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    国際会議を体験する3日間「たまがわ会議」…玉川学園

    • 校舎の外観
      校舎の外観

     玉川学園(東京都町田市)は、国際的な私立学校連盟「ラウンドスクエア」の日本で唯一の加盟校。7月16日から18日の3日間、ラウンドスクエアが年に1度開催する国際会議を玉川学園で体験できる「たまがわ会議」が開催された。そのプログラムの一つ、模擬国連をリポートする。

    日本で唯一のラウンドスクエア加盟校

     いまやグローバル教育の推進は、教育機関の必須条件になっている。ここ玉川学園中学部・高等部でもグローバル教育に力を入れており、文部科学省よりSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)に指定されている。その取り組みを象徴するのがラウンドスクエアへの加盟だ。

     ラウンドスクエアは世界約150校の私立学校が加盟する組織で、IDEALS(Internationalism:国際理解、Democracy:民主主義の精神、Environment:環境問題に対する意識、Adventure:冒険心、Leadership:リーダーシップ、Service:奉仕の精神)を理念に掲げ、年に1度、1週間にもおよぶ国際会議を開催するなど、様々な活動を行っている。

     同校は日本で唯一のラウンドスクエア加盟校だ。中学3年から高校3年の希望者がラウンドスクエア実行委員会に所属し、選ばれた生徒は最大6人が国際会議に出席できる。

    • ラウンドスクエアの展望を語る横山絢美教諭
      ラウンドスクエアの展望を語る横山絢美教諭

     「校内から6人しか参加できない国際会議の雰囲気をより多くの生徒に体験してもらいたいと生徒自身が発案して、立ち上げたのが『たまがわ会議』です。IDEALSの一つひとつのトピックに焦点を当てたプログラムを通して、この理念の理解を深めるとともに、楽しんでもらって、ラウンドスクエアの活動に興味を持つきっかけにしてもらいたいと思います」

     と狙いを話すのはラウンドスクエア実行委員会の顧問を務める横山絢美教諭。「たまがわ会議」は国際会議のミニチュア版というわけだ。初日となる16日は午前にリッカというグループアクティビティー、午後に国際理解・民主主義性がテーマの模擬国連が行われた。

     と狙いを話すのはラウンドスクエア実行委員会の顧問を務める横山絢美教諭。「たまがわ会議」は国際会議のミニチュア版というわけだ。初日となる16日は午前にリッカというグループアクティビティー、午後に国際理解・民主主義性がテーマの模擬国連が行われた。

    複雑なルールに戸惑いながらも積極性を発揮

    • 大使を務める国のプレートを掲げる
      大使を務める国のプレートを掲げる

     今回の模擬国連のテーマは「国連弁当を作ろう」。生徒は2人1組で各国の大使に(ふん)し、自国の特産品や文化、歴史などを他国にアピールしたり、交渉したりしながら時間内にDRという企画書を作成する。英語で行うことが推奨されているが、今回は初心者の体験というコンセプトのため、一部、日本語も可とされた。

     すべての国がDRを完成させられるわけではなく、今回DRを提出できたのは、23か国中2か国。どちらの案が採決されるかは、投票によって決められるため、交渉の時にはDRを完成させるだけでなく賛同者を集めるための根回しも重要になる。

     「厳密で複雑なルールがあるので初めは流れを把握するだけでも精いっぱいの手さぐり状態です。しかし、何回か経験するとパアッと全てのパーツが一本の線につながって、理解できるようになるんです。そうなると途端におもしろくなってきます」

    • 議長がそのつど、流れを説明しながら模擬国連は進む
      議長がそのつど、流れを説明しながら模擬国連は進む

     とは、議長を務めた高校3年の須藤陽向子さん。段取りに慣れるまではあたふたしてしまう場面も多いという。その一例でこんな一幕があった。

     模擬国連は、まずスピーチを希望する国がスピーカーズリストに登録するところから始まる。合間に交渉タイムを挟みながら、順番にスピーチをしていき、スピーカーズリストがなくなったらタイムアップとなる。つまり、スピーカーズリストが多いほど時間が長くなり、少なければ短くなる。極端な話、リストがなければ、即終了だ。

     まだ勝手がわからず自信を持てない参加生徒は、スピーカーズリストへの登録に二の足を踏み、何の議論もないままあわや終了という事態になりかけた。そこで運営側の生徒がこのままでは終わってしまう旨を説明し、スピーカーを募集。終了の危機を免れた。

     その後もルールがわからず戸惑う場面はいくつかあったが、そのつど、立ち止まって説明をすることでルールの理解を促した。監督として運営を取り仕切った高校1年の天野大輔さんにはこんな狙いがあったという。

    • アンモデレートコーカスという交渉タイム
      アンモデレートコーカスという交渉タイム

     「事前にルールや用語の説明はしていましたが、詳しい事は進める中で説明していく方が理解してもらいやすいと思いました。ただ、用語集をつくるなど資料での説明をもう少しした方が進行はスムーズにできたのかもしれません」

     次第に流れが理解できてくると、参加者たちも積極性を発揮。「私の国はこれが欲しいです」とはっきりとした目的を持って交渉に臨む姿勢を見せた。日本であまり知られていないような国でも、歴史や文化をよく調べてあり、質の高いディスカッションが行われていた。

     2日目以降は、ユニクロなどの企業が来校し、講演やワークショップが行われた。

     「現在ラウンドスクエアに参加している生徒の中にも、このたまがわ会議で興味を持ったという生徒がいますので、きっかけを作るという意味では狙い通りの結果が出ていると思います。その生徒たちが上級生になって運営する側に回った時に、もっとおもしろい発想が出てくるのではないかと楽しみにしています」

     横山教諭はたまがわ会議の手ごたえと期待をこう語る。ラウンドスクエアの、玉川学園の生徒にどんな変化が表れるか、今後が楽しみだ。

    (文と写真・深澤恭兵)

     玉川学園中学部のホームページはこちら

    2015年09月16日 05時40分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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