完了しました
第1譜

1組1回戦
(先)七段 阿部健治郎 × 九段 佐藤天彦
▲7六歩 1 △8四歩 1
▲6八銀 … △3四歩 2
▲7七銀 … △6二銀 3
▲2六歩 1 △4二銀 …
▲7八金 … △3二金 …
▲4八銀 1 △4一玉 …
▲3六歩 … △7四歩 …
▲2五歩 … △3三銀 …
▲4六歩 5 △8五歩 5
▲4七銀 … △7三銀 6
▲5六歩 3 △3一角 …
持ち時間各5時間
△0時間17分 ▲0時間11分 22手

こだわり
「ゴー」という風の音が対局室の窓をたたく。東京・将棋会館の玄関には門松が飾られていた。
先に入室した阿部の盤側にはペットボトルのお茶と東北のリンゴジュースが並ぶ。阿部の出身地は山形だ。ほどなくして入室した佐藤は座布団、そして
戦型は矢倉に進み、▲4六歩~▲4七銀と構える。「米長矢倉」とも呼ばれる急戦策だ。対して佐藤は△7三銀~△3一角と対抗。「5筋を突かず、争点を作らない現代風の駒組みです」と阿部は話した。(高野秀行)

第2譜

1組1回戦
(先)七段 阿部健治郎 × 九段 佐藤天彦
▲4五歩 17 △5四歩 1
▲7九角 … △6四角 16
▲4六銀 … △7五歩 6
▲同 歩 6 △8四銀 …
持ち時間各5時間
△0時間40分 ▲0時間34分 30手

突っ張った作戦
研究家として棋士仲間から一目も二目も置かれる阿部。竜王戦1組在籍は今期で連続6期目だ。2021年度は勝率が上がらず不振だが、大きな一番を勝てば調子は戻るもの。きっかけの一局として格好の舞台である。
「この形はよく指します」という阿部には用意の作戦があった。それが「突っ張った」という▲4五歩。▲3七桂なら無難だが、▲7九角~▲4六角の理想形をいち早く目指すのが狙いである。しかし、先手は陣形を安定させるには時間がかかる。それを許すまいと出た△6四角が機敏な一着だ。「△7五歩▲同歩△同角も有力だと思いましたが、受け方が悩ましいのでは」と佐藤は話す。
△8四銀を見て阿部が23分考え、昼食休憩となった。素早い動きが後手の駒に躍動感を与えている。さて、どう受けるのか。苦悩の時間は再開後も続いた。(高野秀行)
