/07/08 17:07:25 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210622-OYT8I50058-T.jpg?type=thumbnail

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