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10代初の四冠を達成した将棋棋士の藤井聡太竜王は現在、19歳。いまの法律ではまだ未成年で、今年4月の民法改正と同時に19歳で成人する唯一の年代です。
年齢以外に、藤井さんが大人でない面があるとしたらどこなのでしょう。経済的な自立という意味では言うまでもなく達成されていますし、頭脳の面でも多くの大人を凌駕しています。竜王戦などのタイトル戦では2日間にわたり集中力を切らさないわけですから、体力も精神的なタフさも子どもなわけがありません。記者会見やタイトル戦の前夜祭のあいさつなど、人前に立って話をする物腰もやわらかく、対人的にも成熟を感じます。
しかし本人に直接聞いてみると、こんな回答が返ってきました。

これまで対戦してきた中で大人だなと思うのは、対局において勝ったときも負けたときも変わらずインタビューや感想戦に臨む棋士です。やっぱり自分にはなかなかできないことでもあり、見習いたいと思います。自分はどうしても負けたときはそういう気分にならないことがあります。
小学生だったときは負けると盤面に突っ伏して泣いていたこともありました。本当に、子どもの頃は負けたときの感情は全くコントロールできていませんでしたが、最近は、結果そのものよりも内容を重視するようになってきて、少しずつ、落ち着くようになってきたところはあるかなと思います
もちろん負けたときの悔しいという気持ち自体は必要なものです。しかしインタビューや感想戦は、相手の方がいることです。そういう場においては、悔しいという気持ちは全面に出すのは相手の方にとって良くないことだと思っています。自分のことだけでなく周りの状況を見て判断や行動できる、それが大人だということなのではないかと考えています。
ほかの人の回答は…
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歌い手・Adoさんの回答「『うっせぇわ』の頃よりも」
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実業家・小幡和輝さんの回答「何かを強制されない自由を持つこと」
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シンガーソングライター・さだまさしさんの回答「悪魔と契約したような緊張感」
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俳人・神野紗希さんの回答「荷物を背負ったりおろしたり」
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精神科医・斎藤環さんの回答「世界の中心であると同時に世界の一部に過ぎない自分」
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精神科医・反田克彦さんの回答「スポーツカーをミニバンに乗り換えなくても」
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民俗学者・室井康成さんの回答「一人前というのは属人的なもの」
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動物学者・今泉忠明さんの回答「かわいらしさを失ったとき」
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街角で100人に聞きました「何歳から大人と認められる?」