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    東京都足立区の「タコすべり台」

     少し思い起こしてみて下さい。皆さんが子どもの頃、公園にどんな遊具がありましたか? ちょっと危ないけどハラハラドキドキする遊具、圧倒的な存在感がある変な動物の置物――。このような昭和の香りのする遊具は今、次々と撤去されています。一抹の寂しさはありますが、公園は安全になり、かつ洗練され続けているのも事実です。

     読売KODOMO新聞の291号(2016年10月6日号)では、高度経済成長期に誕生した「タコすべり台」という遊具を紹介しました。タコすべり台は、時代を経ても子どもたちに愛され続けています。まず、タコが置かれた公園は、たいてい「タコ公園」という愛称になってしまいます。また、東京調布市のタコが取り壊されることになると、市は2016年9月にわざわざ「お別れ会」まで開催しました。それだけではありません。デンマークにある世界の遊具を集めた公園では、日本を代表する遊具としてタコすべり台が設置されているのです。タコすべり台はまさに“遺産”と呼ぶにふさわしい存在でしょう。

     タコすべり台の起源は、1964年の東京五輪にさかのぼります。当時の東京は五輪開催で活気づき、高速道路や公園の整備が進んでいました。そこで彫刻家の工藤健さんは「はやりの立体交差が楽しめる遊具を作ろう」と思い立ち、ぐにゃぐにゃした曲線を使って滑るところがたくさんある遊具を発案しました。

     ところが、東京都足立区に売り込みに行くと、担当者から思わぬことを言われました。「これじゃあ何だか分からない。頭でも付けてタコにしたらどうか」。しぶしぶ頭を付けると、むしろ子どもが大喜びして全国から注文が殺到したそうです。こうして誕生した第1号のタコは、今も「新西新井公園」(足立区西新井)に現存しています。

     足立区には今も11基のタコすべり台が残され、ファンの間では「タコすべり台の聖地」として知られています。一覧できるPDFファイルも作成しましたので、ぜひ個性豊かな足立区のタコすべり台をご覧下さい。

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    足立区のタコ滑り台一覧

    新西新井公園

     日本のタコすべり台の歴史はここから始まりました。1965年に設置された最古のタコすべり台です。周りには2体の子ダコも設置されており、他の遊具も充実しています。(西新井5-17-1)


    千住ほんちょう公園

     アニメ「あずきちゃん」に何度も出てくるタコ公園のモデルです。かつては緑色に塗られており、「ガチャピンタコ」と言われていたこともあります。1966年設置。(千住4-22-16)


    北鹿浜公園

     百獣の王・ライオンや地上最大の動物・ゾウさえもひれ伏す偉大な存在になっています。なぜこんな遊具の配置にしたのだろうか……と想像が膨らみます。1970年設置。(鹿浜3-26-1)


    千住東町公園

     東武線のすぐそばにいるタコです。特急「スペーシア」と絡めて写真が撮れる、鉄道ファンかつ「タコすべり台ファン」垂涎(すいえん)のスポット。タコなのに、かつてはトリコロールに塗られていました。1972年設置。(千住東2-20-17)


    上沼田北公園

     タコすべり台の周りにたくさんのタコつぼが置かれています。夜に公園を訪れると、真っ赤なタコがそーっとツボの中に……なんてことはありません。1989年設置。(江北7-16-1)


    上沼田東公園

     2012年に設置された足立区で最も新しいタコすべり台です。ちょっと小形で、あまり見かけない独特のデザインです。このタコなら小さな公園にも置けますね。(江北6-10-1)


    水神橋公園

     他では見られない、とてもカラフルなタコすべり台です。かつては赤一色だったのが塗り直されて今のおしゃれな色になりました。1985年設置。(保木間5-32-4・36-29)


    東谷中公園

     吸盤がとってもきれいなタコです。立体的になっていて吸いつかれるとなんだか痛そう。足立区内では一番タコらしい色をしているかもしれません。1984年設置。(東和5-1-9)


    一ツ家中央公園

     やや古めのタコすべり台ですが、吸盤だけカラフルに塗られています。滑る場所の一つに子どもが登れるような足場が付いています。広い公園にどーんと置かれています。1976年設置。(一ツ家3-15-1)


    扇なかよし公園

     非常にせまい公園に置かれています。色はショッキングピンクでちょっと刺激的。裏の集合住宅の子どもがよく遊んだのでしょう。1985年設置。(扇3-9-4)


    興野ふれあい公園

     扇なかよし公園のすぐ近くにあり、ほぼ同じ形をしています。入り組んだ住宅街にある公園の中央で、ひっそりとたたずんでいます。1988年設置。(興野2-28-25)

    2017年01月30日 17時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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