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第8譜

(先)竜王 豊島将之(0勝3敗) × 三冠 藤井聡太(3勝0敗)
△4五同銀68
▲同 角 … △5四銀 …
▲4三歩 9 △同 金 23
▲2三角成27 △3四銀 25
▲3九飛 1 △2三銀 87
▲3五飛 … △4四角 5
持ち時間各8時間
△5時間49分 ▲4時間25分 84手

攻防の角
タイトル戦ではご当地の食事も楽しみだ。2人とも「宇部ラーメンが食べたい」と口をそろえており、夕食に供された。麺が伸びていなかったか気になるが、「宇部ラーメンはやわ麺なので(大丈夫)」と藤井は打ち上げの席で無邪気な笑顔で語った。よく調べているのは将棋だけではない。
2日目。雲は多いが、天候は晴れ。封じ手は△4五同銀。▲同角△5四銀に豊島は▲4三歩と王手をした。AIの評価値は少し下がったが、「△7六歩の取り込みが大きいので急ぐ必要がある」と豊島は述懐する。
△4三同金に▲2三角成としたが、飛車が参加していない。△3四銀にようやく▲3九飛と使ったが、△2三銀▲3五飛で手番が後手なのが泣きどころ。藤井は迷った手つきで△4四角と攻防に打った。局後にこの手を「よくなかった」と否定していたが、後日に「指しやすさは保っている」と見解が変わっていた。
指了図で昼食休憩に入った。(大川慎太郎)

第9譜

(先)竜王 豊島将之(0勝3敗) × 三冠 藤井聡太(3勝0敗)
▲3八飛 44 △7六歩 52
▲3五桂 2 △8五桂 18
▲8六銀 … △7七歩成14
▲同 桂 6 △同桂左成…
▲同銀左 1 △同桂成 …
▲同 金 … △6五桂 1
持ち時間各8時間
△7時間14分 ▲5時間18分 96手

凡手は疑問手
将棋の強さとは何か。セオリーに反した例外の正解手を発見できる力ではないだろうか。読みのスピードが誰よりも速く正確な藤井は、その能力が突出している。
図で豊島は▲3八飛と引いた。△7六歩▲3五桂に藤井は△8五桂。7七の地点を露骨に狙った数の攻めで、これならアマチュアにも指せないことはない。藤井でもこういう手を指すのかとうれしくなっていたら、後日に「疑問でした」と悔やんだ。後手は攻めを継続したが、指了図以下の反撃が厳しかったという。
△8五桂では「△3四歩だった」と藤井。▲2三桂成に△7四桂から飛車を活用できるので優勢だった。本譜は形勢不明である。(大川慎太郎)
