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【俺はググらない】名曲TOMORROWの制作秘話…岡本真夜さん

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 J-POPの歌詞で、「涙」や「泣く」という言葉はもはや最重要の頻出ワードと言ってもいいかもしれません。その中でも記者の心の中に残っているのは、この歌です。

 涙の数だけ強くなれるよ♪

 泣くことを否定的にとらえるのではなく、さりとて泣いているときの後ろ向きな気持ちのままでいることを良しとするわけでもなく、泣くことによって「明日」を見る力をたくわえようという岡本真夜さんの「TOMORROW」です。

 実は2番の歌詞はちょっとだけ文言が違っています。「涙の数だけ強くなろうよ」。泣けば自動的に強くなれるわけではない、泣いたならその分強くなるように気持ちを持って行く「意志」が必要なんだ……そんな思いが伝わってきて、個人的には2番の歌詞の方が好きです。

 この歌詞はどうやって制作したのでしょうか。その舞台裏や岡本さん自身の「涙」観をうかがいたく連絡を取ると、今年がちょうど TOMORROW でデビューしてから25周年。ベストアルバム「岡本真夜25th Anniversary BEST ALBUM ~Thanks a million~」を出したばかりのグッドタイミングでした。

 岡本さん、涙は枯れるのでしょうか?

励ましの歌

 高校を卒業し、高知から歌手を目指して上京しました。その頃同時に作っていた3曲のうちのひとつが TOMORROW です。悩んでいた友だちを音楽で励ますことができないかと思い、書いた曲でした。

 その友だちというのは、高知でバイトしていた頃のバイト仲間で、向こうの方が2、3歳年上のお姉さん。仕事、彼氏、家族のこと……いろいろ悩みがあって、上京した後も手紙でのやりとりをしていました。本当は直接会って励ます気持ちを伝えたかったけれど、デビュー前で準備も忙しく、高知に帰ることができなかったので、音楽で伝えられないかなと考えたのです。

祖父からの手紙

 歌詞の中でも、「涙の数だけ強くなれるよ」がもちろん励ましている部分なのですが、こういう歌詞を書いた背景には、祖父からもらった手紙に書かれていた言葉があります。私は高知から上京してくるとき、両親代わりに育ててくれた祖父母の反対を押し切って出てきました。祖母は見守るような感じでしたが、祖父は特に強く反対していて、最後は「勝手にしろ」という感じになっていました。気持ち良く上京したわけではなかったのです。

 それから半年ほどたった後、祖父から手紙が届きました。「やるからにはがんばりなさい」と、反対を押し切って上京した私の背中を押してくれ、手紙の末尾には「涙が多いのが人生だよ」と、私のこれからを案じてくれる文言が書かれていたのです。その言葉が私の心に響きました。私はこうと決めたらすぐ突進していくタイプなので、上京してすぐではなく半年たってクールダウンしたところにこの手紙が届いたところも、心に響いた要因の一つかもしれませんね。

 祖父は事業で失敗したり人にだまされたりと、苦労の多い人生を送ってきた人でした。その中から出てきたのが「涙が多いのが人生だよ」という言葉だったのかなと思います。

 その言葉を自分なりにアレンジしてお姉さんへの励ましの言葉として載せたのが「TOMORROW」でした。いろいろ経験するとそのときはつらいけど、強くなれる。社会に出れば人間関係で予期せぬ事態に陥ることもあるけれど、立ち止まっていても変わらないから、前を向かないといけない。そんな気持ちを込めています。もともとはミディアムバラードの曲調で作った歌でした。ドラマで使われることが決まり、アップテンポな歌に変わったのです。発売前にお姉さんにはミディアムバラードのバージョンのものを録ったデモテープを送りました。すごく喜んでくれて、今でも応援してくれています。

 祖父は10年ほど前に他界しました。亡くなるまで手紙のことは直接話はしませんでしたね。恥ずかしいという思いもありましたから。

涙の数だけ強くなってきたかも

 私自身は人前で涙を見せることはありませんが、悔しいときや感動したとき、悲しいときには涙が出ます。年とともに涙もろくなるのを感じますね。最近だと災害や事件で悲しいニュースも多く、人の心の痛みを思うと胸が苦しくなります。新型コロナウイルスも亡くなる方が多いので、つらいです。

 若い時は恋愛関係でたくさん泣いて、「もうこれ以上涙が出ない!」というくらい「ワー」と泣くこともありました。あれは涙が枯れていたのですかね。そういうときは泣いたあとも気持ちが落ち込んでしまっていましたね。でも年を重ねてくると、涙を流したあとも気持ちを強く持ち、前を向くすべを身につけたと思います。まさしく、「TOMORROW」の歌詞の通り、涙の数だけ強くなっているのかもしれません。

アップテンポもバラードも

 5月にリリースしたベストアルバムは、リリースした順番に曲を収録しているので、「なつかしい」という声もいただいています。曲を作るときには聴いた人が前向きで優しい気落ちになれるということを心がけて作っています。

 ちびまる子ちゃんのエンディングで流れていた「アララの呪文」も入っています。作詞はさくらももこ先生。曲のプレゼンがあって、そこから私の作った曲を選んでもらいました。それにさくら先生が詞をつけたんです。「アララ カタブラツルリンコ♪」なんて呪文の言葉が出て来るんですから、さすが先生です。最初に聞いたときはびっくりしました。

 「Mother~あなたに花束を~」という曲も入っていますが、実は母親ではなくて母親代わりに私の面倒を見てくれた祖母のことを歌った曲。様々な曲調の歌が入っていますので、アップテンポの曲は元気になりたいときに、バラードの曲は切なさにひたりたいとき、といろいろな場面で聴いてもらえればいいな、と思います。

 「涙は本当に枯れるの?」ほかの回答はこちらから

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1407692 0 お知らせ 2020/08/13 17:11:00 2020/10/01 11:25:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/08/20200807-OYT8I50039-T.jpg?type=thumbnail

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