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    来年度から共学に、オープンスクールも男女で協力…桐蔭学園

     中高一貫教育の中等教育学校が2019年度入学者から共学になる桐蔭学園(横浜市)は5月12日、オープンスクールを開催した。アクティブラーニング型授業をいち早く取り入れてきた同校の授業を体験しようと、多くの小学生やその保護者らが参加し、現在は男女別学の生徒たちも協力してオープンスクールの運営に当たった。

    延べ1200人の来場予約が集まる期待の高さ

     オープンスクールは、各教科のアクティブラーニング型授業や部活動を体験できるほか、校舎見学ツアーや学校説明会、個別相談、制服試着コーナーなど盛りだくさんで、延べ1200人もの来場予約が集まったという。

     岡田直哉校長は「桐蔭学園が新しいことを始めるということを、たくさんの方が知って下さって、関心と期待の高さを感じています。私学ならではの教育をますます充実させていきたい」と意気込みを語った。

     午前9時30分、シンフォニーホールでオープニングセレモニーが始まり、生徒会長の西山友将君(中等3)と水口杏佳さん(中学3)は、「桐蔭学園のアクティブラーニング型授業は、自分とは違った解答の出し方を発見したり、みんなで協力して答えを導いたりする楽しい授業です。今日はぜひ体験してください」と小学生らにあいさつした。

    スタッフの生徒たちも男女協力して小学生に教える

    • 一番人気の講座「ボトルアクアリウムを作ろう」で完成した小さな水族館
      一番人気の講座「ボトルアクアリウムを作ろう」で完成した小さな水族館

     オープニングセレモニーが終わると、17ある講座体験がそれぞれ2回ずつ用意され、多くの小学生が参加した。

     人気があったのは、「ボトルアクアリウムを作ろう」という理科(生物)の講座だ。ボトルのなかに、オオカナダモなどの水生植物やタイワンシジミなどの淡水貝、ミジンコを入れ、小さな水族館を作るというもの。これらの生物は、生物部の生徒が学校近くの田んぼや小川で採取してきた。スタッフの生徒らは小学生4、5人が座る実験台に1人ずつ付き添い、手助けしながら教えていた。

     体験した子どもたちは「在校生のお兄さん、お姉さんに分かりやすく教えてもらった。持ち帰って大事に育てたい」(小4男子)、「生き物を飼ってみたかったのでうれしい。お兄さん、お姉さんがとてもしっかり教えてくれた。私は共学の学校に進みたいので、いい学校だと思いました」(小5女子)と感想を話していた。

    • 講座体験で男女協力して運営に努めるスタッフの生徒たち
      講座体験で男女協力して運営に努めるスタッフの生徒たち

     他の多くの講座でもスタッフの生徒が男女で協力して、小学生を手助けしたり、教えたりする様子が見られた。

     「人の体に電気を通してLEDを光らせよう!」という理科(物理)の講座では、体の中に流れる微量電流を、トランジスターで増幅し、LEDを光らせようというもの。テーブルごとに参加した小学生とスタッフの生徒の全員が手をつなぐと、LEDが点灯し、子どもたちから歓声が上がった。

     スタッフの生徒は「私たちは男女別学ですが、この日のために男子と協力して作業ができてよかった」(中3女子)、「女子と一緒に手伝いをするのは、少し緊張しました。来年度からは共学になって、部活にも男女が一緒に入ってくるので、いろいろなことが学べると期待しています」(中3男子)と、照れながらも、協力して講座を盛り上げていた。

    部活動の体験も男女合同で小学生に教える

    • 男女が協力して小学生に弦楽器の弾き方を教える
      男女が協力して小学生に弦楽器の弾き方を教える

     部活動の体験でも、スタッフの生徒が男女協力して小学生に優しく教える場面がいくつも見られた。

     男子の室内楽部と女子の弦楽部が合同で行ったのは、「弦楽器を弾いてみよう」という講座だ。

     「現在の中学や高校では男女別々に練習を行っていますが、毎年秋に行われる『桐蔭学園第九の会』などの行事では、これまでも男女一緒に演奏してきました。来年度からの弦楽部は男女ともに入部することができるので、部員がたくさん増えることを、生徒も私も期待しています」(顧問の大山夕教諭)

     書道部の「うちわに字を書いてみよう」という講座でも男女協力して、小学生に優しく教える姿が見られた。

    アクティブラーニングを深めるための共学化

     同校では他校に先駆けて、2015年からアクティブラーニング研究の第一人者である京都大学の溝上慎一教授の監修のもと、能動的に学ぶ力を育む授業を実践してきた。

     岡田校長はアクティブラーニング型授業について、「自分とは違う多様な他者を理解し、協調性を育てていくことが目的です。ですから、共学化はそれを深めるために必要なのです。今日のオープンスクールでも、これまでより女子児童が目立ち、今まで以上に入学を希望されている方が多くおられ、手応えを感じています」と語った。

     保護者らに話を聞くと、「学校説明会でアクティブラーニングについて知り、共学化は子どもにとって良いことだと思いました」(小5女子の保護者)、「初めは男子校を考えていましたが、考えが変わりました。アクティブラーニングにも興味があったので、自主性を伸ばす教育方針に共感しました」(小5男子の保護者)と共学化を歓迎する声が多かった。

     オープンスクールを統括する山本英門教諭は、「来年度から共学になりますが、今日は一足早く、その雰囲気を味わってもらえたのでは。今日の来場が、受験生の桐蔭に対する思い入れを持つきっかけになれば」と語った。

    オープンスクールは生徒のアクティブラーニングの実践の場

     山本教諭は「今日は受験生だけでなく、在校生のアクティブラーニングにもなっています」と胸を張った。

     「このオープンスクールは、大人や小学生など多様な人と接する絶好の機会です。自分の思いをどれだけ伝えられるか。日頃のアクティブラーニング型授業の成果を実践する場にもなっています」

     来場した小学生らに対する優しい態度や、保護者らへの礼儀正しい対応、メディアの質問に対する受け答え、そこにはアクティブラーニングで学んだ成果があった。

     生徒会長の水口さんは、「桐蔭学園は新しいことをたくさん取り入れています。共学になることで運動会や合唱コンクールで発表する内容の幅が広がり、お互いに高め合うことができます。新入生とともに私たち在校生もどんどん進化していきたいです」と語った。

     彼らが社会に出るころには、人工知能(AI)時代が到来しているだろう。単に知的な作業ならAIが人間の肩代わりをする時代に、彼らがアクティブラーニング型授業で身に付けた、積極的に他者と一緒に学んでいく姿勢は、大きな生きる力になるに違いない。

    (文・写真:小山美香)

     桐蔭学園についてさらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年06月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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