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    幕張メッセに2800人…マンモス入試ルポ

     毎年、千葉県の中学入試解禁日となる1月20日に第1回入試を行う市川中学校(千葉県市川市)。幕張メッセの展示場ホールを借り切ったマンモス入試の模様をリポートする。

    大勢の「仲間」と会場へ…駅からの案内は万全

    • 塾講師たちが受験生の激励に列をつくる
      塾講師たちが受験生の激励に列をつくる

     朝7時半頃のJR京葉線に、通勤客に交じって何組もの親子連れの姿。彼らは海浜幕張駅(千葉市美浜区)で一斉に下車し、南口へ向かった。学校の腕章をつけた係員が駅出口から順路に立つ。ビルの空中通路や歩道橋を通る、やや複雑な道だが、大勢の受験生親子がいるので迷う心配はない。ほとんど車道を通らないのも安心だ。混み合いながらも整然と進み、徒歩6~7分で試験会場の「国際展示場」に到着した。

     塾講師たちの激励の列を抜け、入り口の階段を上ったところで、受験生は保護者と離れて試験に向かう。午前8時頃にはおおかたの受験生が入場を終えた。8時10分に出席確認などが始まり、35分に試験が始まる。

    先輩中学生90人がボランティア…泊まり込んだ教員も

    • 保護者は控室の観客席でわが子の健闘を祈る
      保護者は控室の観客席でわが子の健闘を祈る

     保護者は受験会場の隣の「イベントホール」に用意された控室へ向かう。イベントホール入り口をくぐると「総合案内」の長机があり、その脇にボランティアの女子生徒が並んで元気に「おはようございます」とあいさつ。その奥の観客席が保護者控室になっている。今回の受験者数2809人に対し、イベントホールは約4000席と余裕がある。

     建物内は暖房が十分利いており、真冬の海風にさらされた体がホッと緩む。席では読書やスマホの操作をする人のほか、パソコンを持ち込んで作業する人、仮眠をとる人もいる。ロビーも日が差し込んで快適だ。椅子はなく、窓下の張り出しに腰かけて過ごす保護者も多い。自販機や売店で軽食、飲み物も調達できる。

     4時間あまりの長丁場。出かける保護者も多いようで、試験の後半に入ると空席が目立ってきた。午前10時には海浜幕張駅すぐ横の三井アウトレットパークなどが開く。会場から10分ほど歩けば巨大なイオンモールもある。

    • 試験がスタート、一斉に問題用紙をめくり書き込んでいく
      試験がスタート、一斉に問題用紙をめくり書き込んでいく

     開始直前の試験会場を視察した。展示場の1・2ホールを占める会場に、2人掛けの長机が整然と並ぶ。前日夕方から搬入を始め、設営作業は深夜まで続いた。一部の教員は、試験問題と一緒に泊まり込んだという。

     席は100人ごとのブロックに分かれ、それぞれ試験監督の教員2~3人と、補助の中学生ボランティア2人がつく。中学生ボランティアは男女計90人。監督補助のほか、総合案内の受付、保護者から託された受験生の忘れ物や伝言などを届けるメッセンジャー係、退出時の誘導など様々な役割をこなす。

    暖房、保健室、休憩時間…集中妨げない細かな配慮

     宮崎章校長と広報部長の高田敏行教諭によると、幕張メッセでの実施は今年で12回目だという。校舎移転により駅から遠くなったので、安全面や利便性などを考えて開始された。

     何より重要なのが、受験生の集中を妨げないための細かい配慮。机はきれいに拭き上げ、脚を調整して揺れやガタつきをなくす。朝4時頃から暖房を入れ、受験会場、控室ともに十分に暖めておく。

     試験中も配慮は続く。トイレの混雑などで着席が遅れた生徒の不利にならないよう、状況によっては開始合図を数秒遅らせる場合も。最初の休憩がその後の休憩より5分長い25分なのは、トイレに行く受験生が特に多いためだ。会場内の温度や湿度もこまめに調整する。

     また、会場の脇に4人の保健養護教員が詰める「保健室」を設置。体調について申し出のあった受験生を診断し、必要に応じて四つ用意した別室で受験させる。この日はインフルエンザの疑いがある5人のほか、骨折や生理痛などの受験生計15人が別室で受験した。受験中に体調が悪化して別室に行くケースもあり、柔軟な対応が必要とされる。

     「事前に学校までご連絡くださればスムーズに対応できます。当日問題が起きた場合は、ご遠慮なく総合案内に申し出てください」と保健養護教員。車椅子使用の受験生についても対応可能という。

     公共交通機関の遅延については、京葉線と総武線の状況を見て開始時間を判断。「遅れそうでも慌てず、願書に記載されている連絡先にご一報ください」と高田教諭。受験生に校外会場ゆえの負担やトラブルがあってはならず、学校側も慎重に慎重を重ねている。

    • 体調によっては保健室で別室受験もできる
      体調によっては保健室で別室受験もできる
    • 体調が悪い場合、保健養護教員が対応にあたる
      体調が悪い場合、保健養護教員が対応にあたる

    親子ら5000人、25分で退出…見事な「連係プレー」

    • 試験を終え、受験番号のグループごとに退場
      試験を終え、受験番号のグループごとに退場

     午後0時40分、全試験が滞りなく終了し、退出誘導に入る。受験生と保護者合わせて5000人を超える人数をスムーズに合流、退出させるのもひと仕事だ。

     受験生はブロックごとに列をつくり、「1~100」など受験番号を示すプラカードを持つ教員に先導されて会場を出る。保護者はアナウンスに従い、300人ずつ観客席を出て建物内で待機。その後、まず建物のすぐ外へ、さらに受験生が出てくる出口の前へと進み合流する。その脇では中学生ボランティアたちがロープを持って通路を明示。12年にわたって培ったノウハウだ。すぐには合流できず教員に申し出た受験生も数人いたようだが、13時の退出開始後、25分ほどで全員の退出が完了した。

     予想もしない出来事も多い大規模入試。「子どもたちの努力を無駄にしないよう、毎回万全の態勢で臨みたい」という宮崎校長の言葉が印象的だった。

     (文と写真・上田大朗)

    市川中学校・高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

    2015年01月26日 08時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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