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【俺はググらない】初対面の人と話すのが恥ずかしいのはなんで 夫婦漫才コンビ・チャイムの回答「気取っていないで自分からその場になじんでいこう」

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 ググってはいない。たまたま目についただけだからぎりぎりセーフ、だと思います。

 「おめーら、いつまでもいつまでもばかにしてんじゃねーかんな」で始まる茨城ネタでブレイクしたお笑い芸人赤プルさんのツイッターを見ていたとき、赤プルさんの相方のだんな松丘慎吾さんが、ある本を読んでいるのを知りました。

 「芸歴32年のだんなの部屋を掃除してるときに、この本を見つけたんだ!タイトル見て不覚にも声出して笑ってしまったんだかんな!」というツイートにつけられた画像は、「人前であがらずに話せる方法」という本の表紙。夫婦漫才コンビとして寄席にも出て人前でしゃべっているお笑い芸人の人でも、やっぱり人前ではあがってしまうこともあるのかな、と思うと、がぜん今回のテーマについて話を聞いてみたいと思いました。

 とっても気さくに答えてくれたお二人。はてさて、その回答は…。

―赤プルさんのツイートを見て、取材を決めました。松丘さんは人見知りなんですか。

松丘  もともと、人見知りはなかったんです。小さな頃とかは気さくで、親戚のおじさんとかにすごい人気だった。お笑いを始めてから、人見知りになりましたね。人からよく見られようとか、うけを狙おうとすると、緊張しちゃうから。どうでもいい相手なら全然緊張しないですよ。ちなみに今日の取材はゲロ吐くほど緊張してます。

赤プル  大舞台とか、尊敬してる人の前だとなんにもしゃべれなくなっちゃいますよね。

松丘  先輩と組んだコンビ鼻エンジンで、初めてM-1の準決勝に進んだとき、相方は「夢の舞台だ」って緊張して、セリフをかんでいた。

赤プル  ここで失敗したら後がないと思ってしまうとがちがちになってしまう。結果を出したい、いいように見られたいとか。

―松丘さんが舞い上がってしまったのは。初めての舞台か何かですか。

松丘  いや、初めてじゃないんですけど、一回、そんなに練習しないで舞台にあがったときにすごく緊張してしまって。これはちゃんと練習しなきゃダメだと思い知らされた。それを経験しちゃうと、他の時でも、「あれ?練習してきたはずなのに」ってマイナス思考になって緊張することが一時期、ありました。そのときはお客さんにも「緊張してるの?この人」っていうのが伝わってしまって……地獄でしたね。人前に立つのが怖くなっちゃうけど、きちんと練習して不安要素をつぶすようにしたら、大丈夫になりました。

 ネタが完璧に入っていたら緊張しないけど、少しでも不安要素があると、緊張しちゃうものなんですよ。そういう意味では、初めて会う人だと、何を聞かれるか分からないから緊張するのは当たり前だと思うんです。しゃべることが決まっているなら、練習さえやっておけば緊張しないというのは、32年間芸人をやっていて、身に染みて分かりました。

 でもね、基本的によく緊張するのは赤プルですよ。あのツイート見たら、僕の方が緊張するみたいに見えるけど。

赤プル  そうですね。私は急に舞い上がっちゃったりすることがあって。

松丘  何言ってるか分からないときあるよね。

赤プル  こういう仕事をしてるから、結構人前ではしゃべれるという自負はあるんですけど、ちょっとかしこまった場や、急に話をふられたときに「何でしたっけ」ってしどろもどろになってしまうことがあります。「あのときなんでしゃべれなかったんだろう」「どうしてこんなこと言ったんだろう」と、ずっと引きずるタイプです。

松丘  ふしぎなもので、相方が緊張しているとうつっちゃうんですよね。俺も緊張しちゃう。でも赤プルは肝が据わってる。ネタがうろ覚えでもちゃんとやってしまうからなあ。

赤プル  私の場合は、ネタというよりも、急に話を振られたときなどに、おどおどしてしまう。予想していなかったことを投げられるとびっくりするんでしょうね。準備していなかったことに弱いんだな、と自分でも気がつきました。

松丘  それも、自分をよく見せたいってことですよね。僕も、ここで笑いをとりたい、というところで笑いがとれなかったらすごく緊張しますよ。昔、爆笑オンエアバトルというNHKのネタ番組に当時のコンビで出たときに、「これは絶対うけるだろう」っていうすごい自信がある一言があったんですよ。それを言ったときに、会場が爆笑どころか「しーん」ってなってしまって。ネタ中なのに思わず「あれ?」って声が出ちゃいました。「あれ?じゃないねん」って相方がつっこんでくれて、そこまで含めてお笑いのネタだった、みたいになったけど、本当はネタじゃなかったですから。なんでうけなかったのかな…。自信がありすぎて声がでかくなったのかもしれないけど、いまだに理由は分からない。その後は緊張しちゃってダメでしたね。そのネタはオンエアされませんでした。

―プロでもそういうことがあるんですね。

赤プル  小学生とかだと、お笑い芸人さんってみんな緊張しないって思われてるんですかね。私は、そういう緊張してしまうようなときは、「ちゃんとやらなくちゃいけない」という気持ちを取っ払って、ハプニングを楽しむのもいいのではないかな、と思っています。あえて「今日は緊張してます」って言っちゃったりとか。実は防災士の資格を持っていて、防災の講演を行うこともあるんですが、そういう場で緊張したときは、「緊張してます」って口に出すことで場を和やかにするというやり方を、最近手に入れました。そういうふうに言うと、「私も」「私も」ってなって、みんな緊張していたということが分かったこともあったので。緊張してる空気を崩せるかな、という、奥の手です。

松丘  緊張を楽しめるようになったら究極ですよ。

赤プル  まあ、でも、大して緊張しないのにそう言ったら、逆に「あ、自分緊張してるんだ」って暗示がかかって本当に緊張しちゃったときもありましたけど。緊張をほぐすために「あえて」やっていることは他にもあって、会話の中であえて一呼吸置く、ということもします。人から何か聞かれたときに即答しようとすると、すぐにうまい答えが出てこなくてあがってしまうけれど、「そうですねえ…」と一拍おいて、ゆっくりあわてずしゃべれば、うまくいくことも多いです。

松丘  小学生は、緊張するときは緊張してもいいと思うんですよ。何事も経験ですし。クラスで中心にいる人気者よりも、すごく緊張するというタイプの子がお笑いにいったりするもんですよ、意外と。

赤プル  そうですね。でも人見知りだったりよく緊張してしまったりで、人と向き合うことから逃げていると、うまくしゃべれないまま大人になって、出会いや成長のチャンスを逃してしまうということもあります。そうならないためには、松丘さんも言っていたけれど、やっぱりちゃんと「練習」することが大事だと私も思います。防災の講演をするときは、最新の資料を読むなどして、めっちゃ準備します。自信がないことは自信が持てるまで練習をする。緊張するとかんじゃったりとか言葉が出てこなくなったりするので、早口言葉とかを繰り返し練習してから舞台に出るんですよ。小学生のみなさんも、人前に出る前に「炙りカルビ」って4回くらい言うだけでも、舌が回るようになるので、オススメです。

―普段の会話についてはどんな練習ができるものでしょうか。

赤プル  たとえば、単純に「声を出す」ということも、練習するのとしないのでは違います。私も、お笑い芸人になったあとでボイストレーニングを始めまして。ちゃんとトレーニングをしたら、自分の声のトーンで緊張しているかしていないかを自覚できるようになったんですよ。「あれ、今日は声がうわずっているな」とか。声の出し方って重要なんだ、って感動したことがありました。

松丘  お笑いで緊張することは今はもうほとんどないですけど、赤プルの講演に一緒に登壇する時は、緊張しますね。全然知らない分野のことって、やっぱり緊張します。初対面で話すのも同じようなところがあるかもしれない。

赤プル  でも松丘さんはあがってるところを見せない。私があのツイートをしたのも、ふだん緊張している風を見せない松丘さんがこういう本を読んでいるということが面白かったからです。「緊張してる?」と聞くと「緊張なんてするかいな!」って言うんですよ。あ、実は言い聞かせてるのかな?自分に。

松丘  基本は「緊張しない、緊張しない」って自分に言い聞かせてマインドコントロールしている。でもやっぱり初めてのことは緊張するものですよね。初対面の人に自分から話しかけるのも勇気がいるけれど、できれば積極的にしゃべっちゃうのが結局はラクなんです。舞台も出るまでは緊張するけど、出てしまえば開き直れるから。

―どうしたらその勇気を出せるのかが知りたいところですね。

赤プル  「相手も話しかけられたらうれしい、話しかけられていやなやつはいない」っていうのは、忘れがちだけど本当だと思います。だから、自分がどう思われるかを考えるのはやめて、相手も話しかけられてうれしいんだと思うようにしています。「自分がどう思われるかなんて、そんなことどうでもいいから行ったれ!」という勢いでいくと話しかけられるのではないかな。

 うちのめいっこが、高校時代はなかなか人に話しかけられなくて友だちができなかったけど、大学で人に話しかけるようにしたらすごく気の合う友だちができたって話していて。気取ってないで自分からその場になじんでいく、自分が自分をつまらなくさせてしまうことはしない、あるいは、自分からどうしても話しかけられなくても、笑顔でいることは大事だと思います。

松丘  暗い顔をしているよりは笑顔がいいよね。小学生の頃ってどうやって友だちと仲良くなっていたか、今となってはほとんど思い出せないけれど、ゲームとかプラモデルとか好きなものの話をすると、仲間ができるのではないかな。僕はいろんな芸人と仲良くなったきっかけは麻雀です。麻雀好きっていうだけで、人数が足りないときに「松丘呼ぼう」ってなって、その場に行けば知らなかった人ともしゃべって仲良くなる。9割は麻雀で仲良くなった。今は新型コロナでできないけど、毎年年末にみんなで集まって「良いお年を」と言っていたんですよ。好きなことでつながると友だちも長い。まず好きなものを見つけるのがいいのではないかな。

 それと、僕が大事だと思うのは、明るいあいさつ。お笑いでも最初にいわれる。僕、小学校のころから野球をやっていたのもあって、「あの子は明るくあいさつするな」と近所でよく言われていました。あいさつが元気にできればオールオッケーですよ。まず「こんにちは」から広がると思う。そのあとの会話は、好きなこととか昨日見たテレビとか、そういう引き出しをいっぱい持っておけばいい。

赤プル  会話の引き出しって、茨城的に言うと、「どこ中(出身なの)?」ですね。身近な話でいいと思う。

松丘  急に「アメリカの大統領変わったね」と話をされても困るからね。

 「初対面の人と話すのが恥ずかしいのはなんで」他の人の回答は…
 ◇ 精神科医・反田克彦さんの回答
 ◇ コミュニケーション専門家・藤田尚弓さんの回答
 ◇ 発達心理学者・渡辺弥生さんの回答

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2155104 0 お知らせ 2021/06/25 11:07:00 2021/06/25 11:18:31 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210625-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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