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藤井三冠が豊島竜王を破り、開幕2連勝…竜王戦七番勝負第2局を動く棋譜で詳報

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 豊島将之竜王(31)に藤井聡太三冠(19)が挑戦する第34期竜王戦七番勝負第2局が22、23日、京都市の仁和寺で行われた。藤井三冠の1勝で迎えた、シリーズの流れを決めそうな一局。後手の藤井三冠が70手で豊島竜王を破り、開幕2連勝を飾った。

 対局会場入りしてからの両対局者の動きのほか、動く棋譜やタイムラインで本局の流れを詳報する。

写真特集「第34期竜王戦七番勝負第2局」

写真特集を拡大してご覧になりたい方はこちら

大盤解説中継動画

★3:43:50~ 終局の瞬間と勝敗を分けたポイント解説
★3:51:50~ 対局終了後のインタビュー 

 動画が表示されない方は こちら

両対局者の指し手は「動く棋譜」で

 動く棋譜のページが見えない方は こちら

タイムライン

対局後のフラッシュインタビュー

藤井三冠

――本局の1日目からの推移をどう見ていたか

「こちらの銀が7四から6五に出ていって、働くかどうかがポイントだと思っていました。その後、△7六歩(36手目)から△3四歩(38手目)と突いて、その銀が安定する形になったので、主張のある形になったのかなと思いました」

――封じ手のあたりで形勢をどう見ていたか

「激しい展開になったのでよくわからなかったのですが、うまく(相手の)玉頭から攻め込む形ができればと思っていました」

――形勢が良くなったと思ったのはどのあたり?

「こちらも龍を作られる形になったので、最後まで結構きわどいところが多いかと」

――勝ちになったと思ったのはどの局面?

「△5七桂成(64手目)から攻め込んでいって、最後、こちらの玉は詰まない形になったので、そのあたりでは勝ちかなと」

――開幕2連勝となったが

「第3局(10月30、31日)はすぐにありますので、あまりスコアは意識せずに、いい状態で臨めるようにしたい」

豊島竜王

――本局の1日目からの流れをどう見ていたか

「▲7五歩(31手目)と突いたのですが、△7四歩(32手目)と突かれて、そこで長考(1時間51分)しているようでは良くなかった。もうちょっと前に考えないといけなかったですね。あと、端歩は取り込んでいったのですが、逆用される形だったので結構厳しいのかなと」

――▲6六角から▲7五角と上がった狙いは?

「狙いは後手の飛車を安定させないようにということで、やってみたい手ではあったのですが、結果的にまずい将棋になったので、ちょっと準備不足だった」

――封じ手のあたりの形勢をどう見ていたか

「攻め込まれて結構きつい、悪くなったかなと。その後、(46手目)△7三桂の局面で何を指すかなんですけど、結構つらいのかなと考えていました。うまく頑張る順があると思ったのですが、どうやってもつらそうな感じがしました」

――2連敗のスタートとなったが

「本局は結構、一方的になってしまったので、まずは内容を良くできるようにしたいと思います」

■新聞解説の小林七段に本局を総括してもらった。

「1日目、藤井三冠が銀を8三から7四からに出たのは非常に珍しい形だ。(30手目)△7一金は先手に▲7五歩と突かれることを想定した手。豊島竜王は(31手目)▲7五歩に△7四歩と強く対応されることを軽視したのではないか。▲8六飛と回れないようでは、▲7五歩がちょっと、ということになる。豊島竜王は9筋の歩を伸ばしていったが、結果的に逆用されることになり、差が広がった。そのあたりの藤井三冠の指し回しは絶品だ。終盤では(58手目)△4五桂と打った手が最短の勝ち方で印象に残っている」

10月23日

 午後5時44分 感想戦終了。

 午後5時10分 豊島竜王が投了。70手までで挑戦者の藤井三冠の勝ちとなった。シリーズは藤井三冠の2連勝。

 午後5時 5筋から殺到する藤井三冠。67手目、豊島竜王は玉を3九に逃げることはせず、潔く▲5七同玉と取った。終局近しの雰囲気が漂っている。

 午後4時25分 豊島竜王は52分考え▲8三と、と寄った。藤井三冠は△7七歩成。「藤井さんは決めに行った」の声が出ている。

 検討室から(5) 60手目、藤井三冠の△9九成桂に対する豊島竜王の次の手を検討している。▲3二金などと攻めると△1四銀と打たれそう。▲8三と、と遠巻きに攻める代替案が示されたが、△7七歩成▲同金△5七桂成▲同角△同飛成▲同玉に△5六香▲4六玉△3五銀と追ってから△7七角成という手順が示された。「▲3二飛には△4二角で大丈夫。先手は受けが難しい」(小林七段)という。

 午後3時 午後のおやつは豊島竜王が「亀屋重久」の和菓子「紅葉」、「栗の子」とグレープフルーツジュース。藤井三冠がアイスティーとオレンジジュース。

 午後2時48分ごろ 藤井三冠の着手は△8九桂成だった。豊島竜王は▲2三歩成。△同金▲同飛成△4五桂まで、大盤解説で小林七段が示していた手順の通り局面が進む。△4五桂と指した後、藤井三冠は席を立つ。

  午後2時43分ごろ 藤井三冠が記録係に残り時間を尋ねた。「残り1時間49分」。

 午後2時5分 再開後の豊島竜王の手は▲2四歩。28分の考慮の末、銀も桂馬も取らない手を選んだ。それに対し藤井三冠が考えている。「長考になるかもしれませんね」と、大盤解説の小林七段。

 午後1時30分 対局再開。両者とも前かがみになって一心に読みふけっている。

 検討室から(4) 新聞解説の小林七段に午前の展開を振り返ってもらった。「藤井三冠が攻め、豊島竜王が受けるという展開が続いていて、豊島竜王が形勢を離されないように耐えている印象です。(52手目)藤井三冠の△9七桂不成以下、▲同桂△7七歩成▲同角△同角成▲同金の次に△5五香で後手が指せていると思います」

 午後0時30分 昼食休憩に入った。昼食は豊島竜王が「御室御膳」、藤井三冠が「京ゆばうどん」。いずれも御室会館の和食処「梵」から。

 午前11時 仁和寺にある御室会館で大盤解説会が始まった。解説は22歳の新鋭、服部慎一郎四段、聞き手は長谷川優貴女流二段。服部四段は1日目の指し手から丁寧に解説、約100人の聴衆が耳を傾けていた。

 午前10時 午前のおやつは豊島竜王が「フルーツ盛り合わせ」(京都ホテルオークラ)、藤井三冠が和菓子の「紅葉」と「栗の子」(いずれも「亀屋重久」)。

 午前9時 立会人の淡路仁茂九段が読み上げた封じ手は「▲9七同香」。本命とされた一手。△9八歩▲7七歩まですらすら進む。この日は公開対局で20人ほどの見学者が対局再開を見守った。

 午前8時45分 仁和寺は今日も晴れ。藤井三冠が対局室に入った。畳の上に扇子を置く。3分ほど遅れて豊島竜王が入室。畳の上に懐中時計を置く。駒を並べ終えた後、記録係が棋譜を読み上げ、1日目の手順を再現した。

 

10月22日

<小林七段の1日目総括>

 「相掛かりは流行しているが、後手の藤井三冠が採用した8三から7四に銀が上がっていく指し方は、最近見なかったのでびっくりした。相掛かりでは普通、先手が主導権を握るのだが、先手の豊島竜王は長考を繰り返した。どこかで誤算があり、苦しい時間だったのではないか。局面は終盤の入り口まできている。豊島竜王の受け、藤井三冠の攻めという構図がはっきりしてきた。攻め合いにはなりにくいのではないか」

<封じ手予想>

 次に指す手が非常に難しい局面だ。候補は以下の通り。

 (1) ▲9七同香  受けに回る手。次に△9八歩と垂らされ△9九歩成を狙われるが、▲7七歩と打ってさらに受ける。

 (2) ▲2五飛  飛車を引いて▲2四歩を狙う。△7三桂馬と銀にひもをつけられ、▲2四歩に△3三桂▲2六飛△2五歩▲4六飛となる。

 (3) その他  さんざん考えたが第三の候補手は難しかった。▲4八金など受け一方の手を指すと△9四飛と回られ、▲9五歩と打たされる。9七の歩を払う▲9七同桂は、△7三桂がぴったりに見える。第三の候補は「その他の手」とさせてください。

  午後5時55分  42手目、藤井三冠が△9七歩と垂らした手に対し、豊島竜王が考えている。このまま封じ手になりそうな雰囲気だ。

  午後4時50分ごろ  局面は、藤井三冠が△3四歩と突き、豊島竜王が2筋の歩を交換したところまで進んだ。秋の夕暮れは早い。外は急に冷え込んできたが、対局者の後ろにはそれぞれ暖房が置かれている。

  午後4時10分ごろ  37手目、豊島竜王は角を8六ではなく6八に逃げた。控え室では「淡路流ですね」との声が上がる。淡路九段は“不倒流”と呼ばれ、長手数をいとわない、粘り強い棋風で知られる。

  検討室から(3)  36手目、藤井三冠が△7六歩と突いた局面。▲8六角△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛に、△7三桂と銀にひもを付ける手が有力ではないかと言われ始めた。対して▲9三歩成のような手なら、△3三桂がある。次に△4五桂と二段活用する手が絶品だ。

  午後3時20分  豊島竜王は▲9四歩、藤井三冠は△7六歩と、それぞれ9筋、7筋の歩を伸ばした。控え室では▲8六角△3四歩に▲2四歩と飛車先の歩を交換する変化を調べている。先手が飛車を引いた時に後手の6五の銀に当たるので、対応が難しい。

  午後3時  午後のおやつは両者アップルパイ。藤井三冠は△9五同歩とは取らず、△7五歩だった。

  午後2時25分ごろ  豊島竜王が昼食休憩をはさむ1時間51分の大長考の後、▲9五歩と指した。

 ▲9五歩の意味は、△9五同歩▲8六飛に△7五歩なら、▲9五香と捨て、△同香に▲8三飛成と攻め込む。次に△9八香成と攻め込まれても▲9二龍がある、という読みではないかと小林七段が解説してくれた。いずれ後手から△7六香と田楽刺しを食らうが、「この場合は怖くない」と。

  午後1時30分  対局再開。

  午後0時30分  豊島竜王が33手目を考慮中、昼食休憩に入った。昼食はともに「桜御膳」(仁和寺御室会館の食事処「梵」)。

  検討室から(2)  仮に豊島竜王が▲8六飛と回るとどうなるか。「△8二歩と受けるのは、▲6六歩と突かれます。△8五歩とたたいて、▲同飛に△7六銀と出るのは、▲8三飛成△7七銀成▲同銀で後手に思わしい手がない」と小林七段。△7五歩▲8三飛成の時に代償をどこに求めるか。控え室では検討が続いている。

  午前11時35分  豊島竜王が▲7五歩と突いた手に藤井三冠が△7四歩と突いた局面。次に豊島竜王が▲8六飛と回るとどうなるか。「いきなり面白い局面になりましたね」(小林七段)。控え室では、淡路九段らが継ぎ盤を使って検討を始めた。

  午前11時  藤井三冠は10分ほど時間を使って△7一金と寄った。先手の飛車が8四に回った時の受けになっている。

  午前10時50分  藤井三冠は△6五銀と出た。豊島竜王が▲2六飛と飛車を浮いたところで、藤井三冠が考えている。

  検討室から(1)  24手目、藤井三冠の△8三銀は「思い切った手」(小林七段)。△7四歩と突き、銀や桂馬の活用を目指すのが「現代的」と見られていたからだ。7四に銀を進めた藤井三冠に、豊島竜王は▲7七角と引いて受ける。ここでなおも△6五銀と進出すれば、「▲2六飛と浮き、そこで△7四飛なら、▲7五歩△同飛に2四の歩を交換した後、△3四歩でどうか」(小林七段)。

  午前10時  午前のおやつは豊島竜王がフルーツ盛り合わせ(京都ホテルオークラ)、藤井三冠が「くま最中」と「あんと塩きなこ」(いずれも御室和菓子「いと達」)。

 豊島竜王は定番のフルーツ。「くま最中」はしゅまり豆のこしあんに、黒糖と一休豆を忍ばせた塩味の最中。「あんと塩きなこ」は飲めるほどに軟らかいわらび餅のあんこと、上生菓子で使用する雪平。お好みで塩きなこをかける。

  午前9時30分  局面は第1局に続いて相掛かりへと進行。新聞解説の小林裕士七段は「8割方こうなると思っていました。(9手目の)豊島竜王の▲5八玉は▲6八玉もあるところ」。

  午前9時  立会人の淡路仁茂九段が「時間になりましたので、第34期竜王戦七番勝負第2局の対局を始めてください」と合図。先手の豊島竜王が▲2六歩と飛車先の歩を突き、対局が始まった。藤井三冠はお茶で口をうるおし、△8四歩と応じる。

初手を指す豊島竜王(左)とそれを見守る藤井三冠
初手を指す豊島竜王(左)とそれを見守る藤井三冠

  午前8時45分  藤井三冠が対局室入り。3分後、豊島竜王も対局室入りした。両者一礼の後、駒を並べる。

  午前8時  仁和寺は快晴。対局の準備は整い、決戦の秋(とき)を待つ。

10月21日

  午後6時  京都市内のホテルで前夜祭。関係者約300人が見守る中、藤井三冠、豊島竜王がそれぞれ決意表明を行った。

  藤井三冠 「さきほど検分で対局場となる仁和寺に行ったが、とても荘厳な雰囲気を感じた。由緒ある素晴らしい対局場で指せることを光栄に思っている。明日から対局となるが、持ち時間が8時間と長いので、一手一手しっかり考え抜いて、いい将棋にしていければと考えている」

  豊島竜王 「こうして新型コロナウイルスが少し落ち着き、前夜祭を開催していただいたことをうれしく思っている。仁和寺での対局は私にとっても3年連続となる。対局室に荘厳な雰囲気があり、対局室を一歩出るときれいな庭が目に入って気分転換になる、という印象だ。第1局を落としてしまい、少し厳しい展開だが、第2局から自分なりに精いっぱい頑張っていい将棋を指したい。明日、あさってと大盤解説や新聞紙面で楽しんでいただけたらと思う」

  午後3時40分  対局場となる宸殿で検分に臨む。

  午後3時  豊島竜王と藤井三冠が仁和寺に到着した。やや肌寒さを感じるものの、青空も見えるさわやかな天気。両対局者は元気そうな足取りで決戦の地に降り立った。

 さっそく両対局者は関係者の案内で寺の中を散策した。道中、奉納する瓦に毛筆で署名を求められ、豊島竜王は「夢」、藤井三冠は「飛翔」の文字をしたためた。仁和寺の見どころの一つである五重塔の前で記念撮影。その後、金堂でご本尊の阿弥陀三尊像の説明を受けた。

五重塔の前で記念撮影する豊島竜王(左から2番目)と藤井三冠(右から2番目)
五重塔の前で記念撮影する豊島竜王(左から2番目)と藤井三冠(右から2番目)

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2460597 0 竜王戦 2021/10/21 17:20:00 2021/11/26 08:27:06 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211022-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

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