居飛車最前線への回帰、佐藤天九段の現在地…対八代七段戦観戦記

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第5譜

1組準決勝
(先)九段 佐藤天彦 × 七段 八代弥
       △7七歩 34
▲同 金 28 △8八銀 46
▲5八玉 15 △9五香 3
▲2四歩 46 △5六歩 18
▲4八銀 18 
持ち時間各5時間
△3時間59分 ▲3時間20分 73手

寄せ切るかしのぎ切るか、紙一重の攻防…永瀬王座×佐藤天九段観戦記

中盤で苦闘

 図で八代は34分考えて△7七歩と打ったが、AIの評価値が下がった。代案は△5六歩で、▲4六銀に△6四銀と角取りに打つ手を示す。主張点の一つである持ち駒の銀を手放すことに八代は後日も難色を示した。

 「一応読んだが、攻めているのに銀を6四に打つのはしっくりこない。それならもっと前に変化するべきかもしれない」

 桂で取る手も有力だったが、佐藤は▲7七同金と取った。八代はここでも46分の長考に沈み、△8八銀と前の手を継承した。AIは評価値をさらに下げ、やはり△6四銀を代案に示すが、それなら1手前に指すだろう。

 ▲5八玉に△9五香と1歩を補充した局面で夕食休憩に。再開前、八代は盤側の棋譜をのぞき込んでいた。持ち時間は八代がかなり少ないが、まだ1時間19分を残す。

 ▲9五同香は△7七銀成▲同桂に今度は△5六歩が強烈なので強く▲2四歩。八代は△5六歩と打ったが、▲4八銀(指了図)が「見えていなかった」。(大川慎太郎)

棋譜を確認する八代七段
棋譜を確認する八代七段

第6譜

1組準決勝
(先)九段 佐藤天彦 × 七段 八代弥
       △2四角 14
▲同 飛 22 △同 歩 …
▲8三角 … △4六歩 12
▲同 金 51 △7七銀成1
▲同 角 … △7六飛 1
▲6五角成… △7七飛成4
▲同 桂 … △8八飛 …
▲6八銀 … △5七金 3
▲同銀右 … △同歩成 …
▲同 玉 … △3九角 …
▲4八銀 3 △同角成 …
▲同 玉 … △6八飛成…
▲3九玉 … △4八銀 21
▲2九玉 …△3七銀不成3
▲同 銀 … 
持ち時間各5時間
△4時間58分 ▲4時間36分 101手

みずみずしさ

 佐藤は今年に入って朝日杯将棋オープン戦と叡王戦でそれぞれ準決勝進出と結果を出した。試行錯誤の末に再び居飛車の最前線に興味を持ったことが大きい。「面白さを感じられることが現在の最大のモチベーションです」と佐藤。地位でもお金でもない。名人3期の実績が心にみずみずしさと余裕を与えている。

 「実績がなければ、自分の探求心を前面に出したいと言っても納得していただけない」

 ワイシャツ姿の佐藤が上着を着た。カバンにかけていたジャケットの裏地はワインレッド色で、鮮やかさが目に残った。

 △2四角を▲同飛が決め手。△同歩に▲8三角できれいな両取りが決まった。八代も嫌らしく追い込んだが、差は詰まらない。まだしも△2四角では△5四銀だったが、「やりにくい」と八代は嘆く。(大川慎太郎)

水分補給をする佐藤九段
水分補給をする佐藤九段

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2992864 0 観戦記 2022/05/19 05:00:00 2022/05/20 17:44:01 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220512-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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