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シリーズ3連敗の佐藤竜王、混戦制し意地の1勝【第7期竜王戦七番勝負第4局】

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第9譜…危険な受け

 残り時間は羽生三分、佐藤四分。迫力満点の終盤戦である。いったい、どっちが勝っているのだろう。

 先手玉は△7九角以下の詰めろになっている。従って羽生としては、後手の王を詰ますか、あるいは“詰めろ逃れの詰めろ”をかけるか、二つに一つしかない。

 佐藤が右手で口を押さえて「ウーン」。この日、初めてもらした苦悩の声だった。一分で△1三王。その直後、今度は羽生が「ウーン」。

 △1三王は最善だった。△3二同王だと実はトン死してしまうのだ。すなわち▲4四桂△同銀▲4二金△同王▲2二飛△3二桂▲6二飛△5二桂▲同飛成△同王▲3二飛成の順で。また△1二王も、▲2二金△同銀▲同と△同王▲6二飛△3二桂▲同飛成△同王▲4四桂の筋で、やはり詰んでしまう。

 とはいえ△1三王も危なっかしい形である。「ここで▲2四金は△同歩で詰まない。また▲2八飛は詰めろ逃れの詰めろになっていない」と羽生。そこで▲2二銀以下、6七の金をはずしにいった。

 控室研究によれば「▲6四飛には△3四桂が最善。これなら▲6七飛△9九角▲同玉△7八金(詰めろ)で、後手は絶対に詰まない形だから、はっきり勝ちだった」。

 本譜は3四に空点があるので、先手にコマを渡すと後手がトン死する恐れがある。控室では「逆転か?」の声が上がっていたそうだ。(圭)

△1三王 1  ▲2二銀 …
△同 銀 …  ▲2五桂 …
△2四王 …  ▲3五金 1
△同 歩 …  ▲6四飛 1
△4四歩 1  ▲6七飛 …
持ち時間8時間 △7時間58分 ▲7時間59分 117手

第10譜…波乱の終盤

3連敗の後にシリーズ1勝を返し、ほっとした表情を見せた佐藤竜王(当時)=1994年11月18日、北九州市で
3連敗の後にシリーズ1勝を返し、ほっとした表情を見せた佐藤竜王(当時)=1994年11月18日、北九州市で

 二人とも秒を読まれながらここまできた。次に▲2六銀が見えているので、佐藤は詰めろをかけないと負けだ。

 △3四角――。攻防の妙手に見えたが悪手だった。△5五桂が正着。放置すれば△7九角以下の詰み、また▲6八飛なら△3四角が詰めろで、これなら後手の勝ちだった。

 本譜の△3四角は詰めろになっていない。詰ますとすれば△7九角▲同玉△7八金の筋だが、きわどく詰まない。だから▲4六金と打たれたら大逆転だったが、羽生は「自玉は詰みと思っていた」。

 ▲4五歩が敗着。後手は絶対詰まない形なので、先手玉に必死をかければ勝ち。コマは何枚渡してもよいのだ。

 △9九銀が寄せの手筋。▲同玉は△7八金(△9七金は▲2八飛であやしい)があるので羽生は▲9七玉と逃げたが、△7四桂としばられてすべてが終わった。対して▲9四香は△8五金で決まる。

 △4五角は詰めろ。▲6八飛と逃げると△7八金▲同飛△同角成で、以下▲同金は△8八角▲同金△同銀不成▲同玉△6八飛で詰みなのだ。

 投了図は▲同玉の一手に△8九金▲7八玉△6七角成▲同玉△6六金以下の詰み。

 「ひどい終盤……」と佐藤は言ったが、本紙にコメントを求められるとニッコリ笑って「ホッとしました」。正直な気持ちだったろう。(圭)

△3四角 1 ▲4五歩 …
△9九銀 … ▲9七玉 …
△7四桂 … ▲7九金 …
△4五角 … ▲2六銀 …
△8八角 … ▲同 金 …
△同銀不成…
まで佐藤竜王の勝ち
持ち時間8時間 △7時間59分 ▲7時間59分 128手

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2152927 0 観戦記 2021/06/24 15:37:00 2021/07/08 17:06:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT8I50098-T.jpg?type=thumbnail

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