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    自然が生きる授業、強豪部活も体験…東海大菅生

    • 「オープンスクール」当日の校舎前
      「オープンスクール」当日の校舎前
    • 開催あいさつに続きプログラムを説明
      開催あいさつに続きプログラムを説明

     東京・西多摩地域の自然豊かな丘陵に学び()を構える東海大学菅生高等学校中等部(東京都あきる野市)。その学習環境や独自の授業を体験できるオープンスクールがこのほど行われた。

    開放的な校舎、明るい校風

     7月20日、午前10時前。オープンスクールに参加する小学5、6年生と保護者が、JR小作駅、秋川駅からの送迎バスや車で次々と到着。受付やエレベーター係、会場案内係を務めるのは同校生徒のボランティアだ。「おはようございます」と率先して声をかけ、先に立って案内する姿が明るい校風を感じさせる。6階建ての校舎は外資系企業のオフィスビルを改築したもので、廊下、教室、窓ともに広々として、開放感がある。

     10時、校長による開催あいさつの後、さっそくプログラムの説明に入った。

    学校の特色をいかした実践的な授業

     最初は授業体験。国語、算数、英会話、社会、書写、美術の中から2科目を選び、30分ずつ受講する。授業は平素行われている、同校の授業方針が反映された内容になっている。

    • 菅生歳時記をテーマにした「国語」授業
      菅生歳時記をテーマにした「国語」授業
    • フレーム型パズルを使った「算数」授業
      フレーム型パズルを使った「算数」授業

     国語では「菅生歳時記」と称し、電子黒板に学校周辺の風景写真などを映しながら「山笑う」などの季語を解説していく。窓には実物の景色が広がっており、思わず目をやる参加者も。「菅生の場合、夏の空は夕焼けがおすすめです」と熱のこもった解説を行う国語科担当の大塚哲也教諭は、俳句のエキスパート。授業にも俳句創作を取り入れ、伊藤園の「お~いお茶 新俳句大賞」をはじめ、全国レベルの俳句大会に入賞者を多数出しているという。

     算数の授業は、プラスチックでつくられた正三角形、正方形、正五角形のフレーム型パズルで正多面体をつくり、特徴を調べるというもの。特に、正三角形のフレームで3種類の正多面体をつくるために、組み立てをどう変えるかという部分で考えさせる。同校は東海大学との提携のもと教育改革・授業改革に取り組み、教員研修も盛んに行っている。その成果をいかした授業だ。担当の天羽恒人教諭は、オリジナルの教具も工夫考案して授業に取り入れるという。

     書写は、日展にも入選しており、NHK大河ドラマの書道指導にも携わる今和希子講師が担当。夏らしい漢字1文字を絵の具で書き、メッセージを添えて暑中見舞いカードをつくる。その他、英会話ではアルファベットのカードを使い、ネイティブ講師が発音する単語の頭文字を当てるゲーム。社会では電子黒板を使った都道府県のシルエットクイズ。そして美術では浮世絵を色鉛筆4色だけで彩色する塗り絵。いずれも目や手を使うゲームを取り入れて思考を促し、印象づけを行う内容が工夫されている。子供たちが没頭する間、担当教諭が保護者の質問を受ける。

     理科の授業がないのは、実験を交えると30分に収めるのが難しいため。そこでオープンスクールとは別日程で、小学4~6年生対象の理科実験教室を年に6回開催している。この日も午後から開催され、続けて参加した受験生も多いようだ。

    充実の部活環境

    • 強豪「サッカー部」体験の様子
      強豪「サッカー部」体験の様子
    • 「エコクラブ」体験では、木の実を使って小動物を製作した
      「エコクラブ」体験では、木の実を使って小動物を製作した

     体験授業の後は、最上階6階のカフェテリアで昼食。「展望ラウンジ」とも呼ばれる通り、周辺の自然や街のパノラマが一望できる。多くの参加者は自然と窓寄りの席に座り、眺めを楽しみながら食事をしていた。

     続いてのクラブ体験では、八つほどのクラブの中から一つを選び、練習に30分程度参加した。運動部は強豪が多く、サッカー部は首都圏私立中学校大会で2連覇を達成している。そうした強さの理由の一つが、施設の充実だろう。ある参加者の母親は「部活ごとに専用の練習場所があるのがいいですね。共用だとどうしても練習時間が短くなりますから」と感想を語った。

     文化部の中で特徴的なのは「エコクラブ」。学校全体の環境学習にも深く関わるクラブだ。同校は1年次に地域の野草観察、2年次に野鳥観察、そして3年次には世界自然遺産の北海道・知床に修学旅行を行うが、それらの発表展示をエコクラブの部室で行う。部室に飾られている動物の模型も、昨年の中3生徒が環境学習で製作したものだ。クラブ体験では、付近の森で拾った木の実で小動物の人形を製作。遊び心も兼ね備えたクラブだ。

    豊かな自然を“教科書”にした教育

     広報担当の井上松雄教諭は、授業の特色をこう語る。

     「ベースとなるのが、豊かな自然を教科書とした環境学習。ここから各教科を横断する複合的学習に発展していきます」

     俳句を通して地域の自然を学ぶ国語の授業もその一つ。また、理科や社会科では校外に出向いて環境観察、郷土学習を行う。そうした調査活動によるデータは、数学の授業で統計処理する。さらに英語の授業では、近隣の横田基地のミドルスクールと相互交流を行っている。また、中2から参加できるオーストラリア語学研修では、シドニーのほかにダーウィンなど自然豊かな地域のカレッジも滞在地に加え、環境学習の意味合いも持たせている。

     教員の熱意も大きな力だ。毎週月曜は部活をすべて休みにして、教員は職員室で生徒の質問に対応。その他の時間でも、できる限り時間をつくって生徒の学習意欲に応えるという。

    「リピーター」の多い学校

     こうした校風や環境に、後々まで愛着を抱く卒業生は多いようだ。「卒業生が自分の子弟を入学させる例が非常に多いのも、本校の特色です。また、お兄ちゃん、お姉ちゃんに続いて下の子も…というケースも多く見られます」と井上教諭。現在勤務している教諭の中にも卒業生が相当数いるという。

     自分の子供も通わせたくなる、巣立ってもいつか戻ってきたくなる。こうした「リピーター」の多さが、学校の環境を雄弁に物語っている。次回のオープンスクールは10月18日の予定だ。

     (文・写真:上田大朗)

     東海大学菅生高等学校中等部のホームページはこちら

    2015年08月31日 05時40分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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