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シリーズ3連敗の佐藤竜王、混戦制し意地の1勝【第7期竜王戦七番勝負第4局】

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  △竜王 佐藤康光
  ▲名人 羽生善治
 (1994年11月17、18日、北九州市「北九州プリンスホテル」)

第1譜…あとのない竜王

佐藤康光竜王
佐藤康光竜王
羽生善治名人(いずれも肩書は当時)
羽生善治名人(いずれも肩書は当時)

 竜王が三連敗――。

 いかに挑戦者が五冠王とはいえ、竜王が一勝も挙げないうちにカド番に追い込まれるとは、予想もしなかった。

 パリでの第一局は終盤での競り合い負け。三重県四日市での第二局は完敗。そして北海道・定山渓での第三局は好局を惜敗。スコアは一方的だが、竜王が「はっきり負け」と言えるのは第二局だけで、あとの二局は大接戦だった。紙一重の勝負が、しかし残酷な結果になった。第四局は北九州市八幡西区の北九州プリンスホテルで行われた。

 佐藤「北九州に来るのは三回目です。明日からは皆さんに喜ばれるような将棋を指したい」

 羽生「六月に別のタイトル戦で、同じ場所で対局したことがあります。自分の持っている力を十分に発揮したい」

 地元ファンら約二百五十人が出席した歓迎前夜祭で、両対局者はこうあいさつした。

 羽生が言った“別のタイトル戦”とは、今年春、米長邦雄に挑戦した名人戦のこと。羽生は五か月前、この北九州プリンスホテルで米長を破り新名人になったのだった。

 そして、そのときNHK衛星放送で解説役を務めたのが佐藤だった。相手が名人位を獲得した場所で、自分がカド番を迎えるとは、佐藤は思ってもいなかっただろう。(圭)

▲2六歩 1  △8四歩 1
▲2五歩 2  △8五歩 1
▲7八金 2  △3二金 …
▲2四歩 1  △同 歩 …
▲同 飛 1  △2三歩 4(上図)
▲2八飛 2  △8六歩 26
▲同 歩 10 △同 飛 …
▲8七歩 8  △8二飛 3
持ち時間8時間 △0時間35分 ▲0時間27分 16手

第2譜…珍しい戦形

 第一局は相掛かり、第二局と第三局は相矢倉。羽生先手の本局はどうだろう。

 前夜、立会人の加藤一二三九段と塚田泰明八段は「羽生さんが確実に……と思ったら矢倉、あるいは角換わり。しかし他の戦法も十分あり得ますね」と言っていた。

 他の戦法――相掛かりだった。ただし羽生が本局で志向したのは、第一局(相腰掛け銀)のようなオーソドックスな戦法ではなかった。飛車先の歩を交換したあと、飛車を2六ではなく、深く2八に引いたからだ。佐藤の対応はもっと変わっていた。飛車先交換後、こちらも飛車をジッと8二へ引いたのである。こうして「非常に珍しい戦形」(塚田八段)が出現した。

 加藤九段「私はこれまで公式戦を約千八百局指していますが、この形は一局しか指していない。十年前、A級順位戦の桐山さんとの将棋です」

 塚田八段「先手の2八飛形に対し、後手が浮き飛車に構える将棋はよくあるが、8二飛形はあまり見ませんね」

 控室に武者野勝巳六段が来ていた。棋譜データを組み込んだノートパソコンを持参していたので、実戦例を調べてもらったら、最近では、王位戦の飯塚―島(六月)とB2順位戦の東―森下(昨年二月)で、この形が指されているのがわかった。二年間に二局だから、やはり相当に珍しい形なのだ。「もっとも戦前の木村、花田の時代にはよくありましたけどね」と加藤九段。 羽生は右銀を2筋に出た。ここで佐藤が大長考。(圭)

▲3八銀 45 △3四歩 8
▲2七銀 8
持ち時間8時間 △0時間43分 ▲1時間20分 19手

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2152927 0 観戦記 2021/06/24 15:37:00 2021/07/08 17:06:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT8I50098-T.jpg?type=thumbnail

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