【俺はググらない】子どもと大人の境目はどこにあるの Adoさんの回答「『うっせぇわ』の頃よりも」

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 「うっせぇ うっせぇ うっせぇわ」

【俺はググらない】子どもと大人の境目はどこにあるの

 直接的で耳に残るリズムと言葉。大人の社会を動かす「気を使え」「うまくやれ」という無言の圧力に対するいらだちを気持ち良いほどぶっとばしていく「うっせぇわ」を歌い大ヒットさせた歌い手・Adoは現在19歳。ちょうど大人にさしかかる年齢です。「私が俗に言う天才です」と歌い上げるその姿は、社会に萎縮させられた個人が高らかに宣言する逆襲か、それともぎりぎりの精神から放たれる精一杯の虚勢なのか……そんなことをつらつら考えていると、彼女が歌を通して反抗している「大人」の姿とはいったいなんだろう、と興味が湧きました。

 歌をつくったのは彼女ではありません。しかしその歌声には、彼女自身のいらだちが混じっていないとは思えません。大人の入り口に立つ彼女は、いったい今何を思うのでしょうか。オンラインで取材に応じてくれた彼女は、パソコン画面に映し出されたキャラクターの向こうから、ざっくばらんに、しかしあどけなさの残る声で真剣に語ってくれました。

 そんなAdoさんの回答は…

Adoさん
Adoさん

 いま19歳ですが、自分のことはまだ子どもだと思っています。思考や言動が幼稚だなと思うことが多くあるのです。たとえばやらなくてはいけない物事を後回しにしてしまうし。親の力を借りないと部屋が汚いままなのも恥ずかしくて。箸の持ち方のようなマナーも含めて、大人としての振るまいができていないことに不安を覚えています。

 「うっせぇわ」は尊敬するsyudouさんに書き下ろしていただいた歌で、すごくうれしかった。この歌の主人公は私ではありません。私は録音当時高校3年生でしたが、主人公は社会人。まだ社会のことはよく分かりませんでしたが、大人への怒りについては、私にも思うところがありました。私なりに感じていた大人に対する反発、怒りを通して、この歌のことを理解し、歌わせていただきました。

 歌い手として活動し始めていた高校1年、2年の頃は、今よりも歌い方に癖が強くて、なかなか歌声がコントロールできませんでした。そんなとき、ある大人から「その歌い方ってどうなの?」と言われることがあって。好きなように歌っているだけなのに「あなたは間違っている」と言われた気がしました。そうした大人の物言いに対する反発や怒りは、歌の主人公と共通して持っていたのだと思います。

 当時は個人でがむしゃらに活動していたこともあって、私自身が承認欲求のかたまりみたいなもので。今思えばはちゃめちゃでしたね…。血迷いつつ焦りつつ活動をしていたというか。とがっていた部分もあったと思います。今は、「うっせぇわ」以降、メディアでも取り上げていただく機会も増えて、いろんな人と話をしていくと「なんだ、自分のやってきたことは間違っていなかったんだ」と思えるようになって。自然と反発や怒りは消えていきましたね。

 正直、怒っていても仕方がないし、怒っているくらいなら自分自身が変わる方が大事だと思っています。「うっせぇわ」自体は、大人に反発し反骨精神を持つ全ての人を支えていきたいという思いで歌っていますが、自分自身からは、そうですね、あの頃よりも反骨精神はなくなってきたのかもしれません。たとえば仮に1stシングルが別の歌で、何曲かリリースした後、この年齢になって「うっせぇわ」という楽曲を渡されたのだとしたら、ああいう感じで歌っていたかどうか。

 大人と子どもの境目って、いったいどこにあるんでしょうね。

 小学校低学年のときには中学生は大人だなと思っていました。中学生になったら高校3年生から20歳くらいが大人なんだと思っていました。でもいま19歳になって、自分が大人かと言ったらそんなこともない。

 結局、その境目っていうのは、気持ちの問題なのではないかなと思っています。年齢の問題ではなく。周りが見えてくるようになって、「私はイヤだ」「これがしたい」だけでは通らなくなってくる。昔の私は、●●ちゃんのことが苦手だなと思うと、つきあうのを避けてきました。今はどんな人でも話してみないと分からないことがあると思っています。自分中心ではなくなってきたら、大人になってきたなという実感はあります。そうはいっても、相手に合わせすぎるのも良くないとは思うので…難しいですね。

 「イヤだな」と思うことがあっても、「それでもやるしかない」と腹をくくれるようになってきた。周りの友だちが楽しそうに大学に通っているのを見ると、正直「いいなあ」と思うこともありますが、それでもやるしかない。今の自分は、少なくとも「うっせぇわ」を歌っていたときより大人になったのではないでしょうか。

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