【俺はググらない】宇宙人は確実に存在する…天文学者・鳴沢真也さん

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 「地球外知的生命探査」。英語で表した言葉の頭文字をとって「SETI」と言います。今、さまざまな国の天文学者が、地球の外に住んでいる知的生命(宇宙人)を探しているのです。

 しかし直接行くことができないほど遠い宇宙で、どうやって宇宙人を探せばいいでしょうか。ヒントは我々地球人です。逆に、ほかの星に住む人が地球に知的生命を見つけるには、何を手がかりに見つけるか、考えればいいのです。天文学者たちは、こう考えました。「電波なら、よその星のものでも観測できるではないか」と。

 我々がテレビ放送などで使っている電波。これらは地球にとどまることはなく、宇宙にも漏れ出ています。もちろん、電波は太陽のような恒星も自然に発していますが、もし地球以外の星で人為的に放出されたとみられる電波が見つかれば、地球と同じように知的生命がいる可能性があります。兵庫県の西はりま天文台の天文科学専門員としてSETIの研究を行っている理学博士の鳴沢真也さんに、宇宙人についてどのように考えているか、SETIの展望などを聞きました。

問題は「どの程度」「どの星に」存在するか

天文学者・鳴沢真也さん
天文学者・鳴沢真也さん

――宇宙人(地球外知的生命)はいると思いますか。その理由も合わせて教えてください。
鳴沢 ほとんどの天文学者にとって、知的生命は「いる」か「いない」かは問題ではありません。知的生命は、確実に存在しているはずです。

 観測可能な範囲の中でも、星は10の22乗、または23乗個もあります。同数あるいはそれ以上の惑星もあります。この数は、世界中の海岸に存在する砂粒の数より多いです。この数ある中で、知的生命が存在する惑星が地球だけというのは、無謀な考えた方だと思います。中には、地球に似た環境で、実際に生命が誕生した惑星もきっとあるはずです。

 問題になるのはむしろ、「いる」か「いない」かではなく、例えば、

 ◎どの程度(頻度)存在するのか?

 (いくつの惑星中、何個に文明が存在するのか?=文明の数密度)

 ◎どの星に存在しているのか?

 なのだと思います。

――過去には、SETIによって知的生命のシグナルらしきものをとらえたことがありました。この信号は発見者が驚きのあまりデータを印刷した紙の片隅に「Wow!」と記したことから「Wow!シグナル」と呼ばれていますが、現時点では真偽不明で、その後同様のシグナルは観測されていません。現時点で、SETIによって地球外知的生命は発見されているのでしょうか。
鳴沢 発見されていません。

 発見されていれば、とっくにニュースになっているはずです。

 それから、拙著(『天文学者が、宇宙人を本気で探しています! 地球外知的生命探査〈SETI〉の最前線』洋泉社)でも述べましたが、文明の数密度はかなり小さいと思っています(生命の誕生から知的なものまでへの進化はほぼ奇跡的なので)。

 したがって、文明までの距離は相当に開いているはずで、現在の技術をもってしても発見はないと個人的には考えています。数十年のオーダーではないでしょうし。100年、200年でもないかもしれません。

――挙げていただいたご著書では、ある恒星(「タビーの星」)の明るさを観測した際、不規則に暗くなる現象について「人工的な構造物ではないか」と推論した論文が紹介されていました。ある恒星が地球から見て周期的に暗くなる場合には(変光星を除き)、恒星の周りを回っている惑星が横切ることが原因だと考え、系外惑星の発見につながることが多いが、それが周期的でない場合、高度な文明が作った巨大な構造物が恒星の周囲を回っていると考えられる、というお話でした。なかなか衝撃的な論文だと思いますが、この研究についてはその後どのように考えられているのでしょうか。
鳴沢 拙著で、タビーの星を紹介しましたが、この本が出た(2018年4月)直後に、否定する論文が出ました。それは、突然減光の現象は波長に依存性がある、という観測事実です。もし建造物によって星が隠されるのであれば、どの色の光で観測しても同じように変光するはずです。

 ところが、実際に観測すると、色によって変光の様子に違いがみられました。これは、やはりダスト雲が星を隠していることを示唆しています(ただし、それだけでは説明がつかない観測結果もあるのですが……)。タビーの星は、建造物ではないと思います。

「宇宙人がいる」とわかったら、公表しなければいけない理由

――ちょっと残念ですが、そうした観測と推論を積み重ねていくしかないのでしょうね。ところで、ご著書には宇宙人が存在する兆候(信号)を発見した時、関係者がとるべきマニュアルについても触れていらっしゃいます。こうしたマニュアルが国連で採択されていること自体、なかなか知られておらず、私としては驚きました。このマニュアルでは、宇宙人と確定するまでは秘匿し、確定後は公表が義務づけられています。公表が必要なのはどのような考えからか教えていただけますでしょうか。
鳴沢 よその星にも知的生命が存在するか否かは、記録上、少なくとも古代ギリシャ時代からあったテーマです。すなわちそれは、知的好奇心を持つ、考える(あし)である人類が当然にして持つテーマです。永遠の課題です。それに答えが確実に得られたのであれば、人類共有の知的財産です。その情報は共有すべきで、一個人、一研究グループ、一国家が独占してはいけません。

 したがって、SETI研究者は、発見によって個人、グループとして得られるメリットを求めて行うのではなく、全地球人を代表して行う、という自覚を持つべきだと思います。

【「宇宙人はいるの?」 ほかの人の回答は・・・】

 ◇「地球型」とは違う生物がいてもおかしくない…小林憲正・横浜国大教授

 ◇我が家においでいただき、スキンシップを…詩人・谷川俊太郎さん

 ◇宇宙人の見た目は、人間とあまり変わらないかも…山岸明彦・東京薬科大名誉教授

 ◇縣秀彦さん(天文学者)の回答

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780155 0 お知らせ 2019/09/05 11:07:00 2019/09/10 11:07:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190904-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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