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【俺はググらない】初対面の人と話すのが恥ずかしいのはなんで コミュニケーション専門家・藤田尚弓さんの回答「面白い話をしようなんて思わなくていい」

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 現代人の悩みの種と言えば対人関係、すなわちコミュニケーションが大半を占めるでしょう。どうしたら我々は円滑なコミュニケーションを取ることができるのか、「ほんまでっかTV」や「脱力タイムス」など多数のテレビ番組にも出演し、「コミュニケーション専門家」として研修や講演もこなす 藤田尚弓 さんに聞きました。

 どうすれば初対面の人と仲良くなることが出来るのでしょうか。

 緊張してしまうとは思いますが、まずは思い切って話しかけることが大事です。まずは相手と自分との共通点を探ってみてはどうでしょうか。好きな本、住んでいるところ、好きな食べ物、最近旅行した場所などなど、共通点が見つかれば、話が盛り上がるチャンスです。

 仮に共通点が見つからなくても、そうやって相手のことを知ろうと質問をすること自体で、相手に好意を持っていると伝えることができます。質問をするということは、「あなたに興味を持っていますよ」という意思表示になるからです。こちらが好意を持っているということを相手に示すと、相手も自分に好意を抱きやすくなります。これは心理学では「好意の返報性」と呼ばれる現象です。

 と言っても、「このマンガ読んだ?」というYesかNoで答えられるタイプの質問をしたとすると、「読んだことない」という答えが返ってきて、会話がすぐに終わってしまうかもしれませんよね。そこで、「今まで読んだ中で一番面白かったマンガを教えて」などと、YesかNoで答えられない質問を投げかけることで、会話のキャッチボールを続ける糸口ができます。実践してみてください。

 また、「面白い話をしよう」「長く会話を続かせなくちゃ」と思うとプレッシャーに感じてしまうかもしれませんが、そんなことを考える必要はありません。人間が好意を持ちやすいのは、単純接触が多い人だということが分かっています。つまり、好意を抱くかどうかは、コミュニケーションの質(面白かったかどうか)や量(長い時間話したか)ではなく、単純に話をする回数によって決まるのです。

 たとえばあなたが友だちになりたいなと思っている人がいたとします。その人とは毎日、「おはよう」や「こんにちは」というあいさつを必ずして、そこにひとこと「暑いね」とか「給食まだかな」のように言葉を加える、というコミュニケーションを繰り返し繰り返し行うのです。すると、特に面白い会話でなくてもコミュニケーションの回数を増やすことで相手も自分に親しみを持ってもらえるのです。

 また、コミュニケーションというと、どうしても会話の内容に意識が向きがちですが、非言語コミュニケーションも無視することはできません。非言語コミュニケーションとは、言語以外で伝わってくる感情や人柄、意識などを指します。笑顔や怒った顔といった表情が代表的ですが、たとえば我々は「涙ながらに崩れ落ちる」という動作全体から「かわいそう」という印象を持ちますし、不遜な態度を示す人がいれば「悪そうな人だ」と思います。

 実はその人が発している言葉と非言語コミュニケーションの間に乖離がある場合、人は非言語コミュニケーションを信じてしまいがちだと言われています。なので、言葉では「ごめんなさい」と言っていても、にやにやしていたり声の調子がふざけていたりすれば「本心からの謝罪ではない」と判断するわけです。

 そういう意味では、初対面の人に対して笑顔で話しかけるというのはひとつ大事なポイントになってきます。楽しそうに話しかければ、相手も楽しい気持ちになる、というように、感情というのは感染しやすいものです。笑顔のほかにも、

 ・腕を組まない
 ・相手に視線や体の向きを向ける
 ・できれば相手の目を見て話す
 ・適切なタイミングで相づちを打つ

 などの仕草に気をつけるだけで、相手とのコミュニケーションが取りやすくなります。

 腕を組むのは、自分を守る仕草なので、相手にしてみたら良い気持ちがしませんよね。また、お父さんや先生に話しかけているのにパソコンや書類から目を上げずに返事をされると、「本当に聞く気があるのかな」といやな気持ちになると思います。足の向きを相手に向けて目を見ていれば、「あなたの話を聞きたい」という姿勢が伝わるはずです。目を見る、と言っても、恥ずかしければ鼻の頭や眉毛、おでこの辺りを見ていれば、だいたい目の辺りを見ていると相手は考えてくれます。

 コミュニケーションというのはこちらから話しかけるだけではなく、相手の話を聞くことも含まれます。話を聞くときも、適切に相づちを打つことで「私の話を聞いてくれている」という安心感を相手に与えることができるのです。初対面で話をするときに限りませんが、上のようなことに気をつけると、かなりスムーズに相手と話をすることができるのではないでしょうか。

 初対面では緊張したり恥ずかしくなったりしても、2回目、3回目と続いていくとなれてくるものです。これはなぜかというのは、行動経済の観点から説明することができます。同じことに対する感情も、続いていくことで低減していくのです。初めてお小遣いをもらったとき飛び上がらんばかりにうれしかったとしても、それが2回目、3回目と続くと喜びは減っていくのと一緒です。最初は恥ずかしくてもだんだん慣れてくると思うと、勇気も出てくるのではないでしょうか。

 また、初対面で相手が緊張しているとそれが自分にも伝わってきて、こちらも俄然緊張してしまうこともありますよね。共感性羞恥と言って、互いに恥ずかしいという気持ちが増幅してしまうのです。こうした心理的なメカニズムも、初対面の人と話すときに多くの人が恥ずかしい気持ちを感じることの根底に、働いているかもしれませんね。

 「初対面の人と話すのが恥ずかしいのはなんで」他の人の回答は…
 ◇ 精神科医・反田克彦さんの回答
 ◇ 夫婦漫才コンビ・チャイムの回答
 ◇ 発達心理学者・渡辺弥生さんの回答

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2155108 0 お知らせ 2021/06/25 11:08:00 2021/06/25 11:22:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210510-OYT8I50085-T.jpg?type=thumbnail

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