【俺はググらない】「逆の立場なら自分もそうしてしまったかもしれない」と気づいたとき優しくなれる…宮西達也さん
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「おまえうまそうだな」「おとうさんはウルトラマン」……。絵本作家の宮西達也さんは、「優しさのあるもの、思いやりのあるものを」と考えてこれまで絵本をつくってきました。
あかいみを食べるティラノサウルス、ざんぎょうをしないウルトラマン。絵本の中には小さなものを守り優しくありたいと願う「保護者」が出てきます。そんな物語を紡ぎ出す宮西さんに、「意地悪」と「優しさ」についてお話を聞きました。
宮西さんの回答は…

意地悪をされた相手に優しくするのはなかなかできないですよね。僕もできない。もちろん、優しくできたらそれに超したことはないのだけれど。
でもだからといって、仕返しをしたりするのは良くない。優しくはできなくても、仕返しはしない。やられたらやり返す、といったことを続けていると、それがだんだん大きくなっていき、やがては戦争にまでなってしまいます。どこかで誰かが止めなければいけません。
もっと言えば、意地悪をした相手から逃げても隠れてもいいと思います。大人は意地悪をしてくる相手のことを心の中では「イヤだな、できれば関わりたくないな」と思っていてもうわべだけなら優しくすることはできます。あるいは、なるべく関わらず、そこから先は進まないという手もありますね。
でも、時間がたったときに「自分にも悪いところがあったな、良くないところがあったな」と考えることができたら、そのとき優しくなれるのではないでしょうか。それは、「逆の立場なら自分もそうしてしまったかもしれない」と気づいたときです。
僕は小学1年生のとき引っ越しをして転校しました。転校した先で、ある女の子にいじわるをしているグループがいました。僕は正義感を発揮して「やめろよ」と言ったのです。しかし後からいろいろ聞いてみると、実は女の子が最初にひどいことを彼らに言い、それにたまりかねて……というのが、実際のところなのでした。彼らの中の一人の男の子とだんだんあいさつなんかするようになって、気がついていったのです。
自分が正しいと思っていることが、実は全然違うこともあるんですね。そのときの男の子とは、今でも親友です。
宮西さんの公式サイトはこちら。