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    高校3コース制導入で生徒の「志」明確に…足立学園

     足立学園中学校・高等学校(東京都足立区)は今年度、都内で初めてとなる「探究コース」など三つのコース制を高校に導入した。今春校長に就任した井上実校長を中心に、「質実剛健 有為敢闘」の建学精神にふさわしい、新時代に向けた積極的な授業改革にチャレンジしている。これからの学校運営に対する意気込みや、教育の特徴、新たな授業改革などについて井上校長に話を聞いた。

    大切なのは「成し遂げたい」という強い思い

    • 新時代に向けた積極的な授業改革にチャレンジする井上校長
      新時代に向けた積極的な授業改革にチャレンジする井上校長

     井上校長は1982年から36年間、数学科の教師として足立学園中学校・高等学校の教壇に立ってきた。その間、野球部の顧問や生徒指導も経験し、今年度から校長に就任した。

     「まだ校長という実感がわかない時もある」というが、その教育ビジョンは明確だ。「校長という存在から各教員へのトップダウンによって動くような学校にはしたくないと思っています。教員と生徒が一丸となり、みんなで足立学園という学校を作っていきたい。その中で大切にしているのが『志』です。生徒には、野球の強豪校とそうでない高校、一体何が違うのかという話をよくします。一番重要なのは目標の明確化です。強豪校は『甲子園に行きたい』と本気で思っています。これが一番の差であり、野球のうまい子が集められているとか、施設・コーチ陣が充実しているということではないのです。『野球を楽しめれば、それでいい』と考えている間は絶対に強豪校には勝てません。足立学園で学ぶ生徒にはまず、明確な目標、志を持ってほしいと思っています。志を立てることができたら、それを磨ききるのが学校です。まずは志を明確にすることが重要であると思います」

     目標を明確にすることによって、勉強は「やらされるもの」から「自らやるもの」へ変化するという。「将来の夢を実現するために大学に行く。大学に行くためには学力を付けなければならない、ということです」。「1時間目は英語だから勉強する、2時間目は数学だから……といった受け身の姿勢では学力は伸びにくい。能動的な姿勢、熱い気持ちを持って勉強に取り組める学校にしたい」と井上校長は話す。

    生徒の個性に合わせた3コース

     生徒たちが明確な「志」を抱き、自己肯定感を得られるように、高校は、これまでの「文理科」「普通科」に区分されていた生徒募集を「普通科」のみとし、その中に新たに「探究コース」「文理コース」「総合コース」の3コースを導入した。

     まず「探究コース」は、自ら学ぶ姿勢、幅広い教養と国際的視野を持ち、世界で活躍できる人材を育成することを目的としている。東京大学をはじめとする難関国立大学、海外の難関大学へ進学する学力を付けることを目指し、自主学習の時間を多くとるような指導を行っている。

    • 「課題研究」授業で、落下させた卵を割らない方法を考える
      「課題研究」授業で、落下させた卵を割らない方法を考える

     このコースで1、2年次に行われる「探究総合」の授業は「課題探究」と「進路探求」の二つを軸としている。中でも「課題探究」はコースの中心となる授業で、生徒は与えられたテーマに対して自らが持つ知識、経験、想像力をフル活用し、解決策を導き出す。A4の紙4枚を使い、校舎の3階から落下させた生卵を割らない方法を考える「エッグドロップ」、新紙幣が作られるとしたら肖像になるのは誰がふさわしいかなど、正解が一つではない、あるいは正解のない課題に対して失敗とチャレンジを繰り返しながら思考力を養う。

     新紙幣の肖像を推定する課題では、既成概念にとらわれた大人には思いつかない、斬新な人物の名が出て驚かされることがあるという。

    • 「新紙幣が作られるとしたら肖像になるのは誰か」の発表
      「新紙幣が作られるとしたら肖像になるのは誰か」の発表

     私立難関大への合格を目指す「文理コース」と、スポーツや芸術などの得意分野も生かし、総合型選抜の入試に対応する「総合コース」では、2年次から文系と理系に分かれ、よりきめ細かく進路に対応していく。

     この2コースの「探究総合」の授業は「進路探究」がメインとなる。職業探究に役立つ「職業レディネステスト」や、生徒が興味・関心を寄せるキーワードをもとに、生徒一人一人に合わせた学問を紹介する「夢ナビプログラム」など、自分の進路と真正面から向き合い、目標を定められるサポートを高校1年から実施している。

    • 進路選択の考え方や勉強法を伝える「OB懇談会」
      進路選択の考え方や勉強法を伝える「OB懇談会」

     社会人や、志望大学に現役合格を勝ち取ったOBを招いて、進路選択の考え方や勉強法を伝える「OB懇談会」は、生徒だけでなく、卒業生にとっても人気のイベントだ。「登壇する卒業生以外にも卒業生が話を聞きに集まります。この他にも、オープンキャンパスを開くと顔を出してくれたり、勉強合宿の時に手伝いに来てくれたりするなど、卒業生が足立学園に戻ってきてくれて元気な姿を見せてくれるのはうれしいですね」

     自主的に卒業生が学園に顔を出すのは、先生を心から信頼し、慕っていることの証しともいえるだろう。

    「この学校でよかった」と思える環境を

     部活動が盛んなことも同校の魅力の一つだ。中学校のアメリカンフットボール部が全国2位の実力を誇るほか、高校でも柔道部、剣道部、卓球部、バスケットボール部、アメリカンフットボール部が関東大会に進出した。運動が得意な生徒を集めたわけではなく、一般の生徒が努力をし、結果を残している点が注目される。これらの活躍は学校全体のモチベーションアップにもつながっているという。

     「ぜひ説明会に参加して、私たちの指導方針に触れてもらえれば幸いです。私立の学校は、えてして大学進学率やハイレベルの授業内容に目が行きがちですが、実際の受験生に質問すると、部活動や学校生活の充実に関心がある生徒が大多数です。足立学園では、学校生活を楽しめる環境づくりに重きを置いています。6年後、卒業式を迎えた時にこの学校に通ってよかった、楽しかったと思える学園にしたいと思っています」

     将来を見据えた「探究総合」や活発な部活動、ICTの活用や留学といった枝葉が、根幹となる「志」に栄養を与え、子どもたちは大きく成長を遂げる。現在進行形で変化を続ける足立学園中学校・高等学校の好スパイラルが、今後もとどまることはないだろう。

    (文・写真:安達悠 一部写真提供:足立学園中学校・高等学校)

     足立学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年10月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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