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    可能性の翼を広げるICT教育…日出学園

     「フューチャースクール推進事業」や「学びのイノベーション事業」「ICT(情報通信技術)教育推進事業」など国が進める教育改革の影響を受け、学校の教育現場にさまざまな新しい学びの形が生まれている。日出学園(千葉県市川市)でも、情報のリテラシー(活用能力)を習得するためにユニークな情報教育が展開されている。今回リポートする「統計グラフコンクール」もその一環だ。

    ポスターを手に集まる生徒たち

    • 発表と評価に分かれて行われたプレゼンテーション
      発表と評価に分かれて行われたプレゼンテーション

     7月2日、「社会と情報」の授業。5年2組の生徒が、手作りのポスターを丸めたものを手にしてぞくぞくとメディアルームに集まってきた。

     本校では図書室とコンピュ一タ室を含む建物を「メディアセンター棟」と呼んでいる。21世紀に必要な情報教育に理想的な環境を整備し、生徒の知的好奇心を育むことを目的に建てられた特別な施設だ。建物の中は、小学生用と中高生用のフロアがあり、中高フロアのメディアルームにはパソコンなど最新のICT(情報通信技術)機器などが設置されている。

     そのメディアルームに生徒が移動してくると、持ってきたポスターを部屋の壁やホワイトボードなどにいっせいに貼っていく。今回、紹介する統計グラフコンクールの各グループの作品だ。

     統計グラフコンクールは情報科の授業として行われるもので、グループに分かれ、ひとつのテーマについて統計グラフを活用し、考察した結果をオリジナルのポスターに表現しプレゼンテーションする。その内容やデザイン、説明などの出来を競うのだ。

     担当教員が、最初にコンクールの段取りを説明し、「相手に伝えようという気持ちで大きな声ではっきりと話しましょう。ジェスチャーも大事です。さあ、始めましょう」という合図で、いよいよコンクールが始まった。

    テーマも表現も生徒の自由

    • 原稿を読まず聴衆の興味をひきつけることも重要
      原稿を読まず聴衆の興味をひきつけることも重要

     コンクールのルールはこうだ。まず、クラスの生徒が各1~3人の16チームに分かれる。そして、自分たちが興味のある身近なものをテーマに自由に考える。先生からのお仕着せのテーマではなく、生徒の自由に任されているのが同校のコンクールの特徴だ。

     テーマに関して、インターネットで調べたり実際にクラスメートにアンケートをとったりしてデータを集め、結果は1枚のポスターに、写真やイラストなどを加えてわかりやすく表現する。折れ線グラフや棒グラフ、円グラフや立体グラフなど、違いや傾向などがひと目でわかるようなグラフを選択する。3分間の発表で原稿は読まず、身ぶり手ぶりを交えて説得力にも気を配る。

     授業では、前半は8グループが発表する側になり、残りの8グループが評価する側になる。後半は入れ替わる。生徒は発表と評価のどちらも経験することができるしくみだ。評価は、デザイン、説明、調査、モラル、要件の各項目で1~5点を付ける。評価は成績に影響するので真剣さも求められる。

     全グループの発表が終わると、生徒全員で、「もっともインパクトのある作品」に赤のシール、「もっとも説得力のある作品」には青のシールを貼っていく。一番多くシールを集めた作品が優勝だ。もちろん自分たちの作品に貼ってもいい。

    「肉ボリューム」が優勝

    • 内容、デザイン共に一番評価の高かった作品
      内容、デザイン共に一番評価の高かった作品

     コンクールでは、決められた時間のなかで各グループとも趣向を凝らしたプレゼンテーションを繰り広げた。代表者がひとりで説明するグループもあれば、交代で説明するところもある。また、聴衆に問いかけたり、ポーズを決めてみたり、なかには笑いを取ろうとしたりするグループもあった。

     授業の最後に赤青のシールを集計すると、どちらのシールも、ある1枚の作品に集中した。2人の女子生徒が取り組んだ「ハンバーガーのお肉が一番おおいのは?」という作品だ。

     インパクトのあるタイトルとともに、その内容は、街でよく見かけるハンバーガーチェーン7社の1番人気のハンバーガー1個あたりの肉の割合と、クラスの生徒の行きたい店(男女別)の関係を調べたもの。ハンバーガーの写真を背景にしたカラフルなグラフやイラスト、ブランドを示す画像など、全体的にとてもわかりやすいデザインにまとめられている。なにより実際に店へ足を運び、肉の重さを量ってきたことが高評価の決め手になったようだ。

    2016年08月01日 12時16分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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