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【俺はググらない】お金持ちになるにはどうすればいいの 鈴木烈さん「思い込みが起業のチャンスに」

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 葛飾区議を務めた後、区長選に落選して無職、台湾で飲食店チェーンを経営、帰国して投資家…。47歳で波瀾万丈な経歴を持つ鈴木烈さん。お金がないとき、あるときを経験してきた鈴木さんが語る、「起業のチャンスの見分け方」とは…。

 現在、私は投資家として活動しています。台湾で飲食店を経営していた時のお金を運用することでサラリーマンの年収分くらいはお金を稼ぐことができています。残りのお金で不動産投資や事業への投資を行っています。お金に振り回されることは今のところはありません。

 私がお金というものの大切さに気づいたのは、32歳で選挙に落ちた時でした。葛飾区で区議をしていて、区長選に出馬したのですが落選。それまで私は、「議員としてみんなのために働く役職にある以上、自分のためにお金を貯めるのはちょっと違うのでは」と、若者らしい思いを持っていました。しかし実際にいざ落選するとたくわえもなく、30過ぎて会社に入ることも難しく、「どうしよう」と途方に暮れてしまったのです。妻に派遣社員として働きに出てもらって生活する日々。就職しようと思ったら、「もう政治活動はしないのなら」と条件を出されたこともありました。にっちもさっちもいかなくなったところで、台湾にいた友人が事業に誘ってくれて、台湾に渡ったのです。

 お金持ちになるにはどうするか?という問いに答えることはとても難しいですが、もし私が小学生の娘からそう聞かれたら、「友達を大切にすること」と答えると思います。台湾での事業に誘ってくれたのも小中学校のときの同級生ですし、選挙の時にも学生時代の友達にだいぶ助けられました。勉強していい大学に入って出世争いに勝ち残るのもひとつの道でしょうが、そうしたことを極めようと思わないのであれば、むしろ仲間とともにチャンスを見つけて起業した方が、お金を稼ぐことができるのではないかと思います。特に学生時代の友達は、利益がからまないで友達関係を築くことができた貴重な存在です。単なる知り合いとリスクを負って「起業しよう」とはなかなかなりませんが、気心が知れていて、尊敬すべきところのある友達がいれば、チャレンジすることができますよね。

 もうひとつ大事なのは、資本主義社会では「労働はお金を稼ぐための必須の条件ではない」ということに早く気づくことです。私が中学生のころはバブル景気で、郵便貯金に預ければ10%の利率でお金が増えていました。父親が「1億円預けていれば遊んで暮らせるってことか」とぼやいていたのを見て、「働かなくても暮らせるんだ」と気づいたのは、自分にとっては大きな衝撃でした。

 不労所得というと、日本では何かあまり良くないことのように考える人も多いですよね。「働かざる者食うべからず」という言葉もあるくらいですから。しかし投資する人がいるからこそ、資本主義社会は回っています。事業を始めるにはお金が必要ですよね。そのお金を投資家が出すわけです。みんなを代表してリスクを取っているからこそ、投資家はリターンももらえるのです。

 私は、20代、30代の人は車を買うべきではないと思います。そのお金で投資信託を買って30年置いておけば、2000万円近くにはふくれあがるわけですから、「老後2000万円問題」は一気にこれで解決です。個別の株式を買うのはギャンブル性が高いので難しいところがありますが、投資信託のように長期で見て伸びるのが確実だと思えるものを買うのは良いのではないかと思います。

 「リスクを取るなら損をすることもあるのではないか…?」と考える人もいるかもしれません。でも、資本主義が続いているということは、「リスクよりリターンが多い」ということです。成長しなくなると、投資しなくなり資本主義が続かなくなります。逆に言うと、拡大し続けることをルールにしているのが、今の社会ということになります。環境問題や格差問題など、資本主義だけでは解決できない負の側面があることは間違いありませんが、封建時代みたいに力でおさえつけるような暗い社会に比べればベターではないかと思います。昔は権力者が決めていたことを、今は民間の資本家が決めているわけです。みんなのリソースをどこにつぎ込むか、という「お金による投票」が絶えず行われていると言っていいでしょう。人間の好奇心旺盛な本性に合っているのではないでしょうか。

 台湾には、投資が大好きという人が多いですよ。私はラジコンが趣味ですが、趣味の集まりに出かけていっても、投資の話ばかり聞こえてきます。会社で一生働いて過ごすのが普通とされている日本と違って、台湾では従業員がばんばん辞めていきます。自分で起業することが奨励されているのです。中には、親から「いつまで人の下で働いているんだ」と起業をうながされていた社員もいたくらいです。日本は安定志向が強い上、デフレがあまりに長く続いたので、不動産が値上がりすると信じることができないところがありますよね。インフレも経済成長も期待できないと、自分の収入しかあてにできないので、なかなか一歩踏み出しにくいでしょう。デフレで深刻なのは、みんながそんなふうに後ろ向きになってしまったことではないかと思います。

 そうは言っても、起業で難しいのはそのチャンスを見極めることですよね。私は学生時代の友人と一緒に、台湾で焼き肉のチェーン店を経営していたのですが、中国本土でも事業展開をしようと考えて、従業員を連れて中国に視察に行ったことがありました。そこで行列のできていた地元の焼き肉店に入ったら、高い上においしくない。従業員は「並んでまでこんなものを食べさせられた」と言って怒っていましたが、私はほくほく顔でした。怒っている場合ではないのです。ここに私たちがいい肉を安い値段で提供することができれば、繁盛間違いなしなのは目に見えているのですから。

 でも、反対する人はたくさんいました。当時は中国と日本の関係が危うかったので、「日系のお店ははやらない」とか「高品質と言っても味の違いなんてあまり意識されないのでは」とか言われましたが、実際に出してみたら大繁盛。これと同じことは、台湾の店舗でラーメンを出したときにもありました。台湾で売っているラーメンというのは、麺がぐにゃぐにゃで薄味なんです。「台湾では日本式のラーメンは味が濃くて繁盛しない」と言われましたが、台湾の人は日本に行くと、みんなそれこそ味が濃くて麺が固いとんこつラーメンなんかを食べるわけです。「日本のラーメンは絶対おいしい」という自信があったので、店舗でラーメンを提供するようにしたらやっぱり売り上げは伸びました。「これはみんなに受け入れられるはずだ」と思い込めるものを見つけたら、そこが起業のチャンスにつながります。あとはそういうときに理由をつけて踏み出さない人たちをどう説得するか、というところが大事です。

 今は台湾から引き揚げ、投資家として日本で活動しています。いわゆる「不労所得」で暮らしているわけですが、私はこういう立場になり、お金のためにはたらくのではなく、社会のため、世の中のためにはたらくことができるようになったと感じています。変な仕事をしたり、仕事で体を壊したりしないようにして、人の役に立つことをするには、お金にしばられることなく余裕を持つことが大事です。

 私は職場のイジメなどが大嫌いなのですが、金のためにはたらいていると、その職場を辞めることができないので、みんな黙って見過ごすしかなくなるわけです。悪いものは悪いと言える世の中であった方がいいと考えます。お金があれば、「お金にならなくても世の中の役に立つこと」ができます。

 みんながみんなそんなふうに投資をしてお金を増やすことができるのか、というのは、確かに疑問に思う人もいるかもしれません。しかし資本主義のシステム上は成り立つでしょう。得手不得手がありますから、投資が苦手という人もいるでしょうが、何かあったときに困らないように、勉強しておくに超したことはないと思います。特にこれからは人生100年時代。人生が長くなれば、踏み外すリスクも当然上がります。職を失い、学んできたことが役に立たなくなることもあり得るでしょう。そんな時に不労所得が多少でもあれば助かる局面があるのではないでしょうか。

 他の人の回答は…
 ・井上はじめさん「収入を増やさなくてもお金持ちになれる」
 ・佐藤ねじさん「マネーリテラシーを身につけよう」
 ・森剛志さん「お金のエキサイティングな増やし方とは…」

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1820340 0 お知らせ 2021/02/04 16:01:00 2021/02/16 14:02:15 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210201-OYT8I50068-T.jpg?type=thumbnail

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