野球観戦、データでさらに面白く!~運動部記者に聞く
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ナイターでは原稿の締め切りに追われ、試合後にじっくり取材する時間はない。どの選手が活躍し、どんなテーマの記事になりそうかをイメージするには、事前のデータ確認が大切だ。
よく参照するのは、日本野球機構(NPB)の記録システム「BIS」。相手との対戦成績やカウント別打率などを確認できる。事前取材にこうしたデータを加味して、試合展開を読む。
巨人の坂本が昨年5月の阪神戦で、通算200号本塁打を放った記事もそうだった。相手先発は変則サイドスローの青柳。坂本は開幕から絶好調でリーグトップの16本塁打をマークしていたが、青柳に対しては当時の通算打率が1割1分1厘と大の苦手。このデータを基に、両者の対戦が試合のカギを握ると注目した。

結果は第2打席にリードを広げる通算200号。投ゴロ併殺打の第1打席から、脚を上げる高さを抑えた打撃フォームに微修正し、タイミングの取り方を工夫していたのだ。記事では、この臨機応変な対処を取り上げた。事前準備がなければ、試合中のフォーム変更を見抜けなかったかもしれない。
データ通りに結果が出ない勝負に、プロのすごみが見え隠れすることもある。様々なデータに注目することで、試合の見え方が変わってくる。(運動部巨人担当・林宏和)