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    シャトル留学で結ぶ豪州校とのグローバルな絆…日大藤沢

     日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校(神奈川県藤沢市)は、2000年から毎年、夏のオーストラリア語学研修を行い、隔年で現地の姉妹校リバーマウント校から留学生を受け入れて生徒の家庭でホームステイさせる国際交流を行っている。一緒に授業を受け、リバーマウント校の生徒たちと友情を深め合う生徒たちの姿を取材した。

    迫力の 殺陣 ( たて ) に留学生が拍手喝采

    • 演劇部と殺陣のシーンを熱演する留学生たち
      演劇部と殺陣のシーンを熱演する留学生たち

     取材に訪れた9月20日は、姉妹校のリバーマウント校から留学生を迎えて2日目だった。リバーマウント校はオーストラリア東部のブリスベン近郊にあり、小学校から大学までの一貫教育を行っている学校だ。日本語教育に熱心で、小1から中1まで全員が日本語を勉強するといい、中2からの語学選択でも4分の1の生徒が日本語を学んでいるという。

     この日、留学生たちは1時間目の特別授業として演劇の殺陣(たて)を経験した。地区大会に向けて練習している演劇部が新選組の殺陣のシーンを披露し、留学生に演技指導した。

     最初に演劇部の生徒たちが模造刀を手にして迫力いっぱいの切り合いシーンを演じた。留学生たちから歓声と拍手が湧き起こると、顧問の佐藤至亮教諭から「これは150年前に本当にあった事件をモチーフにしています。今日は留学生のみなさんも着物を着て、殺陣をやってみましょう」と声がかかった。

     部員の生徒たちが英語を使って留学生に話しかけ、着物を着せてやり、殺陣のやり方を教える。抜刀、納刀、袈裟(けさ)斬り、胴斬り、血振りなどさまざまな型を教え、斬られたときには斬られた方向へよろめくなどの演技の基本を教える。

     「それではショータイム。みなさん、のみ込みが早いので、組み合わせてやっていきましょう」

     1回リハーサルをした後、まず、さまざまな殺陣の型を組み合わせて留学生たちが演技する。それを受ける形で演劇部の生徒たちが殺陣を披露し、最後は全員で拍手して締めくくった。留学生が「今日の授業はとても楽しかったです。いい経験になりました」と、たどたどしくても一生懸命な日本語で、生徒たちに礼を言った。

     演劇部部長の天野瑞菜さん(高2)は、「私は昨年オーストラリア語学研修に行って、英語でコミュニケーションする楽しさを知りました。今年はオーストラリアの生徒を迎えて、日本の文化を伝えられてうれしいです」と話した。英語でのコミュニケーションにも自信を深めたそうだ。

     2時間目は高1の体育の授業で、ダンス、剣道、柔道のうち一つを選択する。留学生たちは剣道の授業に参加した。

     剣道五段の大田基教諭が竹刀について説明する。「長さは120センチくらいです。昔は実戦的な稽古のために木刀を使っていましたが、明治時代になって心身の鍛錬に重きを置くようになり、竹刀に変わりました」。竹刀の握り方や振り方を教えると、次は生徒たちと留学生が一緒に、宙に広げた新聞紙を竹刀で斬る練習に入った。「力まかせに振り下ろすと斬れません。力を抜いて振ります」と大田教諭がアドバイスする。要領を覚えると、うまく新聞紙が斬れるようになり、その度に歓声が上がる。

    • 体育の授業に参加し、日大藤沢生と一緒に剣道の練習をする留学生
      体育の授業に参加し、日大藤沢生と一緒に剣道の練習をする留学生

     次は面打ちの基本稽古だ。「面!」の掛け声とともに右足で踏み込み、相手が横に構えた竹刀に対して自分の竹刀を縦に振り下ろす。留学生たちも、「面」と大きな掛け声を上げながら、みんな一生懸命に竹刀を振っていた。

     留学生と一緒に練習した生徒たちは「初めてなのに上手で、竹刀に力強さが伝わってきました」「みんな優しかったので、楽しく稽古できました」などと感想を話した。

     日本の車が大好きで日本に興味を持ったというマイケル・ラン君(高3)も、「剣道はとても楽しかった。将来、また日本に来たい」と笑顔を見せた。

    ホームステイし合って友情を深める

    • 留学生のナターシャさんも英語の授業に参加した
      留学生のナターシャさんも英語の授業に参加した

     日大藤沢は中3から高2を対象に、オーストラリア語学研修を行っている。中学生約40人、高校生約40人が参加する約2週間のプログラムで、中学生はリバーマウント校、高校生は別の学校に通いながら、現地の生徒の家庭にホームステイする。バディと呼ばれるホームステイ先の生徒が、学校でも休日でも一緒に過ごして仲を深める。リバーマウント校の生徒が来日したときには、日大藤沢の生徒の家庭にホームステイして、いっそう交流を深める。

     今回、加瀬雄大君(中3)は、来日したアントン・マクスウェル・ジョーンズ君(高3)と久しぶりの再会を喜び合った。

     「オーストラリアに行ったときは、海やテーマパークに遊びに行ったり、ジェットスキーを楽しんだりして仲良くなりました。アントン君は僕にとって優しいお兄ちゃんみたいな存在です。帰国後はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でやり取りしていましたが、やっぱり会えてうれしいです」

     「僕にとっても雄大にとっても、お互いにホームステイしたのはいい経験です。日本とオーストラリアでは、生活や仕事の仕方が全然違うことも知りました。世界の大きさを知ることができました」とアントン君も満足そうだ。

     牛尾一翔さん(高1)も、昨年のホームステイ先だったナターシャ・リースさん(高2)と再会した。「一翔がホームステイに来たのがきっかけで、日本に興味を持つようになりました」とのこと。この日の4時間目は英語の授業で、バディの在籍するクラスの授業に留学生が参加。ナターシャさんは牛尾さんのクラスで一緒に授業を受け、質問攻めに遭いながら、楽しい時間を過ごした。

     リバーマウント校のマーク・アンダーセン教諭は、「2002年に姉妹校になって以来、日大藤沢の生徒さんに毎年来ていただき、2年に1回は私たちがこちらに来ています。生徒たちは日大藤沢の生徒さんが来るのを楽しみにしていますし、うちの生徒も日本に行くのを特別楽しみにしていて、とてもいい関係を築いています」と話す。

     日大藤沢の岡田有未教諭は、「日本に強い興味を持っているところが、リバーマウント校と他校との大きな違いです」と話す。「先生も生徒もとても温かく、親切にしてくれるので、感謝の気持ちでいっぱいになります。彼らは日本語の勉強をしているので、こちらが一方的に英語を教えてもらうわけではなく、お互いに必要としている感じがあります」

    コミュニケーションが生徒たちの姿勢を変える

    • 国際交流は生徒が変わるきっかけになると話す岡田教諭
      国際交流は生徒が変わるきっかけになると話す岡田教諭

     岡田教諭は、「こうした経験を通して、英語に限らず、人とコミュニケーションしようとする意識が大きくなってくるのです。多感な時期の生徒たちを変えるきっかけになることもあります」と話す。

     岡田教諭が、変わりように驚いた生徒がいたという。「中3の男子でしたが、まだ反抗期で、仲のいい友達以外とは話をせず、写真を撮られるのも嫌がるシャイな生徒でした。しかし、オーストラリアに行き、現地の人たちの温かさに触れて、感じることがあったのでしょう、別人のように積極的になり、目的意識を持って勉強に励むようになりました」

     夏にオーストラリアでホームステイを経験し、今回、留学生のホームステイ先となった生徒は、「オーストラリアに友達がたくさんできたことで、海外に興味が出てきました。世界を意識するようになりました」と話した。

     留学するだけでなく、留学生を受け入れることで、海を越えた友情の絆はいっそう固いものとなる。グローバルな人間関係は将来を築く大切な宝となりそうだ。

     (文・写真:小山美香)

     日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

    2018年11月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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