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    書き下ろし「知らぬが仏」(3)…12歳の文学賞

     小学生限定(げんてい)の小説コンクール「12歳の文学賞」。KODOMOページでは、2012年に優秀賞を獲得した仲川(なかがわ)晴斐(はるひ)くんが、中学1年生になった昨年夏に読売KODOMO新聞のために書き下ろしてくれた小説「知らぬが仏」(全4回)を紹介しています。

    前回のあらすじ

     お釈迦様から猫へ、説法(仏教の教えを説く会)の手伝いを頼む。手紙をねずみが届ける。猫はずっと、ねずみの悪知恵のせいで干支に入れなかったことを恨んでいた。ねずみが手紙の説法の日にちを書き換えていたとはつゆ知らず、猫は再びねずみに騙されてしまった。

     詳しい話はこちら(第1回 第2回

    お釈迦様、なかなか来ない猫に怒り爆発
    • イラスト・藤波俊彦
      イラスト・藤波俊彦
     説法当日、猫がなかなか来ないので、お釈迦様は大勢の人の前でしゃべる緊張を解きほぐそうと、お酒を少し飲んで待つことにしました。しかし、猫は一向に来やしません。お釈迦様はイライラして、だんだんやけ酒になっていき、突然怒りを抑えきれず叫びました。
     「いつまで待たせるつもりなんだぁ? ったく、ふざけんじゃねぇ」
     いつまでも説法が始まらないので、弟子の一人がお釈迦様の様子を見に来ました。
     「お釈迦様、そんなにお酒を召されると説法ができなくなってしまいますよ」
     「猫も杓子もおれに説教しやがって。酒ぐらい自由に飲ませろよ。ぶっとばすぞ!」
     お釈迦様は立派なお方ですが、日頃のストレスがたまり過ぎ、今日は飲み過ぎてしまったようです。弟子の頭をヘッドロックして、木魚のようにポコポコ叩き始めました。
     「ひーいっ! 誰ぞ、お助け~っ! お釈迦様、無益な殺生をしてはなりません!」
     「るっせい!」
     悲鳴を聞いた他の弟子たちがその場にかけつけ、御釈迦様を押さえつけました。
     「やめろー! 離せーっ! おれは何もしてねぇーんだ! 言う事を聞かねぇーやつには罰をあててやる! 寿命を縮めてやる! 離せぇえええ……ZZZ」そう叫びながら、お釈迦様は深い眠りについていきました。
     「まったく困った人だ。大暴れの末にこのざまとは」 「本当だよ。で、どうする?」
     「ほとけなんかほっとけ、ほっとけ」
     あわれお釈迦様は冷たい床に放って置かれたまま、弟子たちは帰って行きました。
     翌日、目を覚ましたお釈迦様は、
     「あーっ、頭と喉が痛い。二日酔いの上に風邪をひいてしまったようです。誰かいませんか~っ?」
     「あっ、目を覚まされましたか。昨日はちょっと飲み過ぎたようですね。これ、冷たいお水です」
     お釈迦様は息もつかず、一気に水を飲み干しました。「頭が割れそうに痛いんです。何か二日酔いに良い食べ物はありませんか?」 そう聞いたねずみは、山でネコババしてきた怪しい色のキノコを差し出しました。

    次回、遅刻の猫が現れ 大波乱の最終話!!

    「知らぬが仏」の4回目(最終回)は7月10日掲載予定です。

    「12歳の文学賞」は、9月30日まで募集中。詳しくは公式ホームページへ。

    2014年07月03日 14時31分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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