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第3譜

1組準決勝
(先)九段 佐藤天彦 × 七段 八代弥
△4五歩 33
▲同 歩 1 △4六歩 2
▲同 銀 … △1三角 1
▲4七金 … △5五銀 1
▲同 銀 … △同 歩 …
▲3八銀 … △9五歩 14
▲同 歩 … △5四銀 …
▲6九玉 12 △6五銀 47
▲7八金 48
持ち時間各5時間
△2時間10分 ▲1時間30分 61手

安易さを後悔
現在の将棋界はAI研究が全盛で若手棋士はその傾向が強いが、八代は違う。「自分の感覚を最上位に置いている」
図で八代は△4五歩と仕掛けた。▲同歩△4六歩▲同銀に△1三角。中央で銀交換の後、佐藤は▲3八銀。一方的に手放すがノータイムだった。
「部分的に前例がある形」と佐藤。その将棋を調べ、▲3八銀もAI推奨の手と知っていた。
まだ互角だが、八代は嘆く。「▲4五同歩に△同桂▲同桂△4四歩も互角とわかっていたのでそれしかなかった。本譜は前例を選んだがあまり深掘りしておらず、しかも相手に準備があった」。自分を信じず、前例に頼ってしまったのだ。
なお佐藤は「△4五同桂の変化は知りませんでした」。(大川慎太郎)

第4譜

1組準決勝
(先)九段 佐藤天彦 × 七段 八代弥
△5六歩 1
▲5五角 1 △5七歩成7
▲同 銀 2
持ち時間各5時間
△2時間18分 ▲1時間33分 65手

攻防の見せ場
八代が今期ランキング戦1組の初戦で稲葉陽八段に勝利した際、あることが話題になった。順位戦C級2組に在籍しつつ竜王戦1組を2期経験するのは八代が初という。
「その記録は知っていました」と八代は苦笑する。それだけ若手の競争が激しいことの証明だろうが、「竜王戦がデキすぎなんだよ、という意見があってもいいような気がしますけどね」と八代は冗談交じりに語った。
後手の攻めを先手が受け止める展開だ。歩切れの後手はどう手を作るか腕の見せどころである。
八代は△5六歩と突き出した。AIは△5四銀と戻る手を推奨するが、それでは直前に銀を出た意味がない。佐藤は▲5五角。AIは▲3三角成△同金▲2五桂を推奨するが、「角切りはやりにくい。角を封じ込められたままだとつらいので出た」と言う。後手は指了図でどう攻めをつなげるか。(大川慎太郎)
