【俺はググらない】子どもと大人の境目はどこにあるの さだまさしさんの回答「悪魔と契約したような緊張感」

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 読売KODOMO新聞の今年度の特別企画「作曲宣言」では、シンガーソングライターで小説家のさだまさしさんと読者の小学生10人が歌づくりをする様子を追っています。昨年5月から始めて、月1回オンラインでの集まりを続けています。12月までのおよそ半年間で10人の参加者はほぼ歌づくりを終え、いよいよ編曲やレコーディングを残すのみとなっています。

【俺はググらない】子どもと大人の境目はどこにあるの

 紅白歌合戦に出場したり、ニューアルバムを出したりと精力的に活動を続けるさだまさしさん。そんなさださんがいったいどういうタイミングで大人になったと感じたのか。作曲宣言の合間に時間をとってもらい、お話を聞いてみると……

さだまさしさん
さだまさしさん

 大人になったっていうのはやっぱり、21歳の秋、デビューして最初の給料の振り込みがあった、そのときでしょうか。初めて大人として生きていくと覚悟をしました。変な言い方ですが、「これで悪魔と契約を交わすのだ」という緊張感がありました。

 アマチュアのときは僕が好きで歌っていたわけです。好きで歌っているんだからうまくいこうがいくまいが考えずに、自分が楽しいってことだけをやっていました。でもプロになるんだから自分が楽しいだけではだめ。「これからはお金を貰う責任が生まれる」っていう恐怖がものすごくありましたね。「もうこれで社会人なんだ」って。銀行口座を開いた、そこに給料が振り込まれた。こんなに衝撃的な大人としての自覚って、ほかにないですね。

 「悪魔と契約を交わしたような緊張感」、実はこれ、ずっと今まで維持しています。だからこんなにコンサートをやってきた。お客様がいてくださる限りはステージに上がらなくちゃいけない、ステージに上がる以上は今日が最後かもわからない、というプロとしての覚悟は、おそらくそのときからじわじわと積み上げていった気がしますね。

 そういう緊張感があったからこそ、自分の作る音楽はクオリティーを下げてはいけないという一点を気にし続けてきた。「本当にこの質でいいのか」常に自分に問いかけてきた。実際「もっと上がある」と思って、ここまでやってきた。今でももっと上があるのはわかっている。その姿勢は変わらない。そういうふうに背筋をしゃんと伸ばすというのが、大人になったっていう意味なんでしょうね。

 子どもっていうのはもっと自由。歌の表現にしてもなんにしても、自分本位で。ただ僕はクラシック育ちなんで自由奔放に音楽をやってきたわけではなくて、ある種の枠の中で自分を高めるという勉強をやってきたので。……それだけが正しい方法とは思わないんですけど、でも緊張感を持ち続けられるのはその影響が強いのかな。

 ただし若い頃と違うことも多くなりました。

 僕はもう、心の老後に入ってますから。面白そうだなと思ったらどんどんやっちゃえばいいし、音楽も、「さだまさしの歌うもの」にこれまではこだわって作ってきましたけど、別に「さだまさし」なんてどうでもいいやって今、思ってますから。これからまた僕の歌が変わる可能性はありますね。

 そして最後に僕は「悪魔と契約を交わした」のではなく、「契約を交わした相手は本当は天使だった」と思う事が出来たらどれ程幸せでしょう。

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2702540 0 お知らせ 2022/01/25 14:12:00 2022/01/25 14:12:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220124-OYT8I50059-T.jpg?type=thumbnail

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