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[令和を拓く]<5>最終回 輝く未来 挑戦は続く

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 昭和の高度成長期、1970年の大阪万博は「人類の進歩と調和」をうたい、輝かしい未来を描いてみせた。

 漫画家浦沢直樹さん(60)の代表作「20世紀少年」に、30代後半に差しかかった主人公ケンヂが、万博の頃に小学生だった仲間と作った秘密基地を探し歩く場面がある。銭湯はフィットネスクラブに、原っぱを潰して建てたボウリング場はブームが去り、マンションになっていた。かつてのケンヂ少年から見た「未来」がそこにあった。浦沢さん世代が共有した時代の変化でもある。それが昭和の万博が描いた夢の未来なのか。

 漫画のケンヂたちは秘密基地のあった場所にたどり着く。そこに埋めた「未来へのメッセージ」を掘り返して思う。「俺達おれたちは今、あの頃夢見たような、大人になっているだろうか……」

 それから更に20年余りがたつ。5年後の2025年には再び大阪で万博が開かれる。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。「全ての人が幸福になる『社会の持続可能性』を考えることが大きな柱になる」(堂目卓生どうめたくお・大阪大教授)

 高知県大川村に住む和田将之さん(29)は、昨年4月の選挙で村議に当選した。

 人口約400人の村は、議会廃止を本格的に検討したことで注目された。高齢化で村議のなり手がなく、定数6を埋める人材の確保が難しかった。議会存亡の危機に7人が名乗りを上げた。和田さんもその1人。

 群馬県出身で民間の地域支援活動をきっかけに移住した。16年に地元農家の華奈さん(29)と結婚。「大川に住み続けたい」と思っていたところに村議会廃止の検討が始まった。華奈さんの妊娠がわかり、和田さんは立候補を決断する。「家族で暮らせる未来をつくるため、平成生まれの世代も行動すべきだと思った」。当選直後の昨年5月、令和生まれの長女榛名ちゃんが家族に加わった。

 全国で数多くの自治体が「消滅可能性」を指摘されている。しかし、和田さんは信じている。

 「住み続けたいという人がいれば、令和もその先も、地域は消滅しない」

         ◇

 昭和から平成、そして令和へ。いつの時代も未来をひらくのは若者だ。次代の担い手は、どんな「より良い世界」を思い描くのだろう。

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987241 1 特集・連載 2020/01/07 05:00:00 2020/01/07 05:00:00

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