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    「力と心の調和」を実現する「キャリアプログラム」…聖セシリア

     聖セシリア女子中学校・高等学校(神奈川県大和市)は、中高6年間で約80時間に及ぶ独自の「キャリアプログラム」を実施している。進学対応はもちろんのこと、生徒一人一人が自己を深く知り、将来を描き、自己実現を目指せるよう、細やかな指導を行う。2014年に卒業した4人に、実際の経験を話してもらった。

    「グループエンカウンター」で相手の心を感じ取る

    • 「キャリアプログラム」の話をしてくれた卒業生たち
      「キャリアプログラム」の話をしてくれた卒業生たち

     聖セシリアの進路指導は、教科指導によって伸ばしていく「力」と、日々の生活の中で培われる「心」を一体にし、「力と心の調和」を図っていくことを方針としている。同校には、この方針の下で指導を具体化した「キャリアプログラム」があり、中高の6年間を通し、約80時間をかけて段階的に生徒の自己実現を図っている。

     中学時代は自分の心のあり方について考え、職業を調べ、職業人へのインタビューや企業見学などを通して、働くことの意味を広く考え、自分の生き方を思い描く。高校になると、より実践的になり、大学進学を念頭において文系・理系別の社会人講話や、保護者向けの進路ガイダンス、大学の見学とレポート発表、志望校の決定や進路確認など具体的に細やかな指導が行われる。こうした指導の結果、2014年度卒業生では、現役進学率は約96%(大学86%、短大3%)に達し、大多数の生徒が希望する大学に進学した。この2014年度卒業生から4人に学校時代を振り返ってもらった。

    • 共に過ごした中高生時代の思い出に会話がはずむ
      共に過ごした中高生時代の思い出に会話がはずむ

     金田莉里奈さんは、中高6年間、吹奏楽部に所属し、ホルンに打ち込んだという。ただ、音楽が飛び抜けて得意なわけでもないし、語学に堪能というわけでもなく、自分が将来進むべき道をずっと模索していた。

     「思春期によくある友人とのもめ事や進路に対する悩みも、正直たくさんありましたが、気分が落ち込んでいつもと雰囲気が違うと、すぐに友達が気付いて声をかけてくれました」

    • 「グループエンカウンター」で行われるブラインドウォーク
      「グループエンカウンター」で行われるブラインドウォーク

     金田さんの気分の変化に、友達がすぐに気付いたのには理由がある。同校は「キャリアプログラム」の一環として、「グループエンカウンター」という活動を取り入れている。例えば、言葉を一切使わずにアイコンタクトのみで絵を描くことや、2人1組で1人に目隠しをさせて校舎内を歩く「ブラインドウォーク」などの授業だ。これらは自分の思いを伝える自己表現、相手が何を考えているのかを感じ取る感受性を養うことを狙いとしている。こうしたプログラムを日常の中で実践することで、お互いのささいな変化に気付いたり、個性を尊重して認め合ったりできるようになるのだという。

     彼女は悩みに悩んだ末に早稲田大学教育学部教育学科へ進路を決めた。「自分にはない価値観や、知らないことを学びたいという欲求」が自分の中にあることを見つけ、同学科はさまざまなジャンルの知識が学べる環境と判断したからだ。

     東京証券取引所への就職が決まり、来春から社会人としてスタートを切る。やはりさまざまな業界に触れて、いろんな新しいことを知ることができると考えたからだ、という。「『知りたい自分』」に気付くことができたのは大きな財産です」「いつでも夢を語れるロマンチックな大人になりたい」と瞳を輝かせた。

    芸術系への進学もしっかりサポート

     内田知花さんは小学校の頃から聖セシリアに通っていた。中学ではテニス部に所属していたが、高校に進んでからは幼い頃から続けていた音楽を専門に学ぶことにした。

    • 印象深い「合唱音楽コンクール」
      印象深い「合唱音楽コンクール」

     在学中に最も印象に残っているイベントは合唱音楽コンクールだったという。

     「コンクールの練習期間中は、音楽の授業でも先生は一切、口を出しません。曲選び、練習はすべて生徒主導です。全クラスが本気で優勝を目指すので、一人一人の個性がぶつかり合って、けんかになることもしばしば。でも、コンクールが終わると、泣き出す生徒がいるほどクラスが一つになり、絆が強まります」

     進学先も音楽大学を志望した。入試では筆記試験以外に実技試験も課されるが、聖セシリアはそのサポートも充実していたという。

     「渡された楽譜を見てすぐに歌う新曲視唱と、音を楽譜に書き取る聴音が特に苦手だったのですが、声楽科の先生が週に数回、朝と昼マンツーマンでみっちりと指導してくださり、その結果、新曲視唱はトップクラスの成績で合格を勝ち取ることができました。一般受験だけでなく、私のような芸術系の進学を考えている生徒にも真剣に向き合ってくれたことに本当に感謝しています」

     大学卒業後はスペインへの留学を決めている。

     「スペインの音楽文化や歴史を学び、スペインのクラシック音楽の素晴らしさを、日本に広めるのが私の夢です。ベートーベンやショパンのように、日本人なら誰もが知っている音楽になるような活動がしたいと思っています」

     音大生は就職先に迷い、何となく留学を選択する仲間も周りには少なくないという。「明確な目的を持って留学を決め、大きな夢を手に入れられたのは、聖セシリアの『キャリアプログラム』」のおかげです」と内田さんは話す。将来、街中にスペインのクラシック音楽があふれる日が来るかもしれない。

    人生の壁に当たっても前向きに生きる

     志牟田まりなさんは、上智大学の総合グローバル学部に進んだ。「進路を決めたのは、中学3年生のとき、キャリアプログラムの一環で上智大学のオープンキャンパスへ参加したのがきっかけです。正直、高校生にもならない時期に大学見学は早過ぎるのではと思ったのですが、早い時期に目標が決まったので、高校3年間は大学受験を意識して勉強することができました」

    • 高3の夏に行われる「サマーセミナー」
      高3の夏に行われる「サマーセミナー」

     一番思い出に残っているイベントは、高3の夏に行われる「サマーセミナー」だという。上智大学の名誉教授であるガラルダ神父の講演で、「『健康・家族・心』を裏切って手に入れた『お金と肩書』は汚れている」という話を聞いた。そのメッセージは今も胸に残り、常に心に留めておきたいと、毎年買い替える手帳にまず書き込むのだという。

     2019年から航空会社のキャビンアテンダントとして働くことが決まった。「進路に迷ったり、大きな壁に当たったりすることは人生において必ず訪れるもの。問題は『(つら)い時期とどう向き合うか』なのだということを、『キャリアプログラム』で学びました。大きな問題を抱えている時は、同時に成長できるチャンスでもあることに気付いてからは、人生の壁に当たっても前向きになれるようになりました」

     「一人の人間としてどう生きていくか、どんな生き方を選択すれば、より幸せな人生を送れるかを生徒同士はもちろん、人生の先輩である先生とも意見を交わせたことが、今も私の人生における『道しるべ』になっています」

    母校の先生に恩返しがしたい

     幼稚園から高校まで聖セシリアで学んだ野田優貴子さんは、大学卒業後、教員を目指す。

     学生時代に印象的だったのは、「先生たちの面倒見の良さ」だという。体育の先生になることが夢だった彼女は、体育大学への進学を決めた。その年、体育大学を希望したのは彼女一人だったが、毎週土曜日に体育講座を開講してくれた。一人一人の希望に対して真剣に向き合ってくれた先生に恩返しがしたいという思いもあり、教員を志すようになった。

     教育実習で聖セシリアに戻ってきた野田さんは、先生たちの仕事量の多さに驚いた。

     「聖セシリアでは、休み時間になると、職員室に生徒がたくさん集まります。勉強の質問をする生徒はもちろんですが、ただ先生と話がしたいからという理由で職員室に来る生徒もいます。先生に話しかけやすい雰囲気があって、本当に落ち着く空間なんです。でも、逆の立場になってみて、先生たちはこんなに忙しい中、私たちのたわいもない会話に笑顔で応えてくれていたんだと、改めて感謝の気持ちがこみ上げてきました」

     「人に優しくなれた」「思いやりの気持ちを持てるようになった」など、今回インタビューした卒業生はみな、学校生活を通して精神面で成長できたという実感を口にしていた。同校の進路指導は、進学だけでなく、一人一人に生き方を考えさせている。

     (文・写真:安達悠 一部写真提供:聖セシリア女子中学校・高等学校)

     聖セシリア女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年09月11日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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